19番目のカルテ

ゲスト出演という形だけど、なかなかの熱演でした。

痛みっていうのは、本人しかわからない。そして外傷とか、目に見える診断がないと、職場とかは「さぼり」とか「根性がない」と勝手に判断する。会社によっては明確な診断書がないと、病欠扱いしてくれないところもあるしね。でも医者が常に明確な診断書を出せるわけじゃない。未知の病気だってあるわけだし。

そういう扱いを自分自身も受けたことがあるし、聞くと周囲にも案外いる。融通がきかない、あるいは想像力がない会社とか同僚も困ったものだけど、医療現場も常に知識や能力をブラッシュアップしてほしい。

里依紗さんはある意味で鬼気迫る演技で、そんなことを訴えてくれたと思います。

1話の熱演がとても印象的だったので、最終回でその後の様子を知ることが出来て嬉しかったです。相変わらずと言っていたけど、依然と違って「たまには休んでも良い」と自分を大切に出来るようになった姿は、通院時の辛そうだったそれとは別人のように力みが抜けて穏やかな良い表情をしていて、病気と上手く付き合いながら穏やかな日々を過ごせているのが伝わってきてホッとしました。

痛くて堪らないのに誰にも分かってもらえない苛立ちや孤独、諦めが、その表情や声のトーンからひしひしと伝わってきて、見てるこちらまで苦しくなるくらいの圧巻の演技だったと思います。診断名が出た時の心底ホッとした泣き笑いも印象的で、あの救われたような笑顔のおかげで総合診療科の存在意義がより強く感じられたのも良かったと思います。

すごく良かった！目に見えない痛みをどれだけ伝えられるかがカギとなる物語で自分にしか分からない痛みを、その分かってもらえない苦しみを存分に感じることができた。確実に症状はあるのに診断されずどんどん荒んでいく、メイクもせずなりふり構っていられない様子に胸が痛みました。