100万回 言えばよかった

犯人の条件を絞っていき、本格推理の常道通り、犯人はすでに登場していると考えた時、早い段階から英介が犯人ないしその関係者であるのは、かなりの確率で明白でした。荒川さんはほんわかした雰囲気の役も多いけど、そもそも出始めの頃はこういう危ない部分を抱えた役をやることが多かったし、視聴者を惑わせるという意味ではキャスティングが成功していると思います。それにしても、ただグミを食べているだけで怖いというのは、演出も見事だし、荒川さんもすごい。いろんな意味で貴重な役者さんですね。

最初はすっかりほのぼのキャラに騙されていた。だけど多分あのほのぼのも英介さんの中にある。いい人になりたかったっていうのは嘘じゃないんだなと思う。それなのに違う方へどんどん進んでしまうジレンマが爆発した時、豹変した顔がめちゃくちゃ怖かった。

緊張と緩和の緩和担当だと思っていたので犯人かもとなってきた時に余計にゾッとしました。グミの食べ方一つであんなに恐怖を与えられるってすごいですよね。急に激昂したところはもっと怖く殺されるかもと思うほどでした。

ゆいが直木がいるって告白してからの動揺がすごかった。ゆいから見たら幽霊で驚いているように見えるくらいの動揺に、視聴者には何やら事件に関わっているのでは？と思わせるくらいの動揺にしていたのがすごいと思った。いい人キャラが崩壊するのか？とワクワクしてきた。

普段は好きですがこのドラマの中ではあまり好きではないかな。ラブストーリーもあるけど事件性もあるわけで、そういうストーリーには荒川さんの良さは逆に邪魔になってしまうような気がします。緊迫感と真逆なタイプなのでミスキャストかなと思います。