限界団地

怖いとかいう次元ではなかったですね。家族と一緒にみていたのですが、毎話毎話、悲鳴をあげました。笑
それくらい怖いと感じるということは、もう演技が上手すぎるとしか思えません。
一生忘れることのないくらい記憶に残る役でした。笑

あの気持ち悪くて、何もかもお見通しといった目にゾクゾクさせられて、見ているこちらが怖くなるくらいでした。猟奇的で、急に大きな声を出すシーンも深夜のドラマだったために余計にこちらの恐怖をそそりました。

とにかく怖かった。
役柄と言うよりも本当にこういう人間なのではないかと錯覚させられるほど。。。
もちろん違うと思いますけど…。
コレをやったのは絶対にこの人だ！と分かってしまう展開も佐野さんの演技力の凄さかと思います。
毎週、鳥肌が立ちながら見てました。
優しい言葉遣いの優しいおじいちゃんかと思えば
穏やかな口調なのに背筋がゾワっとするセリフだったり…。
年齢を重ねてきた佐野さんですが
何歳になってもいろんな役柄のイメージが強すぎて
佐野史郎なのか役柄なのか分からなくなったり。
実際に居そうなキャラですが
団地内にこんなおじいさんが居たら嫌ですね。

佐野史郎の俳優としてのイメージは冬彦さん以降、「イカ」れたものに定評があり、今回も粛々と過ごしながらも裏では企んでいる？いや、企んでいない？という視聴者側の交錯ががくさんありました。
怪しげな演技。善良な市民。この危うげな二つの面を見事に演じ、最終的に悪の面か、善良の面か、視聴者側では決めかねないドキドキ感がありました。

また、毎週ドラマの最後にあった寺内さんの一言コーナーは、ちょっとした恐怖を味わわせてくれて、佐野史郎の本領発揮とまで思っていました。

ホラーをやらせたら右に出る者はいないのでは？と思うほど毎回怪演を見せてくれました。
夜中に団地内に穴を掘りまくったり、不気味な笑みを浮かべて意味深なことを口にしたり、意に沿わない団地の住人を抹消していく姿はミステリーを通り越してホラーになっていました。中毒性がありますが夢に出そうで怖かったです。

もしかしたら本当に昭和の漂うような団地にいるんじゃないかと思わせるような、背筋がぞっとする役柄でドラマにはいりこんでしまいました。アップルパイの歌は思わず口ずさんでしまいましたが、この歌は明るい中にも闇のある感じが良くて佐野さんが歌うと更に怖かった。

佐野さん、年取ったな～ってつくずく思って見たドラマでした、それにやはり冬彦さんブームの当事者です、このような通常ありえないタイプの登場人物は、演じるにはなんの違和感も無く見れましたね、執念を持つ病的な男性を演じて何年経つでしょうか、怪演すればするほど、もっと魅力が生まれそうな役者さんです。

寺内の感情の起伏を表情や声色の微妙な変化で表現するのがとても上手いと思います。穂乃花や江理子に接する時と敵に対峙する時の落差が激しいですが、特にターゲットを追い詰める時の無表情と抑揚のない話し方は、かなり威圧感があり、恐怖心を倍増させます。

かつて佐野史郎さんは冬彦さんという気持ち悪いマザコンの役をやっていましたが、今回のキャラはそれを越えています。自分の住む団地を守るという、本来なら良いことをしているはずなのにその為に盗聴したり父親を監禁したりとやりたい放題で見ていてゾクゾクするのが良いです。

冬彦さん以来のハマリ役じゃないかと思うほど、佐野さんの演技がキレまくっています。第４話での、江理子にスーツケースを開けるように促すシーンは、 強い恐怖感を感じる場面でした。そのあとすぐにいい人の表情に変化するなど、 変幻自在の演技で見るものを翻弄しています。

色んな役をされているので慣れからくる飽きには無縁な俳優だけど、元々どこかに強烈な「冬彦さん」のイメージが固着してるので、この人以上にこのドラマの役がぴったりはまる人はいないと思うくらいピッタリはまっている。ライトやカメラワークの工夫も一役買っているが、普段の生活シーンで見せる表情の中にもふと異様さを感じさせる不気味さが十分漂って回を追うごとに増しているし、闇の部分を見せるシーンでは一層粘着質な固執したキャラクターの雰囲気が表情だけでなく微動だにしない体、カクカクした動き、突然豹変する声音、顔の色まで変えて見せる凄まじさは気味悪さ、恐怖、狂人をよく演じていると思う。

普通にしているだけなのに、異様な雰囲気が伝わって来ます。良い人そうにして笑っているけれど、内心何を考えているかわからない感じがして気味が悪いです。
ちょっとした瞬間に無表情になるところがあるし、知らない内に気に障る事をしてしまったら根にもって復讐されそうな感じがして怖いです。

怖い！！裏で何を企んでいるのか、何を隠しているのか！！
本当は孫を独占したいが為に、娘夫婦を殺したのか？！

どうして足立梨花を次の母親にしようとしているのか。

いい団地にする為に、老人を殺害までしてしまう、いい人の裏の顔が怖すぎる！

言動や行動については他の役者と比べて特徴はない。佐野史郎は、無言での眼付きと表情に演技力が現れている。団地の怪しい住民の行動を監視する時の冷酷な目つきと、氷のような固まった表情にこそ、視聴者を引き付ける怪しい２面性を秘めた神秘性がある。