家族の旅路 家族を殺された男と殺した男

久しぶりのテレビドラマの出演でしかも、主演という大役に見事に応えていたと思いました。
今回のドラマの主人公の祐介が憎しみを持っていた人物が、本当は父親であった事などの感情の振れ幅が大きいので、その違いを微妙な変化をここまでできるのかと感心してしまう程に魅了されてしまい、滝沢さんの演技力の高さに、もっと多くの作品に出演される事を望みたいと思いました。

ドラマの中では自分の生い立ちを探ることになりますが、あまりにも残酷な現実にきちんと立ち向かう姿が、やはり誠実で清潔感のある滝沢さんだからできる演技だなと思いました。演技派である遠藤憲一さんに引けを取らない迫力もでてました。

画面に映った瞬間からエンドロールが流れ終わるまで、顔も演技もずっと濃いのは逆に素晴らしいと思います。重たいドラマを重たく見せる才能があると感じたので、今後も全編通して悲しさがつきまとう作品に出てほしいです。

本ドラマでは、弁護士として、事件の被害者遺族としての苦悶の表情を上手に演じている。
感情表現ががうまいと思う。派手なアクションなど一切ないドラマなので、心情の変化をどう表情で魅せるか難しいと思うが、徐々に明らかになる真実を前にして回を追うごとに決意を強くしているのがわかる。
タッキーも30代に入り、アイドルから本格俳優へステップアップしていると思う。

事務所でのお茶の出し方がとても綺麗で、その他にも所作が素晴らしくて育ちの良さや賢さがにじみ出ています。被害者遺族として冷静でいられない苛立ちと弁護士としての使命感の間で真実を見極めようとする姿に目が離せないです。

家族を殺したとされる男との面会のシーンが良かったです。弁護士として感情を殺そうとしているが、怒りや憎しみを抑えることができない、ということが演技から伝わってきました。緊迫した演技でした。台詞だけでなく、全身で演技をしているように思えました。