SUPER RICH

島谷さんが会社を辞めて今後は何をしたいと思ってるのか、そこをちゃんと教えてほしかった。会社のほうは衛たちの企て通り、全て上手くコトが運んだのは良かったけど、デイトレで投資金を２倍に増やせたとかなんか都合良すぎて、一気に陳腐なストーリーに成り下がった感もあるかな。
でも最初から最後まで、衛と優君の誠実で真っ直ぐ、そして他人を思いやれる懐の深さには、見ていてとても癒された。

衛は子犬みたいに島谷さんを信じて慕って何事も打ち明けてたけど、島谷さんのほうは親切なんだけど衛ほどには心を許してない感じがしていたと思ったら、案の定、彼女の親しさの裏にはちゃんと計算があったのね。衛が心血を注いできた会社が美味しそうに育って上場を果した途端、横取りするかのようにいきなりTOB宣言とは、義理も人情もないって感じ。
優君は上手くデイトレで利益を出せればいいけど。親のお金問題が片付いたのに、今度は自分自身で借金を作るようなことになったら目も当てられないでしょ。

元上司に対して裁判をおこしたことで何かが変わったとしても空が衛が傷つくようなことはしない気がした。もちろんコンテンツの独占ライセンスを狙っている聡美と手を組んだのは裏切りだと思う。思うけど、話しをし始めたのは衛の病気が明らかになったころのはず。衛が復帰したタイミングに話を持ってきたのは嫌がらせのようだけど、仕事では"普通"のことでは？何も考えてなかったというか、聡美のことを断ったら諦めてくれる人だと思ってた衛も悪いでしょ。病気のことがあったとしても何か仕掛けてくるかもと役員には徹底してもらうべきだった。
空が大きな意味で衛を裏切ったわけではなかったとわかるオチがみたいなと思いました。

いつも穏やかで誰に対しても寛容な優君が、あんなに険しい表情で両親に怒るなんて、よっぽど腹に据えかねたんでしょうね。せっかく仕事のチャンスをあげたのに、それすら満足に対応できないなんて情けなさすぎ。
衛も、なんで病気のことを真っ先に優に伝えないのか、言い訳してたけどよく解らない。それに職場の仲間にも、伝えるべきことを黙ってるから事態がますますこんがらがってるってこと、いくらリモートワークで自宅にいても社長なら察知しないとね。でも上場セレモニーにも出席できないほど重症なら、この先もCEOを続けるのは到底無理な気がするけど。

貧乏でも幸せ！って笑ってた優くんが変わってしまった！って嘆くような人もいるかもだけど、社会を知って大人になってからうちって変わってたんだなって思った人って結構いるんじゃないかな。優くんは人の良さと家族愛でいろいろ受け入れていたけど、その呪縛が解けたっていう方がしっくり来るかも。自分の愛していた両親の不甲斐なさやだらしなさに気づくって切ないけどね。ま、息子の大事な仕事を潰してしまう親はダメよ。土下座は大袈裟だけど怒るのは無理ないんじゃないかな。

正直1年海外でちょっと勉強してきただけの人にナンバー2は無理でしょ。怪我してリハビリしたりして仕事してない期間もあったわけだし。優には衛の代わりはできないのは誰でもわかること。そんな中で物事がうまくいかなく苛立っていくのは仕方ないけど、人というかキャラ変わりすぎでしょ。
自分の両親だからこそ言えたのかもしれないけど、すぐ借金作ってしまうような両親の異常性は自分が働きはじめてわかっていたはず。もちろん自分達から報連相をしなかった両親が悪いのは変わらないけど、こまめに連絡を取らなかった優も余裕がなかったからと言い訳するのかと残念。
衛の病気は何なの？面倒な問題を盛り込みすぎな気がします。

毎回毎回面白かった！江口ｘ赤楚新鮮で可愛かった～

衛と優の二人は、誰にたいしても真摯な態度で誠実そのものなところが、そっくり。二人がいつも誠実に他人と向き合って、またお互いを思いやってる様子には、見てるだけで癒される。
島谷さんは何の意図もなく、お気に入りの後輩である衛を可愛がってサポートしてるわけじゃないでしょ。仕事ができる人だから、自分が得になることをしっかり考えて立ち回っているはず。それ自体はべつに悪くはないけど、衛が寄せてる信頼を結果的に裏切ったりしないであげてほしいわ。

今吉が衛のことを特別視してたのは何となく感じてたけど、衛のことをガチで好きだったとか、自分のほしかったポジションを優に取られたから辞めるとかは突拍子もない流れは何なのか。しかもその後SNSで同性愛者と拡散されるとか、拡散させた加害者はどうやって知ったのか疑問だし。
優も刺されてナイフ抜くとか馬鹿なの？出血は酷くなるし、またそのナイフを強盗が手にしたら別の人が怪我するかもとか考えないのか…。そんな至らなすぎるところばかりの優が1年4ヶ月後に偉そうになっているというよくわからないラスト。
仕事面があまりにもうまくいってないからって年月飛ばせば綺麗に収まるとでも思ってるのかな？

漫画家の野田先生の器の大きさには感動。盗作されたと怒り狂ってみせる方法もあるのに、皆の予想を大きく裏切る反応で、真の大物ぶりを見せつけた感じ。
城戸が長い時間と労力をかけてやっと実行に移した、ダサい復讐に巻き込まれたことなど野田先生は気にも留めず、まだ更に衛たちにみずから手を差し延べるとは。
衛の白無垢姿やら他のエピソードが全部飛んでしまうほど、野田先生がカッコよかった。

恋愛要素が減ってやっと仕事でうまく行くかと思ったのに、裏切り者は本当に酷い。たった10万されど10万。優の"人生で一番価値のないものに使ったんだ。僕は君を可哀想だと思うよ"というセリフは優が言うから重く感じた。
野田先生の"いい舟見つけましたね。僕も乗りたいな"というセリフはグッときました。救われる展開があってよかった。
個人的に指環なんかいらないから、恥ずかしいという理由だけで結婚を内緒にしようという衛の案は意味がわからなかった。結婚したら優の態度は絶対変わる。内緒になんてできるわけがない。結局白無垢のせいでバレたからどうでもいいかもしれないけど、優の好きと衛の人として一番好きは噛み合ってないなと感じました。

大河専務って、その見た目以上に中身は相当の悪人。衛のお父さんに昔お世話になったという恩義を感じてないばかりか、死ぬタイミングが悪かったから自分が損したと平然と言い放つなんて、人格疑うわ。優くんが賭けに勝って大河に謝らせたようだけど、その光景を見せて欲しかったな。
優は衛に男として見て愛してほしいのかもしれないけれど、人間の中で優が一番好きだといった衛の言葉は、恋愛感情なんてチンケなものを遥かに超えた、この上なく素敵な最上級の告白だと思った。

初回で脱落して、面白いって声を聞いて復活してみました。初めの方のお金持ち前回のいやらしさは消えていてイケメンたちに守ってあげたいと思われる存在になっていてびっくりしました。おばあさんとのエピソードは一人っ子ならではって感じです共感できました。一人っ子ってわがままとか言われるけど、親が老いたらとか親が死んだらとか結構シビアに考えているもんです。自分一人でなんでもしようとするし、それを何とも思ってない節がある。それを当たり前と思っていた衛に寄り添ってくれた優、そりゃ大好きになっちゃうなと思いました。

恋愛要素がメインになってしまってがっかり。2人の男性に想いを告げられて、2人とも人として好きとかは衛らしくてよかった。なのにその後、空よりも優のが近くにいたくらいの差しかないなか、突然衛から人間の中で1番好きって…。まったく共感できる流れではなかったので、楽しめなかったです。
優は優でけじめのつもりなのか空に借金を返すまで待ってほしいと断る始末。早々と返す気でいるみたいだけどすぐ体を壊しそう。その間に空がとか思わないのかな？しかもたいした稼ぎもない息子にお金を無心してくる親がいるのに、自分はさも有料物件かのようにプロポーズしてて人としてどうかと思いました。笑うどころか呆れて言葉もないです。

いずれも見目麗しく人柄も誠実な年下の男の子に同時に言い寄られるなんて、ちょっとデキすぎ感はあるけれど、衛は確かに魅力的だから、ここはケチつける気にもなれない感じ。近年のドラマで、ここまでチャーミングなヒロインって、居なかったんじゃないかな。お世話になった人に対する態度はちょっとした任侠の世界を思わせるほど腰が低くてどこまでも義理堅いし、だからその分、三日月モバイルの大河の不義理な態度には、きっと怒り心頭でしょうね。
優は留学も叶ってやっと人生が順調に進み始めたかと思ったのに、この後に及んでまた家の借金を背負わされるとは。母親も、社会人になってまだ数年程度の息子が、２００万円ものお金を簡単に工面できると思ってるのかしら？　優には早くお金の問題から抜け出させてあげてほしいわ。

宮村に衛をとられるのが嫌と子供みたいなこと言ってたわりに留学をあっさり決めて驚いたし、たった1年の留学で大人になれると思っているのに違和感を覚えました。帰ってきて噂を聞いて、自分がいない間に衛と宮村が付き合うとかも考えてなかったことには呆れました。そしてライバルとしてる相手に借金をする神経がわからない。必要なのはわかるけど、宮村以外頼れる人いないの？と突っ込みたかったです。衛に対しても自分の気持ちだけで行動してて、何も変わってない。衛が足を踏んで怒ったのでとてもスッキリしました。
仕事面も留学して少しは成長したのかと思ったのに、知り合いというコネがあっても仕事を取れないオチで、留学に行った意味がわかりませんでした。

留置場に入れられても、面会にきた衛からお金を引き出そうとまだウソを重ねるとは、亮には心底呆れる。彼をいつまでも信じようとした衛の人の良さにも呆然とするけど、周囲の意見を聞き入れるだけの聡明さがあって良かった。
衛と空の出会い方は、なんとも非現実的で奇想天外だったけど、その辺はこのドラマのファンタジックなところなのかな。ごく平凡な人と見せかけて、突然突拍子もない言動をする衛らしいエピソードという感じ。でもよっぽど自分に自信がないと、あんな風に声かけたり他人の人生をひっくり返すようなことできないよね。

宍戸からのパワハラが酷すぎて辛かった。上司ではないけど先輩から受けた過去を思い出させるもので、同じことをされたわけでもないのに呼吸が早くなった。コンペにいくら参加したくても逃げたくなるのも納得。PTSDっていうと言い過ぎなのかも知れないけど、話し合いに言って宍戸の怒りを受けたら過去を思い出して服を脱いでしまうのもわかる。衛がいて良かった。宍戸は殴ったことを理由にまた干されれてほしい。
就活のために宍戸と手を組んだ豪徳は結局就職できても宮村のようにボロくそに言われてた気がする。自分の利益のためなら仲間を簡単に売る奴だと。考えればわかることだけど、考えることが多すぎて目先の利益に乗ってしまう。今の就活がこんなに難しいものとは思わなかった。

衛と優は2人とも、他人の気持ちを思いやれる気遣いのある人同士、とても波長が合ってそう。宮田は優のことが気に入らないみたいだけど、人間性も人としての賢さも、優は他の幼稚な印象のインターン生とは比べ物にならないくらい優れていそう。またお顔も可愛いから、北別府先生も彼に家まで訪ねて来られたら、つい甘めな態度をとってしまったのかもね。
それにしても衛って、誰の意見も素直に聞くし、腰も低くて穏やかな人柄で、、、と少々出来すぎた人という感じ。でもイヤミなところが一切なくて、なんか彼女を見てると心が洗われる気がするわ。

作家さんに0でもそこに何かを詰め込めばいいと言ったり、自分の作品を貶されて悔しがりもしない奴と仕事なんかしたくないと言ったり、衛の言葉は再出発した衛たちを現していて良かったです。
でも無給でいい、会社に住むはわかるけど、食事は？お金ないはずじゃない？どうやって生きてるの？きっと優という宙ぶらりんな存在を楽しむ作品なんだろうけど、正直最初の土下座から優というキャラが理解できません。衛と一緒にいたり、常識のない衛のサポートとかしてるのを見るとそのくらいの必要性しかないのかと優という存在の軽さが見えて、このキャラ必要？と疑問に思ってしまいます。とにかく優の存在が上手く飲み込めないです。

衛はとにかく亮に対して情をかけすぎ。仕事の同志として以上の感情でも抱いてたのかな。彼の入院中の病院で、やっとブチ切れて掴みかかってたけど、結局逃げられてあっさり諦めてたし、なんとも甘い感じ。
春野君はこの先もしかして、衛の家に居候させてもらうことになるの？　チャーミングな年下男子を自宅に囲う女社長って、どこかのドラマでも観たけれど、そういうのが最近の流行りなのかもね。

せっかくいい雰囲気で別れたのについてくるのキモすぎ。あのうるうるした上目遣いが演出なのか春野を演じている赤楚さんのアドリブなのかわからないけど、とにかく二十歳越えてお金なくて家もなくて誰かに執着？粘着？する流れはドン引きです。しかも春野の言葉で衛が行動を起こすなんてありえない気がして見てて違和感を覚えました。宮村がどうにかしてくれるかと思ったらご飯与えちゃって、常識人はいないのかと困惑します。
一ノ瀬は衛に殴られたからというより警察が来たから逃げたように見えたので、何かまだ秘密がありそうで怖いです。

生まれたときからの金持ち自慢から始まってお金はあると口では言ってるけど、出てきたのはすっぴんにパーカー姿のおばさんで、"お金持ちらしい"送迎の車とか見てわかるハイブランドをつけてるわけでもなかったから衛から「SUPER RICH」を感じるのは難しかった。お金がなくなって資産を調べてたときにリアルな数字を見てやっと実感できるって、演出が下手すぎる気がします。
そして1円を笑うものは1円に泣くみたいに1億を馬鹿にしたから1億に泣くという流れも面白くなかったし、ずっとロビーにいる学生なんて怖くて仕方ない。
キャストは良いのにストーリー展開が微妙だなと感じました。

人の心をざわざわさせるのがドラマの初回では多いけど、これもざわざわしたなー。金持ちの理論ってどこまで行っても現実的ではない。貧乏なうちに育っても時間だけは平等だったでしょ？って考え方は嫌いだな。パンが無ければお菓子を食べればいいと言ったマリーアントワネットと一緒だよ。日々目の前の衣食住に困っている人に自分の将来の話なんて想像つかないんだよ。それこそ目線すら上げられずに狭い視野の中を歩んでる人がいるんだよ。そんなこともわからずに人の上に立つって恐ろしい。ここから考え方が変わるんだろうけど、悪いけど見る気ないわ。