陸王

渋みがいい感じに深みになっている。この役者は若い頃からは想像もできないほど奥深い演技ができる。今回の役も倒産という過去を背負ったそれでも何とかもう一度這い上がりたいという傷ついた男にしかわからない哀愁がある。偏屈だが憎めないところが視聴者の共感を得たんじゃないかな。

最初は面倒臭そうな親父役でしたが、それも似合っていました。こうゆう陰険な人いるいると思いました。
陸王の仲間となってからは、実はイイ人のキャラが出ていましたが、何気なく親父臭いところが出て、やはり演技が上手いと思いました。
１番はブランコに乗って背を向けているシーンは、背中から哀愁が漂っていてヨカッタです。

いい加減そうな感じなのにここぞという時にキラッと光る言動があって敵なのか味方なのか謎めいています。なかなか周りにいないタイプなので読めません。味あわせてやるよともう一度やる気になった時のアニマルスピリットがぞくぞくしました。

出始めた最初の頃は嫌な人間だなと思う面もありましたが回が進むにつれ口は少々悪いけど非常に温かみがある人間で、
仕事に対しての技術力も能力もあり人を見る目も適格でこはぜ屋の名参謀役だと思います。一言一言がずしんと響いてくる重みを感じます。

寺尾聰さんと言えば、『ルビーの指環』のイメージが強いので、沢山の映画やドラマに出演されている大物俳優さんだと知って少し驚きましたが、飯山を演じる姿を見て納得しました。心に闇を抱えながらも、職人としての頑固さ、プライドの高さ、そして確実な技術力を持つ飯山の独特の雰囲気が寺尾さんにぴったりだと思いました。

本物の職人だな、見ていてそう思いました。強い信念があり、自分の仕事にプライドを持っていると思います。
大地と共に働く姿は、時に親子のようにも見えます。大地にとっては、宮沢社長と同じように将来を見守ってくれる心強い存在だと思います。

前回のブランコで背中を向けていたシーンで、哀愁漂う背中でとてもヨカッタです。
今回もせっかく陸王作りの仲間に入れて貰えたのに、自分の作り上げたシルクレイが思い通りに操れなくて、もがいてるというか、焦りというか、イライラ感というか、口数のスクナイ役柄でしたが、滲み出ていてヨカッタです。

やっぱり寺尾聰は演技が上手いなと思いました。
難癖のあるシルクレイの特許を持つ男役でしたが、ピッタリ合っていました。
逆に役所広司が負ける位、良かったです。
特に大手企業からの話が、倒産した会社は信用できないと言われて断られた後、ブランコに乗ってるシーンは良かったです。
背中から哀愁が漂ってきました。

同じ日曜劇場で、温和な音楽教師をされてたイメージが強いのですが、今回は真逆の役柄ですね。鋭い眼光に、やさぐれた感じの風貌。頑固で偏屈な町工場の職人さん、という感じがよく出ていて、さすがの演技の幅を感じました！志賀さんにガンつけるところ、けっこう迫力ありました！