七人の秘書

霧島頭取が変わってしまったのがとても残念でした。以前は頭取になっても贅沢はしたがらない人柄だったのに、照井が用意した鰻重にケチをつけるような人になってしまった。好きだって言っていたお店の鰻重なのに「吸い物もついていない」って、まるで粟田口の様な言い草。でも望月を首にした時も、前だったらもっと何か訳があるんじゃないかと話を聞こうとしたかも。結構問答無用な感じでしたし、兆候はありましたね。粟田口の毒が移ったのでしょうか。権力を持つと人は変わる様を見せ付けられた感じです。
内科医の新井がサランを病院からラーメン屋まで送ってくれて、その様子から「サランに気があるんじゃ？！」と色めき立つ秘書軍団でしたが、当の本人は全然意に介しておらず、クールだなぁと思いました。
ジャーナリストの黒木を相手に望月、不二子、三和が和製チャーリーズエンジェルのように戦うシーンが良かったです。というか黒木は何故あそこまで粟田口に尽くすのでしょう。いくらお金を貰っても良いように使って用が済んだら使い捨てするような人に付きたくないです。
その点、財務大臣秘書の八雲さんは粟田口を見限っていい仕事してくれましたね。
最後照井が結婚詐欺に騙されそうになるのには「おいおい･･･」と思いました。もう少し裏家業で人を見る目を養ってほしい。

ネットでは毎話、視聴率がいいとかカッコいいとかスカッとすると物凄く持ち上げられていて一視聴者として温度差を感じていました。
もちろんカッコいい部分はあったしどう懲らしめるのかとわくわくするんだけど、スカッとさせる方法が最終的に秘書じゃなくてもできちゃったというのはタイトルにも沿っていなくて残念すぎたし、秘書という個性が売りじゃなかったのかと突っ込みたかった。"秘書だからこそ得られる情報がある"という持ち味を殺して仲間なのに仲間と思われずクビにされなかったポンコツな七菜が役に立って情報を取れちゃうというご都合展開には完全に引いた。最終的に萬が乗り込んでいって記者の前での失言を狙うという、警戒心バリバリの粟田口が引っ掛かると思えない方法で仕留めたオチも物足りないの一言。
ついでに言えば夜の仕事は千代より不二子で見たかったし、必要だったのか謎な一男の存在とか、キャストはいいのに展開がイマイチでもったいと思いました。

意外性の一切ない、予想通りの展開・終わり方で、ある意味安心したかな？表情を一切変えずに散々悪事を働いてきて、少々のことでは全く動じない粟田口大臣が、萬さんにちょっと煽られたくらいで突然激高して口汚く罵りだすあたり、ものすごく不自然だと思ったら、やっぱりそれが動画中継されてたとか、子供でも思いつきそうな展開。記者たちが大臣室まで押しかけてくるとかも、ドタバタと茶番すぎて白ける感じ。まあ、悪い奴は一時的には繁栄しても最後は必ず成敗されるってことで胸のすく感じだし、千代のお兄ちゃんも帰ってきて良かったですね。

最終回はとても良かったです。粟田口大臣を追い詰めるところが痛快でした。番を辞しての萬さんと大臣との直接対決も見ごたえありました。動画が流出してると思いきや、実は違った！という展開に驚かされました。今までずっと下に見てきたからこそ、現秘書にも裏切られてしまうんですね。すべて秘書の責任、といってきた大臣らしい最期でした。ラストで結婚詐欺師として登場したのが勝村政信さんだったのも良かったです。最後の最後でまた笑いました。

最初の入りが不自然。どう考えても頼りなさしか感じない七菜に後輩が相談してくるという設定に無理があるだろと突っ込みたかったです。
以前の白鳥との会話からサランがあっさりと病院を辞めて粟田口の秘書になったのは"情報を得るため"だろうと思えたので、集めた証言や証拠を日本中に拡散した姿が見れたのはスカッとしました。ですが裏を探っていた黒木に行動が筒抜けで、尚且つ揉み合いになってサランが突き落とされる展開は想像していなかったので、粟田口が仕掛けていた盗聴機に気づいていたなら千代にこっそり真実を書いたメモでも渡していたら…と思ってしまいました。でもここで粟田口へ報復するために潜り込んでいた千代の兄が登場するというサプライズ(？)があり、病院に運ばれたことは良かったけどサランの代わりが一男じゃ頼りないのでは？と感じました。

とうとう望月の兄、一男が登場！しかも何故か粟田口大臣のお抱え運転手になっている。ハイヤーのような上品な車よりトラックとかショベルカーを運転する方が似合ってそう。というかラーメン屋が似合いますよ！妹に心配かけてないで戻って来てあげて！
でも実はサラン同様、一男も粟田口の悪事のシッポを掴む為に潜入していたらしい。妹を危険に巻き込みたくないが故に連絡を一切たっていたのかも。
粟田口がサランに自分の私設秘書にならないかと話を持ち掛けたのも、萬さんや秘書たちの動向を探る為だったんですね。盗聴器まで仕掛けているし最悪。
粟田口の後援会長をしていた鰐淵さんの夫は、自殺に見せ掛けて殺されてしまったのでしょうか？鰐淵さんは「自殺なんてする人じゃない」と言っていましたが、萬さんを収賄疑惑で嵌めた事を口封じする為にそこまでするのは割りに合わないと思います。仮にそれが世間にバレても粟田口なら警察の権力者にもコネがありそうだし、殺人までしなくてもいくらでも逃げ道ありそうですが、どうなのでしょう。
粟田口の秘蔵っ子である椎名議員。せっかく当選出来たのにウグイス嬢に多額の報酬を渡していた事がバレて早くも危機的状況。粟田口の指示に従っていただけ、というのも問題かも知れないけれど真面目で成功させたいプロジェクトがあったようだし、悪い人には見えなかったのでちょっと可哀想でした。でも正しい事をしたのに内定を取り消された照井の後輩、由加里を救うには仕方ないですね。ただこれで内定取り消しが取り消しになるのかは分かりませんが、一矢報いる事は出来たと思います。

テンポは良く、映像も安っぽくないのですが、印象に残らないドラマです。
岸部一徳を活かせていないと思います。岸部一徳を悪役に使えば視聴者が見てくれるだろう、という製作者サイドの思惑が感じられてしまいます。そして主題歌(挿入歌)も、パッとしません。有名どころの役者さんを多数使っていながら、それが掛け算になっていない感じがします。勿体ないと思います。
良い意味で言うと、軽い気持ちで見ることが出来るドラマではあると思います。

いよいよ佳境に入り、おもしろくなりました。サランが粟田口大臣の秘書になった時には裏切りかと思いましたが、やはりちゃんと自分の仕事をしてくれましたね。さすがです。今回は明らかに実在のモデルがいる事件を扱っていたのでとてもドキドキしました。中園さんはそういうのを取り入れるのがとてもうまいですね。萬さんの過去の事件もわかり、やはり大臣の腹黒さを感じました。千代さんのお兄さんも突然現れたのでこれからどうなるか気になります。

追い詰められてやっと"まともに仕事します"宣言をした直後に過労になって心筋梗塞を起こしちゃうなんて、今まで本当に仕事してなかったんだなという印象が強くなった勝子には呆れました。慶西大学病院と心臓外科医と粟田口を繋ぐには仕方なかったとは言え、都合よく七菜の知り合いが心臓外科医に突然断られて萬に相談に来たり、断った外科医がサランの父親という流れはちょっとうまいこといきすぎてて突っ込みたくなりました。
でも医師としての白鳥はサランが感じていたほど最低な人物ではなく、粟田口の指示を突っぱねたセリフはとてもかっこよかった。サランが子供の頃からまったく会えず、恨みや憎しみも持っているのに父親に憧れて医師を目指した理由も理解できました。でもそんな人として、父親としてダメな医師の自分ではなく別の形で人を助ければいいと言った白鳥の言葉も深く、サランの今の姿を認める発言になっていたのがとても良かったです。

バスの優先席を独占する若い男。いますよね、こういうマナーの悪い人。秘書たちの「マサル」攻撃で優先席から追い出すシーンが楽しかったです。照井も「記憶喪失になっちゃったの！？」とアドリブを効かせていて成長を感じました。妊婦さんやおじいさんが無事に座れて良かったです。
心を入れ替えて仕事に励む南東京都知事が急性心筋梗塞で倒れてしまいますが、粟田口大臣の手配でゴッドハンドと呼ばれる白鳥心臓外科医の手術を受けられることに。
粟田口大臣に他人の執刀医を選ぶ権利まであるのでしょうか？南都知事本人が選択することでは？と疑問に思いました。それにしても粟田口大臣は登場シーンでいつもなんか食べてる気がします。今回は羊羹でしたが悪徳政治家が食べていると、なんとなく銀座の老舗で行列に並ばないと手に入らなさそうなモノに見えてくるから不思議。
人気急上昇中の南都知事を辞めさせたい粟田口大臣は、自分の意向に背いた彼女の手術を失敗するように白鳥医師を買収しようとしますが、にべもなく断られます。
研究費増額につられて南都知事の手術を引き受けた事と、横柄な態度、自分の妻子を捨てた過去から、買収話に乗るかと思っていたので意外でした。
今でもサランが父親を憎むよりも慕う気持ちが強いのも、理解出来ませんでした。
医者として成り上がる為に家族を捨てるなら最初から所帯を持つべきではないし、サランが母親を亡くして韓国から日本に自分に会いに来た時だって、何故面会を拒否したのかと怒りを感じました。
自分の勝手で家を出て、父親らしいことをしてこなかったのだから、母親を亡くした時くらい手助けしてあげたら良かったのに。事情や何か考えがあっての事だとしても、あまりに薄情だと思います。
韓国に帰るお金もなく萬さんにも会えていなかったら、知らない国でどうなってたか分からないじゃないですか。
白鳥医師はサランが娘だと気付いていて「憎んでくれていい」みたいな事を言っていましたが、その方が自分が楽だからでしょう。狡いと思います。逆にサランが良い子過ぎて心配。
萬さんは望月の兄の借金を肩代わりしてくれて、サランたちにもお金を援助してあげていたみたいだけれど、一体何者？粟田口の秘書だったけれど、政治家の秘書は人様の借金を簡単に返済したり出来るほど高給取りでしょうか？なんだかここにも秘密の匂いを感じます。

サランさんの深い闇が感じられらる回でした。お父さんに会いたいのであれば、大臣に直談判する方が危険だと思うのですが…。お父さんでもある白鳥教授の人を生かすために医者をやってるんだ、というところはかっこよかったです。お父さんは確かに家族を捨てたかもしれませんが、まともな医者で良かったです。戸惑いながらもお父さんとの対話をするシーンはすごく良かったです。粟田口大臣の怪しさと憎たらしさが本当にたまらないですね。

表情からは絶対に読み取れない粟田口大臣の冷酷無比さが興味深い。ネッチャリした関西弁の喋り方が、さらにつかみどころのない人物感を出していて、その口調のまま「かっちゃん」なんて親し気に都知事に呼び掛けておきながら、病気で臥せって弱っている相手にも平然と引退勧告するとか、酷過ぎ。その大臣に負けずに拒否した都知事は立派。でも、ほんとに痩せこけててガリガリで、この先もちゃんと公務を真っ当できるのか心配になるわ。

萬にわざわざやってきた粟田口の本当の目的はなんだったのか…。直接聞いて答えてもらえる間柄でもなければ、誰かの悪事を暴いているならいいことなのにそれを咎めて思い通りにさせようとする感じにものすごくハラハラしました。
自分が秘書をしている南がターゲットになった途端、"よくあること"と自分より下なんか気にもしないみたいな態度になった三和には驚きました。結局協力するなら最初からすればいいのにと少し展開に中途半端さを感じましたが、三和の過去を描く展開がこれしかなかったのかと納得しました。
最終的に南が自分の保身のために放り出していた施設の計画をちゃんとやりますと会見で言うことになったオチは最高でした。

ドラマの冒頭で、秘書たちが華麗に人助けをするのがお決まりのようになっている部分が気に入っています。自殺を思い止まった中小企業の方、萬ちゃんラーメンで力付けて下さいね。
鰐淵さんが占い師みたいな格好でステキ～と思っていたら、占いをかじっていたという設定だったのですね。
南東京都知事のハッピーちゃん。可愛いトイプー ですけど職場に連れてきて良いのでしょうか？子連れ出勤だと思えばいいのかな。スゴい猫可愛がりしてましたね。犬ですけども。南都知事の元クラブのママという成り上がり経歴が国民に受けているというのは、在りそうな話ですよね。
養護施設を高級住宅街に建設する予定が、地域住民の反対により撤回したというのも実際にありましたね。
皆が反対している訳ではないでしょうけど、残念な事です。
今の養護施設が建っている土地は引っ越すと思って都に売ってしまった為、みんなバラバラの施設に移ることになる･･･詐欺に遭ったようなモノですよね。そりゃ泥団子もぶつけたくなるかも。
三和の着ていた猫のコートが可愛かったです。似合ってる。
でも都知事の秘書なのに顔に殴られた痕ついちゃって、職場でなんて説明するのか気になりました。ナンパ男ふたりと殴り合いのケンカする三和が好きです。
家にも学校にも理解者がいなくて辛かっただろうなと思います。萬さんや皆に会えて良かったね。
車の運転をすると人格が変わるという話はよく聞きます。南都知事もそういうタイプの人だった為、ハッピーをダシに煽り運転の動画を拡散させて窮地に陥れることに成功。
さらに養護施設の建設撤回を撤回させることで都知事のポストを死守する知恵を授けるとは、毎度のことながら抜かりないですね。
萬さんって粟田口の秘書をしていたのですね。で、収賄の濡れ衣を着せられてしまったのでしょうか。
だけど萬さんが秘書７人と世の中の悪を凝らしめているのは粟田口の考えているような意趣返しではないでしょう。全くそのつもりがないとは言えなくても、理不尽に虐げられている人たちを放っておけない、という気持ちの方が明らかに強いと思います。萬さんにしても望月たちにしても。

ちょっと今回はやりすぎ感がありました。確かに一度表明したことを覆した都知事は批判すべきですが、そこまでダメではない都知事を騙してまでやることだったのか、と思ってしまいました。子どもたちの家を取り戻す手段は他にもやり方があったのでは、と思います。ちょっともやもやする展開でした。都知事秘書の風間さんの過去もそこまで同情できず、あまり心に響きませんでした。変わってる、と言われてたそうですが、そこまで変わってるエピソードが見られなかったのでよくわかりませんでした。

都知事の仕事は公私がなくて大変そうだけど、ペットの犬を職場に連れてきたり、秘書に世話をさせるとか、それこそ公私のケジメがない人ですね。果ては動物病院に行くのに公用車で駆け付けようとするなんて、公のものを完全私物化してるし。
暴言吐いてる動画が拡散されて騒動になってたけど、彼女の経歴から考えたら、あの程度のことなら「さもありなん」って感じだし、それほど大した失態でもないでしょ。その謝罪会見で、養護施設の件を当初の計画通りに進めると話を持っていくのは、かなり無理やりな展開という感じ。
犬に向かって「顔色がいい」と言ってるのには、笑ってしまった。

やっと本格的な復讐成敗ものになってきてとても嬉しい気持ちです。
警察の上層部が揉み消したことを秘書たちが動いてどうにかできるってかなりすごい気が。警視総監がまともだっただけとも言えるけど、うやむやとも言える出世競争からの離脱だけでなく、懲戒免職に加えて山根がしっかり有罪になった展開には痺れました。不二子の過去のセクハラや女性軽視的な出来事があったので、不二子たちが頑張って証拠を挙げようとする原動力が見えた流れもよかったです。

節子おばあちゃんがスーパーを物色しながら万引きしたものを、本人にも周囲にも気付かれないようにさりげなく取り返していく秘書たち。
次々モノをカゴバッグに入れているのに、入れていったものが消えているのに気付かれないのはお年のせいかと思ったら認知症だったのですね。本人も辛いだろうけれど、面倒を看ている家族も節子おばあちゃんが万引きする度に人に謝っているのかと思うといたたまれない。四六時中監視するなんて無理だし、拘束するのだって倫理に反するし嫌ですよね。かと言ってスーパーの人たちだって万引きは死活問題ですから。
とにかく穏便に済んで良かったです。
女子高生のスカートの中を盗撮したのが警察官で、しかも次期参事官。最悪ですね。しかも山根が粟田口財務大臣の後援会長の息子で、粟田口に恩を売りたいが為に盗撮を黙認した北島警務部長や、その命令に従った人たちも最低。たかが盗撮だから大したことないと考えているのでしょうか？自分の大切な人が同じような被害に遭っても同じように考えて済ますのでしょうか？
不二子が職場であんな嫌がらせ受けていたとは思いませんでした。日本のああいう保守的なところは本当に嫌いです。どんなに能力が高くても女性というだけであんな扱いを受けるなんて時代錯誤、男尊女卑。
自分を盗撮した上に口封じに男に襲わせようとした人物が警察官だと知って怖じ気付いてしまった映子に不二子が「逃げちゃダメ！」と言うのは強制になるし厳しいと思ったけれど、不二子自身が男からの理不尽に
さらされているから、映子の悔しさも恐怖も怒りもよく理解しているからこその言葉なのですよね。
山根を盗撮の現行犯で捕まえる為に、風間と照井がミニスカートで囮になりますが証拠映像を撮るために後ろでスタンバイしていた鰐淵さんが別の盗撮犯に盗撮され自分で捕まえたのには驚きました。
しかもスマホで鰐淵さんのお宝を見た四朗たちの反応！一体どんなお宝をお召しになっていたのでしょう。
変態たちがシークレット会と称した盗撮映像見せっこ会。ホテルの一室で行われていてドレスコードの黒マスクも相まってまるで仮面舞踏会のよう。気取ったところで変態の集まりに過ぎないのに。萬さんの「警察が来た！」の言葉で秘書たちに誘導されるまま盗撮写真を持って北島警務部長と橋本警視総監の会食部屋に通された山根がなんとかシラを切ろうとするのが小賢しいですね。橋本警視総監は有能で公正そうな人物で本当良かったです。

ルパンの娘とおんなじ悪人成敗者なんだけど、全然質が違う。ありそうでなさそうなんだけど、断然こんなのあったらいいなと思えるスカッとする話が多い。世の中個人的にはすごく嫌なことなんだけどスカッとするほど成敗できることってほとんどないんだよねー。グレーな案件や真っ黒なのに捕まらないことが多いと思う。盗撮って罪としては軽犯罪になるのかな？された本人は全然軽犯罪じゃないのにね。増して高校生なんてほんとにかわいそう。きれいで強いお姉様方がきっちり懲らしめてくれてよかった！

女子高生のスカートの中を盗撮して喜ぶ精神状態はさっぱり理解できないけど、明らかに犯罪者なのに権力者の息子だからって、その犯罪を含めて隠蔽してしまう組織はもっと理解できない。まして、頼るべき警察が犯罪被害者を脅して黙らせるとかあり得ないし、盗撮した画像を持ち寄って披露しあうあんなパーティが現実にも実在するかもと、見ていてムカムカしたし、ゾッとした。
最後はいつも通り茶番ともいえる解決方法だけど、超たて社会の見本みたいな組織で、そのトップに見とがめられてぐうの音も出ない様子で降参してるのは、痛快だったかな。

本当に何で見て使えないとわかる奴を仲間にするんだろう。わけわかんない。仕事でだってプライベートでだって秘め事が一切できなかった七菜を仲間に入れてどんな得があるのかと問いたい。案の定自分のことを根掘り葉掘り聞いてくる記者に他人の問題を投げて逃げる始末。西尾の腹黒さは誉められたものではないけど、懲らしめる前に麻里が切り捨てられたのは七菜のせい。七菜を責めもせず西尾にだけ憎しみを向けるサランの姿は異様だったし、直哉の夜遊びのお金が経費から出てたとかいつの時代の話なのと突っ込みたかった。そして疑惑が晴れたからと麻里が普通に病院に復帰できた描写はちょっと無理があるような気がしました。

冒頭の高齢女性にぶつかって舌打ちした男を土下座で謝罪させるシーンが爽快でした。振り切っても振り切っても前に立ちはだかる望月、風間、長谷の連携プレーが見事です。照井もよく注意出来たなぁと思います。そして実際に駅でわざと女性にぶつかって歩く男がニュースで取り上げられていたのを思い出しました。男性と一緒にいる女性は狙わず、ひとりでいる女性や同性の友達といる女性を狙っていて、とても陰湿だったので覚えていました。その男は多分捕まっていないと思いますが、今回の７人の秘書で少しスッキリ！
四朗が秘書をしている西野院長は、 息子の直哉を内科部長にさせるために三好先生を陥れようとしたり、慶西大医学部へ裏口入学させたりします。自分の息子を跡継ぎにしたくても、本人にその能力がないと分かっていたのなら諦めるべきだったのに、なぜ裸の王様に仕立ててしまったのかと思いました。本人もこれまで自分の能力に疑いを抱かなかったのが不思議です。
あと西野親子が四朗の日本語をバカにしたのが腹立ちました。自分は中国語話せないのだから語学力が劣っているのは自分自身なのに、なぜ人をバカにするのか理解出来ません。
四朗の方が余程医者に向いていると思うし、経済的な理由で断念せざるをえなかったのはとても残念。同じ女性で仕事熱心で患者からの信頼もある三好先生に、四朗が憧れているのが少し切なかったです。萬の「医者でなくても四朗は人を救っている」という言葉に強く同意！

サランさんが日本に来て働いてるのには、深い理由があったんですね。聡明で優秀なのに、あんな親バカ院長の秘書に甘んじてたとは勿体ない限りだけど、医学の世界に携わることで少しでもお父さんに近づきたい気持ちがあったのかな。院長の息子は絵に描いたようなバカ息子すぎて、言葉もない感じ。ＶＩＰしか診ないと言ってたけど、あんなのに担当されたら、助かる患者もきっと助からないでしょ。でも早いうちに正体がバレて良かったわ。
一方で、ドンくさくて仕事もできないのに口数だけは人一倍達者な照井さんの存在が、ひたすら鬱陶しい。

うーん。"7人の秘書"というタイトルはどこへ…？
銀行の次は別の職場が舞台になるのかなと思っていたので拍子抜けもいいところ。
前頭取りに孫のように可愛がられていたのはまだ理解できたけど、仕事も出来そうになく秘書っぽいキリッとした印象もない七菜が新頭取にも気に入られる展開が謎過ぎ。そりゃいじめらるでしょ。
銀行の秘書室長がSNSで悪口書きまくる描写は子供っぽいし、またしても勝手に動画撮って晒すだけのお仕置き。銀行内だけじゃなくSNSで世間にも発信しなかったのはやっぱり千代の職場だから？全体的に中途半端だし、秘書としての仕事も出来ない子が仲間になりたいオチは鼻で笑うレベル。

どこの会社にもいるような憎たらしいお局様にギャフンと言わせてやるという、スカッとする展開でワクワクしました。広瀬アリスのなんとなくダメな秘書っぽさや、杉田かおるの嫌われものっぽさが素晴らしくハマっていたと思います。いつも冷静な秘書を演じる木村文乃が、こらしめる予定の相手を思わず助けてしまって反省するシーンなんかは、優秀な秘書の人間っぽさが見えて親しみがわきました。そして奈々緒の、人間離れしたスタイルの良さに驚愕です。あんな秘書がいたらボディーガードにもなりそうですね。

霧島新頭取、なかなか貫禄が付いていました。頭取になっても贅沢に走らない姿も好感が持てます。
けれど秘書課の鈴木室長が！
自分の機転が空振りになったのが屈辱的だったのか、照井に逆恨みして嫌がらせするのが陰険！しかも自分が無視かごにされるからと、望月以外の秘書課の面々も加担するし。
何故そこで室長に付くのでしょうね。照井や望月側についた方が良い職場になると思うのですが。
四朗のお手柄で鈴木室長が裏アカで東都銀行の人たちを誹謗中傷していたことが明るみになり、秘書課の人たちも室長に見切りをつけたけれど、自分たちも嫌がらせに加担していたのに責める権利あるのでしょうか。同じ穴のムジナじゃないですか。
鈴木室長は夫に対しても威圧的でしたが、会社の色んな人の悪口をネットに書いたり嫌がらせしたり、誰のことも好きじゃなさそう。
自分の定年延長昇進パーティーが自業自得でメチャメチャになり、首を言い渡され、従順だと思っていた夫から離婚届け、照井から虫かご、風間から会場費用500万の支払い請求書を渡されても泣いたりすがったり弱味を見せないのは流石だと思いました。
今回「名のるほどの者ではありません」メンバーに照井から報酬が支払われました。金額設定や請求をしている様には見えないので、そこは依頼人任せ、お気持ち次第ということなのでしょう。みんな萬に借金があるみたいなので、その辺に裏家業をしているそれぞれの事情がありそうですね。

今回も悪いやつをやっつける爽快感がありました。杉田かおるさんの嫌な秘書のお局さんがとてもうまかったです。現実的にいそうですね。無視するだけならまだしも、ネットで悪口を拡散するとはかなり意地が悪い人ですね。自分のパーティーにたくさんの悪口が届いて、という結末もなかなかの仕返しだと思いました。旦那さんからも捨てられて、というのもすごい終わり方でしたね。パーティーの費用500万円はちゃんと支払ったのかはとても気になるところです。

二葉は激しくデフォルメされてるけど、現実の会社にでも彼女みたいに好き嫌いで部下を選んだり、有形無形の嫌がらせで自分が嫌いな人を退職に追い込んだりする人間っているよねって感じで、見ていて不快感満点。七菜は確かにボンクラすぎて、イラっとするのもわからないでもないけど、二葉の七菜に対する嫌悪感は単なる女の嫉妬でしょ。でも、定年間近に執行役員になることが決まって喜んでたら、突如取り消しとは、まさに天国から地獄って感じですね。お祝いのパーティに誰一人来ないというのも、普通の人ならそれだけでショックで落ち込みそうだけど、二葉はその点についてはあまり衝撃ではなさそうだったかな？

長谷役の菜々緒さんはホテルや警察の制服をとても美しく着こなしていたし、トレーナー姿でドS感たっぷりだったのも様になっていて、キャラに一貫性があって見ていて飽きないなと。萬はラーメン屋の主人のときは取っつきやすそうで人情派っぽい雰囲気があるのにスーツを着ての仕事となったらキリッとして、粟田口対しての固い表情も色んなことを想像させてカッコ良かった。望月の感情のないスンとした表情と低い声での喋り方はとてもよかったです。それだけに所々で感情が乗ると舌ったらずな甘えたような喋り方になって普通の女性というか、優秀な秘書っぽさが消えてしまっていたのが残念でした。
あとは思ったほど秘書が集まってもうまいこといかなかったこと、仕掛けた隠しカメラの大きさや安田へのとどめの攻撃が稚拙というか撮影をしていた秘書を怪しむには十分すぎる状況にしていた脚本に突っ込みたくなりました。初回くらい7人の秘書の凄さをもう少し出してほしかったし、意外とコメディ寄りで驚きました。

秘書という今までスポットがあたらなかった存在を取り上げたのは珍しく、他にはないようなドラマだと思いました。それなりに面白かったですが、もっと勧善懲悪がはっきりしているとスカッとしたかなと思います。今回の仕返しの対象の悪どいところがもっと見えてほしかったです。秘書の皆さんも忙しい通常業務があるのに潜入する仕事をする時間はあるのでしょうか。疑問に感じでしまいました。江口さんの作るラーメンは美味しそうでした。

ホテルの一室で東都銀行の一原頭取が意識を失い、突然現れた４人の女性たち。AEDや心臓マッサージの甲斐もなくそのまま亡くなってしまうけれど、彼女たちは終始冷静でドンドン頭取がホテルに居た痕跡を消していく姿は秘書というより秘密組織のエージェントのようでした。
一原頭取の突然死に取り乱す照井秘書に一発ビンタを張って黙らせる長谷のクールさが爽快。
もう少し説明してあげてもいいんじゃないかと思ったけれど、一原頭取本人のいつどこで持病で死んでも自宅で死んだことにしてほしいという要望で、ホテルのワンフロアを封鎖して遺体を運び出さなければならなかったので、構っていられなかったのでしょう。
権力者が自分の秘書にお手付きなんてドラマなどでは有りがちなので、照井のそういう関係ではなかったという告白は、なんだかホッコリしました。年の離れた男女がホテルでトランプして照井の作った煮物を食べるだけ。なんとも可愛らしいですね。
心臓に持病があっていつお迎えが来てもおかしくない、自分が頭取を務めた銀行は危機的状況で安田常務の不正も発覚、そんな中でくつろげる時間だったのだろうと思います。
本人は後悔していたみたいだけれど、きちんと自分の後任に霧島副頭取を選任し不正の証拠もまとめていたのだから、立派だと思います。

7人の秘書。面白い！こういう悪事をさばいてスカッとするやつってどうしてこんなに気持ちが良いんだろう。こういう悪いことしていながら立場の弱い人のせいにして自殺に追い込んだって事件は今も昔もあるよね。きっと表に出ない誤解されたままの事件もたくさんあるんだろうな。木村文乃さんのプロの仕事捌きも清々しいけど、ニコリともしないのに悪いやつをやっつけた後に見せたちょっとだけ口元が緩んだ顔にこちらもほくそ笑んでしまった。