イアリー 見えない顔

出演している皆さんが、それぞれ何だか怪しくて不気味な感じで引き込まれました。
最後は一気に話が進んでいき、がたがたと音が聞こえてくるような不安感と安心感の相反する感情にふりまわされました。
でも、謎が解けてハッピーエンドとまではいかないけど穏やかな終わりを迎えたように思います。
殆どの方が抑えたような演技で良かったのですが、筧利夫ら、何人か少し不自然な演技をされているように感じたのが残念でしたが面白かったです。

ドラマ全体の雰囲気も話も重かったですね。暗い感じの画面がおどろおどろしかったです。
手重ねの村であった手を切る場面が怖くて、あの昔を回想するシーンの色合いとかずっしりと心にいやーな感じを残しました。
仏山教授があんなにぼーっと人当たりのよい人っぽかったのに最後にあんなどんでん返しがあるなんて怖すぎます。
オダギリジョーさんがやわらかい感じの普通の人っぽく演技がわざとらしくなくてドラマにのめりこみやすかったと思います。

少し前まではあった集合住宅街や、宗教団体が軸となっていてストーリーのオリジナルさはあまりないと感じました。せっかくキャスティングが豪華で映画クリーピーのファンでもあり期待していただけあって、ハラハラ感を感じられなかったのが少し残念でした。6話もやらなくても4話ぐらいでも完結できたお話でもあったきがします。
映像の暗さは演出と、エンディングで続きがまだあるのかと思わせる演出はそれなりに良かったと思います。

大学総長選挙と宗教団体のような団体と一つの街を管理する大きな力のスケール観が合っていないように感じました。
とてもスケールの大きな話なのか局所的な話なのかイメージしづらく細かな出来事の結末もあいまいになっていたように感じます。
たいへん面白いドラマだとは思いましたが短い時間の中に多くのエピソードを入れすぎて全体の内容が把握しづらくなってしまいました。
もっとそれぞれの人間関係について理解のできる内容にして欲しかったです。
登場人物も多すぎではないかと感じました。
イッセー尾形さんの存在感がありすぎて初めから後半を予測できてしまう展開も残念でした。

気持ち悪さが満載で、実在ではないけど宗教にはまる感じや、それに救いを求める人の心の奥底の闇みたいなものを上手に描いているなぁと思った。だけど、記者会見があまりにも唐突で、そこに向かうまでの道筋は全く描かれていなかったから、「いつ、どうやって、そこまで完璧に洗脳から抜け出せた？？」とハテナが飛びました。でもそれがなければ解決には至らなかっただろうから、必要だったとは思う。中学生の生活に関しては、かなりの誇張があって付いていけない感じがしたけど、そこはかとない気持ち悪さを最後に目に見える形で教えてくれてたという意味では、まあまあ評価できるかなと思う。