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脚本・ストーリー 2.8 /5.0(55.4%) | 907位 /1090件中 |
キャスト 3.2 /5.0(64.6%) | 880位 /1090件中 |
演出 2.9 /5.0(58.4%) | 858位 /1089件中 |
音楽 2.7 /5.0(53.8%) | 902位 /1090件中 |
感動 2.9 /5.0(58.4%) | 628位 /1085件中 |
笑い 2.4 /5.0(47.6%) | 747位 /1085件中 |
スリル・興奮 3.3 /5.0(66.2%) | 459位 /1082件中 |
結局のところ自分たちが正義を振りかざしたって裁けるところはたかが知れてるってことか。悪事を暴いたって秘書がやったから自分は知らないとか言ってトカゲの尻尾切りして本人は裁かれない。桧山だって雲隠れしてほとぼりがさめればなにか違うことを始めるはず。悪はスポットライトを避けるように隠れただけなのだ。これが現実だよなーと妙に納得。正義は今!なんてかっこいいこと言ってたけど青臭いだけでだから何が変わったの?って思った。
最後、ちょっと端折り過ぎちゃったかな?桧山の検事長就任を止めようと乗り込むまでは良いとは思うのだけれど、残ってその場で採決は???でしかない。たしかに甲野ファイルは出てきたけれど、まったく審議してないし。それでセクハラ事件も起訴相当ってやりすぎだと思った。近藤さんまで起訴相当!って言っちゃってるし。最後勢いだけであんな風にやったら、だから素人だからめちゃくちゃだ!ってことにしかならない気がする。庄司議員がこれからの世に必要だと何度も言われていたけれど、まるっきりそんな風に見えなかったのがかなりのガッカリポイント。
身代わり出頭した人の病気の娘さんを救おうとクラウドファンディングするという発想まではいい。越前が自分は漫画しか描けないから漫画で応援すると言ったのもいい。だけどそのマンガってクラウドファンディング用じゃないじゃんねー。今までの自分たちのカッコよかった部分だけを集約したみたいなうちわ受けしかしない漫画じゃん。これで悪を正してきたじぶんたは正しい!とみんなの心が一つになるやつ。クラウドファンディング関係ないじゃんと思ってしまった。
よく聞く身代わり出頭だったわけね。それが議員の身を守り政治を混乱から救い、身代わりになることで自分の娘の命も救える。win-winの関係ってやつ。どこまでも汚い。だけどそれを裁いた時に気持ち悪さも残るのは確かなんだよね。早く言ってしまえば死者は生き返らないわけで、議員だって捕まることがなければまだまだ人を轢き殺すってわけでもない。身代わりになる人は犯罪者になるけれどそれも承知の上で娘の命を救いたい。真実を暴けばいいってもんでもない。すごく深い話だった。
自分が学園長の息子であることは事実で、そのことを言われたことをプレッシャーに感じたまではわかるとして、それを相手に雑務を全て押し付けるになったり嫌がらせをするにつながるのが理解できない。忙しすぎて気持ちに余裕がなかったとしても、あそこまでするかな?エビアレルギーのある人は当然甲殻アレルギーなのだからカニもダメだと分かりそうなものなのに、それを入れたスムージーを飲ませたり。毒盛ったのと同じだと思うのだけれど。フラフラになって落ちたと理解できそうなのに、直接的な原因ではないということか。なんともストンと来ないのはなぜだろう。
そりゃ食中毒ではないから不起訴相当だろう。だけどここで分かった真実を元に違う裁判を起こすことは可能だろう。イジメはダメ!と言っている教師たちがこの有り様じゃこの学校もろくなもんじゃなかったろうね。人の子を預かる先生がアレルギーが起きたらどうなるかなんて知らないはずがない。結局は怪我が原因だとしてもそこに至るまでの過程を見れば殺人だろう。犯人が捌かれないなんておかしい。これは別の裁判できっちりかたをつけてほしかった。
いろんな虐待があるけれど、この教育虐待もやっぱりつらいな。親のレールを疑いなく外れることなく走り切れる子どもは良いかもしれないけれど、そこに疑問を持ったり外れたりしたら地獄。お兄ちゃんは疑問を持ちながらも高校生までは走れていたのだろう。だから、逃げるという選択ができた。でも弟くんは。自分が逃げたせいで弟に向いたと自分を責める気持ちも分かるし、だからこそ庇ったのだろう。悪いのは当然父親なのだけれど、庇われたことで弟くんは自分のやったことに向き合えなくなってしまったし、お兄ちゃんに対してもしこりができてしまっただろう。とても難しい問題だけれど、元の兄弟の関係に戻してあげるには父親の罪と兄弟の罪をきちんと分けて明るみに出す必要があったのだろうと思う。
兄弟共に長い間教育虐待をされていてそれを苦に弟がカッとなって父親を刺した。それを庇おうと兄が容疑を被ったという事件。そりゃ殺してしまうのは絶対に悪だし罪なことだけど、そうしなきゃ逃れられない状況と心を踏み躙られてきた年月の長さを考えるとこの兄弟だけが悪いなんて到底思えない。父親は裁かれることなく死んだんだしあのまま不起訴で事件が終わっていても良かったのでは?と思ったけど違うのかな。なんか余計なことを蒸し返しただけのような気がした。
検察審査会って素人の集まりだしそれをやりたくて志したわけでもない。ここでは刑事ばりにいろいろ証明したり検証したりとすごく頑張って事件の裏の裏まで見つけてるけど本当にそんなことしてくれるのかな。それはプロに任せた方がいいんじゃないかと思ったけど、最後の方で癒着してるところとか見るとなんのしがらみもない素人が入る意味はあるんだなと感じた。粘ったからこそ見られた死んでしまった人からの最後のメッセージ。読んでもらえて喜んでいるだろうなと思った。
きっともう一人の女性をかばっているのではと早い段階で思っていたが、別部署と言っていたので思い過ごしかと思ったのに。2人とも辛い思いをして、片方は亡くなり、残された片方はもう片方の思いも背負って生きる。亡くなった女性も悲しいけれど、残された女性もつらい。今までの事件は桧山がもみ消していたようだけれど、何のためにもみ消しを行っているのだろう。それも検察審査会に裏から手を回しているっぽいし。桧山の後ろにまだ誰かいるのだろうか?法律の専門でもないのに選ばれただけで重荷なのに、その上脅しとか勘弁してほしいと思う。
今回のように自殺か事件かって本当に難しいと思う。当人は死んでしまっているし、もっとも近い人物である母親から見える当人も夫から見える当人も全然見え方が違うからだ。それは誰かが嘘をついていなくてもそうなることは珍しくないだろうと思った。そして検察審査会にまで持っていく時間と労力が半端ない。死んだ人が帰ってくるわけでもないしとうやむやなまま終わるケースも少なくないだろう。選ばれたとはいえ一般人の審判に委ねるのも心配だと思った。
検察審査会って言葉は知ってはいるけれど仕組みは知らなくて、とても興味を持って見た。なるほど、一般の人から選ばれるのは裁判員制度に似ている。ただ、一回目を見終わって、1件だけを審査するのではないのだと驚いた。期間が決まっていて、その間にいくつか審査するということなのか。当然仕事などにも影響出るし、辞退したいと言った気持ちもわかるけれど、最初に出てきた辞退条項がなかなか厳しい。今回は犯人とされた人の息子にほだされて事件を追いかけ「起訴相当」の判断をしたのだけれど、なかなかに不安定な組織だなと感じた。
登場人物が多くてまだ全体は掴めないけどキャラに合わせての似顔絵の演出は楽しく一人一人が個性的なので分かりやすくて良かったです。でもこういうのは裁判員もそうだけど民間の人にやらせる意味がよく分からないんだよね。不真面目な人たちも物語が進むにつれて真剣に議論するようになって新たな新事実に辿り着いたけど、こういう複雑な事件なら尚更どう転ぶか分からない素人の集団に任せるのはどうなんだろうと疑問に思った。プロが忙しいからやっといて的な位置付けなら悲しいな。