忘却のサチコ

サチ子の母として、俊吾の「遺影」を拝み、トラウマを抱えるサチ子を背後から心配して見つめる目線が、優しく感じられました。話ぶりも、おちついていて、感情的で威圧的でないのが、親近感を与える母親の演技で好感が持てました。俊吾が何故、結婚式当日に逃げたのか追及する場面があったら、もっと面白かったです。それも、激しく追及するのでなく、優しく問いかけるような場面が見てみたかったです。

登場シーンはあまり多くないものの、とても印象的で存在感があると思いました。いるだけで面白い雰囲気が伝わってきて、もちろん話し方も面白いので、場が和んでユーモラスなシーンがよりユーモラスになって良かったです。持っている雰囲気が独特でとても好感が持てました。

限られた出番の中でサチコを心配して見守る優しいお母さんぶりが伝わってきます。過保護に心配するだけでなく、仏壇に手を合わせるなどのサチコの奇行にちょっと引いてる演技も面白く、口には出さないけど表情でしっかりサチコに突っ込みを入れてるところが最高です。