相棒 Season16

最終回の取り調べシーンが印象的でした。いつもは強面の伊丹に対して芹沢は笑顔があったり友好的な話し方だったりしますが、今回は笑みもなく緊張感のある表情で口調も乱暴で、ヤクザの挑発に乗らないよう耐えている様子や警察官が被害を受けたことへの憤りなどが感じられました。いつもゆるい雰囲気の芹沢の熱い一面が垣間見れたのが新鮮で良かったです。

19話で「兄ちゃんは悪くない」と言われた加藤清史郎くんに向かって「そうだよ」というように無言でうなずくシーンがとても印象に残りました。芹沢の台詞は一切ないんですが、その穏やかな表情と温かい眼差しから加藤くんを思いやる芹沢の優しさや「これからやり直せるよ」というエールのようなものが感じられたのが良かったです。

すぐに事件の概要や情報を特命にペラペラ喋ってしまう軽くてゆるい雰囲気が唯一無二のキャラクターとなっていて面白いと思います。インテリ、チャラ男、強面と主要キャストに分かりやすくて作りやすいキャラが出揃っている中で、愛嬌があってとっつきやすそうなご自分の雰囲気を上手く役に活かしていると思います。

伊丹刑事の強い感じとは違って、なんだかゆるい刑事みたいですが、それがかえって、魅力的ですね。事件解決に、伊丹刑事と、特命係との、橋渡役、ピッタリしている感じがします。なかなか重要なポジションを、出すぎない感じで、演じているのは、良いですね。

相棒スタートから、亀山刑事の天敵として出演されていましたが、嫌みな中に、ユニークさが、感じられます。今でも、なんだかんだいいながらも、右京さんをとても信頼しているような気がします。そういうところが、さらりと、気持ちよく演じられていて、絶対に、なくてはならない存在ですね。

捜１メンバーが3人だった頃は最年少で頼りない感じでしたが、伊丹とコンビになってからは顔つきもしっかりとして刑事としての貫禄も感じられるようになってきたと思います。取調べのシーンも、あまり緊張感がないというか相手との距離が近い話し方や雰囲気があって、威圧感たっぷりの伊丹と良いコンビネーションだと思います。

シリーズが進むごとに出番も台詞も増えてきてキャラクターも定まり、今や相棒シリーズになくてはならない存在になっていると思います。軽めでとっつきやすい芹沢の雰囲気が強面の伊丹と対照的で、2人が一緒にいる場面はとてもバランスが良いです。