中学聖日記

母親として息子の晶の事を心配して、担任教師だった聖に相談する姿などはごく普通の光景だった所から、晶と聖の恋愛が発覚してから徐々に変化していく心境の表現はずば抜けていて、純愛として描かれている内容を熟知していて、まともな母親の行動を悪のように見せられる演技力は素晴らしいと思う。

息子を愛し心配する母親役がぴったりはまっていると感じます。不安や憤りといった感情の表現や、思い詰めたような表情が多いのですが、自然で、現実にこういう感じってあるなあと思います。中年のなんとなく疲れた雰囲気も出せている気がします。
ドラマだからといってメイクがそれほど濃くはなく、そんな演出もリアリティありますね。

正直いうと、ドラマ内での行動や言動は、しっかり物事を考えられない、子供の気持ちを考えてあげられない親に見えてすきじゃありません。
むしろ嫌いです。でもそう思わさせられているのであれば、とても演技力が素晴らしいのだと思います。

相手によって芝居のアプローチが違うのがすごい。一切瞬きをせず、狂気さを出すお芝居はぞくっとする。声が高めなので、セリフがあると狂気さが半減してしまうのが勿体無いが、セリフのないところは目をそらしてしまうほど申し分ない。

嫉妬や妬み恨みが上手く演技にでており恐怖すら感じました。自分の敵にはしたくない存在であり適度な距離感でなければ気が滅入ると思う。終着心が強すぎて行き過ぎた行動をとって悪循環に繋がっているように見えてきており哀れに見える時がある。

「実際にこんなオカンいる！！」って言いたくなるような自然な演技で彼女には何度も泣かされました。気持ちを押し殺したり、泣き崩れたりと難しいシーンばかりなのに、見事に演じておられると思います。晶とは良い関係に戻って欲しいなって思わずにはいられませんね。

母親としての強い部分そして弱い部分を感じ取ることの出来る演技が素敵です。何も語らなくても子を思う気持ちが表情から伝わってくるのはさすがだなと感じました。飾りすぎた母親ではなく、どこか親近感のある母親像を見せてくれているので、共感しやすいです。