さくらの親子丼 3

いつも上から目線のくどい女

シリーズ3回目でも、見る気が起きたのは真矢みきがドラマを支えているからです。
シリーズ３では岡林の視点で保護施設の建設反対運動という大きな偏見との戦いがありましまたが、岡林に好意を抱くサクラの恥じらう表情が可愛くて、それでいて、岡林に施設建設反対を言われた時の、とまどうサクラの困惑した、失望した表情には違和感なく同情できました。それでもサクラの、冷静さを装う演技のおかげで、人間的な、ふところの深さを感じさせてくれます。
それは、シリーズ３で初登場の弁護士宮部との係わりでも見られ、宮部が折角、子供たちの為に作った手料理を真由子が拒絶したときの軋轢にも、真由子の心の闇を、諭すようにサクラが語る口ぶりは胸にしみ入るような説得力がありました。
偉ぶらず、嫌味がなく謙虚に子供たちの不幸に向き合うサクラの姿が感動を与えてくれます。

さくら役の時の真矢ミキさんは、他の役の時とは一味も二味も違います。だからこそこのドラマのシリーズがこんなに続いているのだと思います。個性自体がとても強い方なのですが、さくら役ではアクが強くなく、ただひたすらシェルターの子に愛を注いでいるという想いがセリフがなくてもこちらに伝わってきます。

正直ほかのドラマに出ている真矢ミキさんの演技はくどいというか灰汁が強すぎる印象があって（それが持ち味でもありますが）、あまり好きではなかったのですが、このドラマに出ている真矢ミキさんは母性を感じるし子供への深い愛情を感じられてとても良いです。質素なのにハチドリの家の子供たちに対する姿勢、まっすぐに愛を伝える姿はとても胸を打ちます。

真矢みきさんの演技、懸命さがちょっとあつくるしい感じがするが、それがこのドラマの良さでかと。虐待やざまざまな思春期の不安定な心の葛藤、改善されるべき社会問題、視聴後はいつも切なく考えされられる。
言葉なくても親子丼でさくらの思い気持ちがつたわる。