パンドラIV AI戦争

上野は出てくるたびに心に変化のある役でしたが、嫌味だったり冷めていたり、吐き捨てるように鋭かったり、口調や表情を巧みに操って上野の心の動きを丁寧に演じていたと思います。原田さんのリアリティのある演技や表現力のおかげだと思います。
原田さんと言えば個人的には「魔法のリノベ」の嫌な部長の役が印象深いです。

鈴木と徹底的に対立する役どころかと思いきや、個人的には上野が登場人物の中で一番まともというか、良くも悪くも人間的で共感しやすかったです。脚本の影響だけでなく、原田さんのリアリティのある演技、表現力のおかげだと思います。出てくるたびに心に変化のある役でしたが、嫌味だったり冷めていたり、吐き捨てるように鋭かったり、口調や表情を巧みに操って上野の心の動きを丁寧に演じていたと思います。

4話で鈴木と語り合うシーンが上野の本来の医師としての信念が垣間見れて良かったです。お金や自分の立場が一番大事だろうけど、本人が言っていたようにそれだけじゃなく、才能ある天才医師として一人でも多くの患者を救わなければいけないし、自分にはそれが出来るという使命感や責任感が、落ち着いた口調や自信に満ちた表情から伝わってきたのも良かったです。

横山が鈴木を褒めた時に意味深な表情をしたり、モニター越しに鈴木に嫌味たっぷりに話しかけたり、AIや鈴木に対する敵意むき出しな演技がドラマの構図を分かりやすくしていて良いと思います。鈴木に土下座を要求したくせにいざ彼が応じるとたじろいだり、病院が困ることを承知の上でニヤつきながら横山の手術を断ったり、表情やセリフのニュアンスで上野の器の小ささをしっかり表現しているところも良いですね。

良い人役もこういうクールで傲慢な役もどちらも器用にこなしますね。人を小馬鹿にしたような目線や嫌味さのあるネチっこい台詞まわしから、上野の自信満々でプライドが高く、自分の非は認めない小者感が伝わってくるところが上手いと思います。