着飾る恋には理由があって

真柴たちと一緒にいても違和感がなく、全然無理していないのに自然と溶け込んでいる雰囲気が良かったです。香子さんの明るさ、朗らかな笑顔がシェアハウスの居心地の良さを表しているようで、騙されたのは気の毒だったけど留学せずに最終回まで一緒にいられて嬉しかったです。「私には私がいる」っていう台詞も上辺ではない地に足の着いた感じがあってすごく良かったし、そう言いつつふと寂しくなって礼史さんに電話してしまうところも「そういう時ってあるよね」という説得力がありました。

葉山に真柴のことでお礼を言う表情がお母さんみたいな温かみがあって良かったです。「真柴が幸せならそれで良い」という葉山の言葉を聞いている時の何とも言えない、やりきれない表情にもグッときました。真柴を友人として大切に思っているからこそ、駿との関係を応援したい、でも葉山の気持ちにも気付いているんだろうなと複雑な感情が伝わってきて、大人同士の静かなやりとりが印象的な切なくて深い、良いシーンだったと思います。

真柴に「ちょっと聞いてくれる？！」と電話して愚痴を言うシーン、自然体で良かったなあ。年齢差や性別、職業などで壁を作らず、対人同士で1人ひとりと向き合う姿が素敵ですね。だから性格も年齢も違うシェアハウスの皆と仲が良いんだなという説得力があります。元旦那さんの前だとムキになって子供みたいになるところや、真柴と駿の関係に全然気付いていないマイペースなところも可愛らしかったです。

寮母さんのようになんでもやってあげるわけでもなく、たまには若い子に頼ったり、頼られた時だけすっと手を差し伸べるそんな適度な距離が保てる大人に憧れるな。たまに出すお母さん的な表情も素敵。みんなに集合かける時はレフリーみたいで面白い。

朝ごはんをモリモリ食べる葉山を嬉しそうに見つめる表情が印象的でした。自分が作ったものをあんな美味しそうに食べてくれたら作り甲斐もあるだろうし、以前言っていた「料理を作って待っていたのに礼史は食べてくれなかった」っていう台詞がより刺さる気がしました。葉山だけでなく、突然やってきた課長まですんなり受け入れて離婚話までしちゃうし、誰でもウェルカムな懐の大きさも魅力だなと思います。

主要キャストが若めなので、ちゃんと芝居の出来る夏川さんが出てくると場面が締まります。イヤリングを捜すくだりや礼史のお茶を飲んじゃうシーンなど、ハイテンションだったりコミカルだったり、表情豊かに色んな顔を見せてくれる姿が何とも可愛らしくて、女性キャストの中で一番好きなキャラです。礼史役の生瀬さんとのテンポの良いやりとりもさすがで、5話のキーだった「正反対の2人」を強く印象付けていたのも良かったと思います。

シェアハウスの中では年長者だけど、お金だまし取られたとか元旦那が来たとか藁人形で呪ってやるとか、実は一番お騒がせで賑やかなキャラクターをコミカルにチャーミングに演じていて素敵です。一方で軽はずみな発言をした藤野をジトーっと見たり、妊娠したかもと不安がる羽瀬に「強くなれ」って背中押してあげたり、人生経験豊富な大人らしい頼もしさや包容力もあって、陽人の「担任の先生みたい」という言葉に説得力があるところも良いと思います。

気さくで明るい良き人生の先輩って感じがぴったりですね。どんなこともどっしり受け止めてくれそうな包容力があって、年齢・職業問わず色んな人と仲良くなってしまう説得力があります。若者たちと接していても全然無理してる感じがなくて、かと言って若ぶっているわけでもなく超自然体で、そういう気取らないありのままな感じがとても素敵です。お花見の持ち寄り弁当を見せ合う時に藤野と張り合ってる姿も可愛らしかったです。

若者のことを見守るおばちゃんという感じですがとてもおしゃれだし、かっこいいです。仕事もできるしお金も稼いでいてこういう歳の取り方ができたらいいなと思います。50才で留学という決意もすごいですが、いなくなってしまうとしたら切ないです。

若い人気俳優たちの中でも若々しく見える夏川結衣さんのエプロン姿が素敵でした。仕事ができるバリバリのキャリアウーマンを超えると、こんなふうに余裕のある親しみやすい可愛いさが滲み出でてくるのかしらと、憧れます。超オシャレなシェアハウスのオーナーは適役です。

だいぶ丸くなられて誰だかわからいぐらいだったが、シェアハウスのオーナーとして若者を母親のような優しさで包み込む香子さんの存在は大きい。早口なセリフまわしはさすが上手で、若者の悩みをどーんと受け止めて適切にアドバイスしているあたりが頼もしくてかっこいいと思った。