真相は耳の中

他の感想でもあるように自分の子供を失くす苦しみを知っているのになぜ？と思ったけれど、犯人が語る言葉の中にその答えがあった。その行為は絶対に許されることではないけれど、自分に起きた事件は一般常識や理性など吹っ飛ぶくらいの人格破壊を起こすのだろう。だからこそ自分の亡くなった娘の元へ同い年の子供を送っていたのだろう。それは哀れではあるけれども許されない。そこまで壊れた心はもう戻らないのだろうか。娘さんも泣いているだろうな。

他のドラマでも結構あるけど、自分の子供が事件の被害者でその事件が埋もれてしまうのが嫌で自分も同じような犯罪をしてしまうってあるのだろうか？普通に考えれば誰よりも自分の子供を亡くすことの惨さを知っているはずの人間が、同じ苦痛を犯人ではなくまた違う家族に与えるってできるとは思えない。それとも事件にあって想像もつかない心の変化を経てそんな普通のことも考えられないようになってしまうのだろうか。その心理が分からない。ともかく今はメイが危ない。譲治頑張れ。妻に続いて娘まで失うわけにはいかないでしょ。

今回のトリックは非常に簡単。生配信！なんて謳っておきながら録画なんてよくあることでしょ。後ろの東京タワーの灯りの点灯時間に気づかないなんて警察はそこまでアホではないでしょう。もしその程度ならあやめちゃんのお母さんを殺した犯人なんか永遠に捕まることはないだろう。ただ人の秘密を暴いてその人の信用を貶めたりすることは、場合によっては殺人と同じことだと思う。だからって殺されていいとは思わないがそんなことをする人は十分気をつけた方がいいだろう。

1話たったの30分で解決する推理ドラマってなかなか面白い。特に目新しいトリックもなければ狭い範囲で全てまるっと解決してしまうので後を引く余韻がない。心情的にもどこにも引っ張られることがないから純粋に起きた事件に対しての謎解きだけを楽しむことができて面白い。自分を騙して全財産を奪った彼を殺すにはあざとかわいい女子にならなきゃいけなかったの〜って、努力する方向が間違っていて面白すぎる。あざとかわいいも1日にしてはならないはず！練習していたかと思うと面白かった。

良質のコメディです

たしかに警察のお仕事はすごく重要。だけど譲治さんの仕事っぷりがコミカルに作られているために、家庭をないがしろにしてでもやらなかかゃいけないとは感じられない。凶悪事件が多発して警察官が極めて少なくてってことでもなければ、奥さんの死に目に会えないことは納得できないと思うんだけど譲治さんは違うのだろうか？そこで仕事を選んだとおもってしまっている娘とは一生シコリが残るだろう。しかもその大事な仕事でもある犯人を捕まえるということができていない。ガッカリだよ。

毎回30分でミステリーが完結するのが面白かったのに今回は前編のみ。引っ張ったわりに面白くできるのかが鍵ですね。ただ設定は昔からある妖怪とか伝説を使った話。一族の誰かか使用人が犯人のケースが多い。早く娘に解決してもらわないとまだ死人が出てしまいそうで怖い。それとは別に明かされた今井さんの家族の記憶。奥さんの死に目にも会えずに仕事してたんだね。だけどその仕事っぷりがイマイチって救いようがない。娘が不憫だ。

大好きな先輩を助けたくて一生懸命推理して無罪を証明することも、不倫している夫とその相手を地獄に落とすために1年間鍛錬してでも復讐をやり遂げることも、正反対の気持ちだけどどちらも人を思う力が成せる技。まぁベランダから下の階のベランダにいる人の首に縄をつけるって超人技はできないけれど、恨みは人を殺すこともある。人の執念って恐ろしいよね。ピザ屋のお兄ちゃんがいい人すぎて全然怪しくなかったのがちょっと残念かな。でも30分でサクッと解決ならそのくらいの設定がちょうどいいかもね。

娘の無念を晴らそうとお父さんが一念発起してチャラいペンション？をオープンさせて、娘を死に追いやった男を殺す。なかなか強引なストーリーだよね？相手は大学生だから卒業するまでにそのサークルがそのペンションを利用してくれなきゃ何の意味もない。相手がチャラい遊びに飽きてまじめに就職活動なんて始めてしまったらまるで意味がない。幾つのも偶然をすり抜けてここまで来たってことは殺される運命ってことなのかな？恋愛は慎重にってことだね。

今や1時間のドラマでもすっきり終わらないこともあるのに、このドラマは30分で事件解決真相究明までやってくれるからありがたい。サクッと見られて面白いから好きです。伊原さんのベテラン刑事がポンコツなのも新しいし、それを解決するのは現場に一度も足を運んでいない娘なのも面白い。誰もがミステリーが好きで犯罪を犯しているわけではないだろうけど、これだけミステリー作品があればどれかには似ちゃったりするのだろうか。ありそうでなさそうなドラマに引き込まれている。