下町ロケット 2018年版

トコトン人を見下しながらいたぶるのが好きそうな雰囲気を出していて、いかにも自分自身がエリートと感じさせる言葉の端々に出ていたのがとてもよく、本業がコメディアンでありながらベテラン俳優陣を相手に堂々とした演技に感動しました。

全体に体格をファッションで嵩上げしてあったようだがセリフ回しだけでなく立ち居振る舞い、背広を使う所作、堂々とした歩き方、ねっとりした表情で、権力を笠に着た偉そうな風情をうまく表していたと思う。見ている方も「嫌な奴」と思えた。ただ、最後の出番のセリフは本来は感動の場面だが、溜が少なく結果、少し軽すぎたのでそれほど胸にずしっと来なかったのが残念だった。

佃をネチネチと攻撃する、嫌味っぽい言動が最高にイラっとさせられました。PPAPのちょっとふざけたイメージしかなかったので、意外とシリアスな演技もハマるところがすごいと思いました。最終的には技術を正当に評価する、筋の通った人で良かったです。

佃製作所に乗り込んで嫌みたっぷりに責めている様子は本当に嫌な人間だなと強く感じましたし迫力もあり存在感は抜群でした。しかし最後の最後にはきちんと筋を通して佃製作所の事を正当に評価したことで決して感情に任せたり私情を挟んで仕事をしている人間ではないのだなといい印象に変わりました。

なぜ彼が？と最初はキャスティングに疑問が沸いたのですが、嫌味ったらしい台詞まわしと人を小馬鹿にしたような狡猾そうな目線が上手くて意外と役に合っていたのが良かったです。滑舌がちょっと怪しかったけど長い台詞もこなしていたし、本業のベテラン俳優さんを相手に分かりやすいヒール役としてしっかり存在感を示していたと思います。