ミラー・ツインズ Season1

勇吾や里美とつながっているということはずっと圭吾を騙していたわけだけど、その辺りの葛藤とか後ろめたさみたいなものが全く感じられないところに違和感があります。勇吾を匿いながら平然と圭吾と情報を共有している姿が怖いです。刑事だから嘘をつくのに慣れているといったらそれまでだけど、もう少し皆川の心の機微を繊細に表現してくれたら人間味が出てより魅力的に見えるのになあと感じました。

５話ラストの勇吾とのつながりにはショックを受けましたが、これまで皆川のような温かさや包容力をしっかり表現して圭吾の良き理解者という印象を視聴者にきちんと植えつけていたからこその衝撃だったなと、ベテランの方に失礼ですがさすがだと感心しました。逃走する勇吾を見てあまり驚いていなかったり、圭吾に「情報は必ず共有しろ」と念を押していたり、後から考えると結構思い当たる節もあって、大げさ過ぎないけどちゃんと印象に残る伏線を示す演技も良かったです。

4話で圭吾を自宅に招いた時の嬉しそうな目尻の下がり具合とテンションの高さが印象的でした。本当にずっと息子のように気にかけてきたんだなと皆川の懐の深さと温かさを感じました。圭吾がオムライスを食べる姿を満足げに見ている表情が完全に父親のものに見えたのと、妻に「本当の親子みたい」と言われてサッと複雑そうな目をしたのが「何かの伏線？」と気になりました。一瞬の表情の変化だけどしっかり視聴者に印象を残す表現力はさすがです。

圭吾への態度や優しい眼差しが職場の上司という以上に深い思いやりや愛情が感じられ、事件以来ずっと気にかけ本当の息子のように可愛がってきたのが伝わってきます。誠実そうな話し方や正義感が強そうな真っすぐな眼差し、ベテラン刑事のどっしりとした存在感が頼もしく、殺人の容疑がかけられ誰も信じられない状況の時にこんな人に信じてもらえたら心強いだろうなと思えます。

高橋克典、老けたな。最終回に向けてどんどん老けていったような気がする。
圭吾のことをかわいがってくれるいい上司だったはずが、実は勇吾の協力者で警察の捜査情報も漏らしてたし
勇吾が自殺するのも止めてくれないし何がしたいのかよくわからなかった。
実の父親だっていうことを気にしすぎな印象。有難迷惑といった感じがした。

急に老けた？と思うくらい、今までにないくらい物静かな初老の役でも、渋さが光る！という感じでしょうか。高橋さんのギラギラした感じはありませんが、やはり危ない危険な香りは漂ってきます。この役にはピッタリだと思いながら観ています。

圭吾と勇吾の父親というのは年齢的に無理がある設定だな、と思っていましたが、最終話、生物学的に圭吾と勇吾の父親で勇吾を庇ってきた思いを爆発させる辺り、熱がこもっていました。あくまで勇吾の思いを遂げさせようとする強い意思を感じる演技でした。