オクトー ～感情捜査官 心野朱梨～Season2

クリットもその色が何の感情なのかを確かめながら手に入れた能力だということか。
杖に残っていた感情は何を示しているのだろう。

今回は自己嫌悪の肥大化に飲み込まれてしまって、暴発してしまう青年だった。
本当に自己嫌悪っていうのは厄介で、あまり周りから見えなくて追い詰めてしまうこともあったりする。
それが行くとこまで行ってしまったら暴発して破壊衝動となるのは良くわかる。

彼の場合はメイクした姿を見られたことがスイッチになった。
そんなこと、なのだけれど追い詰められているからなんにでもスイッチになってしまう。
朱莉がいるからこそそれを分かってもらえて良かったんじゃないかな。

自己嫌悪が思いがけない犯罪の引き金になることって、案外多いのだと思う。朱梨みたいな刑事がいないから、それが明らかにはならないだけで、コンプレックスよりも深い自己嫌悪が、強い破壊衝動に結びつくのは納得できる。ある意味、彼も被害者なんだよね。

問題は紫織の件だけど、ここで前回シーズンの黒幕といえる甲本が再び登場ですか。人の心理は複雑でいろいろなことがあるけど、でも心理学って不完全なところもあるからね。フロイト派だけじゃわからないし、ユングだってアドラーだって心理の一面に触れているにすぎない。

さてここからどんな心の闇が見えてくるのでしょうか。

どんないきさつか知らないけれど、面識もない女の子を野外で襲ってそれを忘れるかね？そんなことする奴が女性と真面目に付き合って結婚しようなんて思うのかね？本当に信じられないし怖いよ。犯人からしたら若気の至りなのか？どうしたらその過去を悔いて心から申し訳ないって気持ちになってくれるのだろう。もしかしたら殺すよりそっちの方が難しいかもしれない。どこまでいっても何をしても本当の意味で復讐はできないのがとても悔しい。

なんか後ろで大きな力が動いているのかな。

今回は美人局とかいうのの一種なんだろうけれど、そそのかした男性は反省とかはしていないんだろうな。
ずっと苛立っていたから、運が悪かったとか、そんな感じなんじゃないのかな。

そして途中で出てきた花屋の女性。なんだろう。
手帳に書き込みしてたのは彼女じゃないのかな。

それに盗聴もされてるよね？
滝沢弟も怪しいし、いろいろ姉の件と繋がってくるんだろうか。

パパ活を利用した美人局ってやつね。これも手口は昔からあって今更珍しくもない。今も昔もこれで引っかかるやつが山ほどいるんだから進化してない証拠よね。今の押し込み強盗や闇バイトも底にあるのはみんな一緒。貧困ってことよね。昔と変わったのはボロを着てるわけじゃない見た目では分からないってことよね。被害にあったひとはバカだなと思うし車に轢かれたことは運が悪かったとは思うけど、それだけじゃ解決しないのに問題があると思う。

どんなに好きな彼でもあの親がいたら結婚はできない、結婚前に気づいたら彼との今後も考え直したくなる。彼女としたら自分のために彼が変わってくれるだろうと思うだろうし、何しろ1番盛り上がっている時期に別れる選択はまだできない。ただねー親との関係は生まれた時から培われたもので子供が変だと思って振り払わない限り絆は根強いものよ。本来なら落とし所を見つけるところだけど、殺人とはねぇ。これで息子の幸せの種を潰し一生恨まれて生きるのが決定。そこまで考えられなかったのかねぇ。

毒親ってホントどうしようもない。自分がおかしいって自覚がないから余計始末に悪い。度を越した過干渉で束縛魔の母と無関心な父。その中で育っていると親のおかしさになかなか気が付かない。
恋人に言われて少し気づいたけれど、そこまで重大だと思っていたのではと思ってしまう。彼女が亡くなって、母が後をつけている映像を見て初めて本当の意味でわかったのではないだろうか。そして怒りがわいた。
それにしてもわざと旦那に疑惑の目が向くように旦那のロープを使ったとか、ちょっと恐ろしい話だったな。

ああいう夫をマニピュレーターって言うのかな。自分に心底惚れて一生懸命尽くしてくれる妻を意のままに操って殺人までさせてしまうのだから恐ろしい。でも自分を刺させたのはなんでなの？それで罪が重くなって刑務所に長くいさせるため？それともそうさせることで更なる絶対服従を誓わせるためなの？ともあれ夫の洗脳が解けて良かった。まぁ殺人を犯した後で言うことではないけどさ。これからは自分を大事に生きてほしいと思った。

ヤングケアラーに限らず、何十年も自分の生活を犠牲にして家族の介護などにあたる人はたくさんいる。政府は金や人材が必要な施設整備より、在宅で家族が面倒をみる方向に政策の舵を切っているからね。これからこの矢田部のような人間が多く出てくるかもしれないなと本気で思います。

でも「死ぬために生きている」というのは、特別な状況の人だけでなく、本当は全人類そうなんだよね。生まれてきたらどう生きてもいずれ人は必ず死ぬ。それなのに世界が壊れてないのは、どこかで誰かが誰かの助けになっているから。朱梨の言いたいことはそういうことなのだと思う。

それにしても朱梨の姉だけでなく、矢田部の弟も何かありそうだし、どうなっているのだろう？クリットの件ともつながっているのだろうか？

卒業証書が古すぎて保管してないっていうのは分かるけどあの時対応が違ったらと思わずにいられない。大変でしたねという労いの言葉やよく来たねと温かく迎えてくれる人がいたら変わっていたんじゃないかな。昔は1人や2人暇な先生がいたけど今は難しいか。失われた時間が大きすぎてもうどこにも追いつけないと思う絶望は計り知れない。刑務所に入ってから誰かの希望になるなんて切なすぎる。名もなき声もあげられない人々が多くいることを知らないといけない。

あんな風に感情が見えたら便利だなと思う部分もあるけれど、知らぬが仏みたいなことも思ったりする。
母校を襲った犯人から見えていた色が信頼だったというのが悲しいな。犯罪者になる前に何か公助と繋がっていたらとか、前日の先生の対応がもう少しだけ丁寧だったらとか思ってしまう。証書は古すぎて無理でも証明書は発行できたはずだから。だからと言ってやったことは許されることじゃないし、ちゃんと生きて罪を償ってくれそうなのは良かった。

前回、お姉さんがふと見せた表情が気になっていたら、事件に巻き込まれたのか。働き始めると言っていたし、その働き先を紹介した人が被害者なのか。
せっかく感情が戻ったのだから幸せになって欲しいんだけれどな。

第2シーズンがあるとは思っていなかったけど、第1シーズンは面白かったので期待大です。ようやく感情が戻った紫織もやばそうだし、朱梨のように感情がわかるという謎のタイ人登場と、前シリーズの全体的な静かさとは違って、序盤から展開が早いですね。

さてメインの事件の方ですが、ストーカー心理は本当に怖い。でも手に入らないなら殺すという心理と裏腹だし、あり得るかなと思う。それにしてもこういう再犯の可能性が限りなく高い相手はどうにかならないものなのかな。でないと朝比奈の心の安寧は望めない。

朱梨のバディが風早から滝沢に変わったけど、女性同士というのはちょっと犯人を追い込むのに弱いかな。滝沢には刑事らしいいやらしさがないし。もう少し何かが欲しい。

シーズン1がとても面白かったので続編がある事が嬉しく、とても楽しみでした。風早がニヤついているのを見て、あー朱里と思いが通じ合ってるって確認して終わったんだっけと思いましたが思ったよりニヤついているので邪魔な設定だなと思ってしまった。それにしても事件は初回から飛ばし気味でめちゃくちゃ怖い。死なない程度に刺して一生自分のことを忘れないようにずっと怖がらせるなんて恐ろしすぎる。殺人よりずっと重い罪にしてくれないと嫌だな。