4分間のマリーゴールド

麻生祐未のキャラが家庭をおきざりにして世界中を飛び回る自由奔放なフリーの写真家のイメージに、違和感なく、うまくはまっていました。
沙羅が今年の誕生日に亡くなるかも知れないと言われ狼狽しますが、ドラマの最後には、強い母の姿を取り戻す場面は、すごみがありました。
廉が、「どこで何しても構わないが、沙羅が、小学生の時に、もっと母親らしいことして欲しかったのに『産んでくれて、幸せになってくれてありがとう』と書いた母への手紙も渡せなかった」と非難したときの、麻生の動揺した表情は、あまりにも頼りない母親の姿でした。
しかし、翌朝、麻生は、みことに、自分が死んで沙羅が長く生きられるなら何でもすると言った時の、麻生の顔には強い母親の姿が蘇っていました、
そして、みことが、沙羅の運命には逆らえないと自暴自棄になった時に、しっかりしなさいと、みことの顔を叩いた時には廉の代わりに家長としての頼もしさすら感じられました。
「飛んでる女」から、「強い母親」へのキャラの進化のプロセスを見事に演じていました。

沙羅との回想シーンでは素敵なお母さんだったり仕事に打ち込む所とかマイペースな感じだったので、「私のをみなさい！」とみことに、迫ったシーンが今までにない表情でびっくりしましたが、迫力があってとても印象に残っています。このシーンを見てこの人がお母さん役で良かったと感じました。

沙羅が昏睡状態に陥ったときに付き添う姿が何とも切なかったね。まるで今までの埋め合わせをするかのような気持ちだったのか、静かに運命を受け入れる覚悟だったのか。分からないけれど先の見えない状態から沙羅が回復したときの表情は今まで見せたことのない感情が表れていて良かった！

若手の俳優ばかりのドラマの中で、さすが！という存在感を見せてくれるかと期待していたけれど、この人には、もっと毒の強い、息子を溺愛する異常な母親役とかの方が似合っていると思います。最近そういう役を多く目にしたからか、自由奔放ながら良い母親の演技は、何だかぼんやりしてつまらい印象です。

出てきた時に、あまりにお気楽な感じだったのでちょっと引きました・・
とても、あの４兄弟の母とは性格が違い過ぎて、設定に「おや？」って。
でも沙羅の運命が分かった時の麻生さんの凄み！圧倒されました。
ストーリーはたまに「ん？」と思いますが、麻生さんはさすがだと思います。