Believe－君にかける橋－

社長、最後にすごいこと言ったね。君の夢を語るところが嫌いだったって。でもそんな狩山だから自分が会社を救おうと刑務所にまで入ることを了承したんでしょ。で、これほどいろいろ騒がせて誰が勝ったというのだろう。また刑務所に収監されて妻の死に目にも会えなくて、多分小さな会社で働いている。たった一つ良かったことは奥さんの信頼を取り戻せたところかな。逃亡中、奥さんはあれほど陸のことを考えた日々はなかっただろう。そして狩山の誇りを思い出してくれた。それだけで十分？だったのかなー？

結局これって、ワーカーホリックな社畜が冤罪で逮捕され、病身の妻と善意の人々に支えられ、社畜はやめてただのワーカーホリックになったって話になる。いろいろ昭和・平成的でツッコみたいところは山ほどあるけど、ひと言でまとめればつまらなかった。そして最後の最後まで気になるのが木村さんの演技。非言語の部分の表現力がない人にありがちなんだけど、すぐにポケットに手を突っ込みたがる。最後の10分くらいで半分以上の時間、そうしていたように見える。たとえば斎藤工さんと別れるシーンも、歩く時の手の振り方ひとつで自由さを感じさせることだってできるのに、ポケットに手を突っ込んだら、拘束のイメージと重なってしまう。それは場面的に違うと思う。ポケットに手を突っ込むのがカッコいい時代はとっくに終わっているし、キャリア的にも見た目より、内容を掘り下げた象徴的な芝居をして欲しい。

うーん、ターゲット層が見えないんだよね。王道のキムタクで正義の話にしたかったならそれでも良かったと思う。会社や弁護士、妻や警察、果ては刑務所の人たちさえも敵になったり味方になったり変化が目まぐるしくてついていくのに必死で疲れる。現実にもグレーな社会があって裏切りも多々あるけれど、そういうのに疲れた人が分かりやすい善悪に当てはめてスカッとしたい人たちもいるだろう。ここまでくると最後には全部がスッキリすると願うしかない。

脚本が下手でつまらない、ストーリーを故意にドキドキするようにあり得ないようなスチュエイションを差し込んだり、余計なことをこねくり回している感が見え見えです。センスが感じられない。スマートさがない。このドラマの主演がキムタクでなければ視聴率はグーと低いでしょう。一生懸命視聴率を上げなくては・・という下心が…。木村拓哉がかわいそうとさえ感じます。
高野より

大きな橋を作るために集まったスペシャリストだといくらリスペクトしてくれても元請けと下請けでは立場が違う。同じ志で同じ夢を見て同じ橋を作ってって狩山はそういう綺麗な部分しか見てこなかったのだろうか？都合のいいところだけ切り取って綺麗事しか関わってこなかったから薄っぺらい策にハマり塀の中に入れられたのだろう。普通の会社員が罪を背負って刑務所に入ってくれって頼まれてそれをのむかね？狩山って頭の中お花畑だよね。

最初に思っていたストーリーとはだいぶ違ったドラマで、ここまできたらロードムービーもありなんじゃないかと思ったけどね。もう胡散臭い世界とはさよならして小さな町で生きていけばいい。っていうかほんとは一年足らずの刑期なら素直に受けて出所したら関係ない土地で生きていくのが一番だと思うけどね。もちろん会社からは慰労金を含めた大金はもらう必要があるけどさ。こんな一般人が死に物狂いで駆け回ってもやれることってたかが知れてると思う。

期待せずに見たせいか今期一番続きが気になるドラマ

天海さん、痛みをこらえる芝居だけで重病だというのはね、どうなんだろう？もちろん現実にも末期がんなのに亡くなる数日前まで、そうとは思わせないほど元気だった人にも会ったことはあるから、そういう人だっているのはわかるけど、芝居だからこそ、そう見えることが重要。実際に痩せなくてもいいけど、せめてメイクとかで少しは変化が欲しい。木村さんも逃走しているのにマスクもしないでこざっぱりとして社長の元へって、別に普通に出社するわけじゃないんだからねえ。全体的にこのドラマは、シリアスなのに、そういう立場や状況に見えるように工夫する努力または配慮が足りていない。

狩山みたいな熱血タイプのサラリーマンは職場の同僚に裏切られるとかは考えたことないのかな？いろんな現場を潜り抜けてきた中間管理職にはどうしても見えない。助けてくれたと思っていた竹中さんも温かい食事やお風呂布団まで用意してくれてありがたいけど、娘を殺した犯人を殺して狩山に罪をなすりつけようとしていたんだからホラーだよね。ま、本当のところはそこまで悪い人に見えなかったしそこまでのことはしないと思うけどさ。先々で味方を増やして桃太郎にでもなるつもりだろうか。

世の中では本宮まで敵だったとは！って意見があったみたいだけど、自分が本宮なら自分の幸せと婚約者の安泰を願うのはごく自然なことだと思う。狩山にどのくらいの恩があるか知らないが、自分に大事な資料を渡すとかほんとやめてほしいと思ってしまう。現に手助けしようとしたのが仇となり意識不明の重体って目も当てられない。変なことに巻き込まないでって気持ちしかない。全てを背負うと決めたのは狩山だったはず。その浅はかな判断の代償は自分が取るしかないと思う。

再審をさせてもらえなかった腹いせに家や家族を焼かれてしまった林さんの無念は分かった。でもここで脱獄を許す方に向かうのが分からない。それなら狩山の再審ができるように動くのが筋だろう。それをさせず脱走させたくらいじゃ問題が解決しないのは林が1番よく知っていることだろう。そこにはやっぱり誰かの指示があったと思う方が自然だ。狩山は誰かの手のひらでいつまでも踊らされている印象。一年の刑期ならジタバタしてるうちに過ぎてしまう気もするけどなー。

え？これって脱獄するドラマなの？というのが感想。今更奥さんに会いたいとかちゃんちゃらおかしいわ。現行犯で逮捕されて翌日から刑務についているわけでもなく裁判だって長い年月がかかっているでしょう。その末の一年の刑期なら全うして早く出た方がいいって頭のいい人なら思うでしょう。出所したら海外赴任にしてやるなんて嘘だと思うけど、なんだかヤクザみたいだよね。証拠を託される後輩だって迷惑だと思うよ。なんにせよ狩山の判断が甘かったのが最大のミスだね。

協力というのが嘘だとわかっていて、更にその裏をかいたつもりでも、内通して情報が流れているのは間違いないわけで、脱走するのが見え見えならば、当然だけど手は打たれているに決まっている。うまくいくはずがない。林が優秀というより、極めて当たり前だよね。まあ狩山としては刑務所の外に出られただけでも、脱走できる可能性は増えるわけだから、とりあえず悪くはない結果かもしれないけど。でもそもそも隠蔽の責任を被った時点で、今更でしょう。奥さんが病気じゃなくても、普通ならもう人生アウト。更に再審の難しさを知らなかったんだとしたら、大人として常識不足。何もかもあとの祭り。会社なんてものを信じるバカの末路としか言いようがないし、それほど同情できないから、感情移入が難しい。

狩山は仕事ができたのも本当だし、大きな仕事を任されてピンチも自分の手で乗り越えることができる1番働いていて面白い時期。だけど欠点は社畜だったってこと。このタイプの人間はこの会社は自分で回っていると勘違いする。自分にしかできないという自負は大事だし働く原動力にもなるけれど、それと同時に自分の代わりなんていくらでもいると思っておかないといけないと思う。現に狩山が逮捕されても業務は回っている。今からリベンジ、できるだろうか。