JIN -仁- レジェンド

今まで見た武田鉄矢さんの演技の中で最高峰でした。元々人を泣かせる演技をされる方ですけど、今回の演技は非の打ち所がないほど。　こんなに素晴らしい役者になられたのですね。　深い声、揺るがない心を映す目、仁に欠けることのできない素晴らしい出演者ですね。　目を離す事ができませんでした。

緒方洪庵の優しさや正義を前面に感じられる演技だった。
とくに、自分が結核にかかったことを知った上で"よき未来をおつくりください。"と発したシーンは、緒方洪庵の良さが上手く生きる演技だったと思う。落ち着いた雰囲気を作り出せていたのがよかった。

緒方先生の言葉や行動、医への志をこのドラマで見て、私は現代がどれだけ恵まれているかを知りました。
人のため、道のために緒方先生の全人生をかけて医療の進歩に携わってきたことが、このドラマでわかりました。
医療は今ではありがたく思われていますが、昔は新しい医療は蔑まれ、みんなの努力があって今がある、それがわかりました。

緒方洪庵先生の言動は仁先生の志に大きな良い影響を与えたと思う。雰囲気があってセリフ一つ一つに重みを持たせる素敵な先生。たまらん存在感が大好きだったので、死んでしまった時はロス状態だった。だけど、仁友堂の仲間がいざと言う時は、緒方先生が回想で登場したり、志を再度認識させてくれる。緒方先生がいつも仲間と共にいる感じで、存在感を心に残す凄い人だった。

武田鉄矢さんは、みんなを引っ張る先生というイメージが強いので、緒方洪庵の役もいつもの先生という感じかなと思いました。でも、緒方は立派な方で、謙虚で、実行力があり、皆に慕われていました。武田さんも自分の思いを強く出すのではなく、穏やかに演じていました。どこの誰かもわからない仁の言うことを信じ、コロリの治療をしたり、ペニシリンを作ったり、仁が迷っている時に「良い未来を作ってください。国のため。道のため」と導いたりしました。静かに説得する武田さんがとても素晴らしく、演技に引き込まれました。

圧倒的な存在感で脇役ながらもこの方がいるだけで、ドラマに迫がつきます。
特に、人道を語るその演技は感動して身震いしてしまいます。人を惹きつけ、感動させることの演技ができるのは本当に素晴らしいと思います。