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脚本・ストーリー 4.0 /5.0(79%) | 344位 /1088件中 |
キャスト 4.3 /5.0(85.4%) | 321位 /1088件中 |
演出 3.9 /5.0(78.6%) | 335位 /1087件中 |
音楽 4.1 /5.0(82.6%) | 146位 /1088件中 |
感動 3.9 /5.0(78.6%) | 116位 /1083件中 |
笑い 3.2 /5.0(63%) | 379位 /1083件中 |
スリル・興奮 3.6 /5.0(71.2%) | 332位 /1080件中 |
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キャスト 4.3 /5.0(85.4%) | 321位 /1088件中 |
演出 3.9 /5.0(78.6%) | 335位 /1087件中 |
音楽 4.1 /5.0(82.6%) | 146位 /1088件中 |
感動 3.9 /5.0(78.6%) | 116位 /1083件中 |
笑い 3.2 /5.0(63%) | 379位 /1083件中 |
スリル・興奮 3.6 /5.0(71.2%) | 332位 /1080件中 |
まさか別れのブルースをフルコーラスで聴くことになろうとは思わなかった。戦争が終わりました!さぁみんな前を向いてハッピーに!と歌って踊る鈴子より前に今抱えている悲しみに寄り添うようにしっとり聴かせる別れのブルース。ここぞという時に存分に歌を聴かせてくれる脚本がすごい。暗い観客席で客がひっそりと涙を拭う場面もグッときた。明日は見る人の気分を底上げするように鈴子がパワフルに歌い上げるだろう。戦後の幕開けになる力強いステージを期待している。
戦争の怖さのひとつとして、茨田のように戦争に直接は関わらなくても、その中で生きていればいろいろ責任の一端を背負わされるということ。勤労奉仕だって、鍋や鎌など金属類の供出だって、誰かを殺す武器のためであり、戦争の責任を少しずつ国民に背負わせた。茨田もさすがに滅入っていたようだけど、潔く前を見るスズ子に背を押された感じでした。どこか力強く、深い感情に満ちた「別れのブルース」でしたね。心に訴える、感動的なものでした。
ちょうどこの頃に父が生まれ、疎開先から戻るときに乗り合わせた人たちに希望の星のように言われたと祖母が良く話していた。その一方で戦災孤児の問題もあり、同じ幼い命でありながらその差を思う。何作か前の朝ドラでも少し触れられていたし、戦後の混乱を語る上でこの問題は避けて通れない。サラッとでも忘れないように触れてくれることは大事だと思う。夏に植えたじゃがいもも大きくなり、愛助の体調も良く体力がついてきていそうなのは少し嬉しい。いよいよ劇場も復活でスズ子の舞台が見れそうで嬉しい。
これは何のフラグなのでしょう?まさか小夜はあの軍人と国際結婚とか?少なくともこの後、英語を使って活躍するというフリですよね。何だか小夜の今後も気になりますね。小夜が持っていたのは、終戦からわずか1ヶ月で発売された伝説のベストセラー「日米会話手帳」でしょう。360万部を売った戦後初のベストセラーで、定価は80銭。そういうアイテムをさらりと入れ込むところはさすがNHKです。またそれを手に入れている小夜の意外な目敏さや先見性も朝ドラらしさかな。
羽鳥が捕まってしまいました。戦争協力者として尋問されるのでしょうね。ただの音楽家だったとしても、李香蘭は勿論だけど、満映の映画関係者も取り調べを受けた者がいるし、文化事業であっても、場合によっては侵略の道具としてみなされる。実際ナチスドイツなんかはそれを効果的に使っていたからね。それがまさに戦争のプロパガンダ。スズ子が「欲しがりません勝つまでは」というスローガンを揶揄していたけど、日本人はそういう言葉や雰囲気に流された結果を思い知った筈なんだけど、この頃ちょっとそれを忘れている気がします。
鈴子は富山で、茨田さんは鹿児島で、羽鳥先生は異国の地で終戦を迎えた。茨田さんが歌った時にいた少年たちはもう行った後だろうか。心に穴が開いたようにうつろな表情の茨田さんが印象的だった。戦争は終わったけれどズタボロになった日本の焼け野原ではまた違う飢餓との戦いが始まる。愛助との穏やかな生活がもうすぐ終わるかと思うとやるせない。食卓で出た草いっぱいの食事を美味しくないとしたのも素直で良かった。こんな時代にあれから一度もなっていないことを感謝したい。
きっと彼女は戦死の報を受けても泣くこともなく、必死に時勢に心を合わせていたのだろう。スズ子の歌を聞くことで、きつかった表情が徐々に柔らかになっていくのがわかって、こちらまでもらい泣きしてしまった。ここで大空の弟が往復書簡の体裁をとっていたというのが表現されていて、なるほどここど全容を出すのだと驚いた。確かにスズ子の持つ六郎からの手紙と、彼女が懐に忍ばせていた手紙が呼応するようで、本当に素敵な演出だと思った。そして淡谷さんの有名な話をここで再現していて、やはり耳で話を聞くのと目で見るのは違う。どんな思いで特攻隊員が聞いていたのだろうと思うととても苦しかった。
茨田さん、悩んだ末、特攻隊員のために軍歌でも何でも歌うと決めたのに、リクエストは軍からは歌うなと言われた彼女の「別れのブルース」。これはモデルとなった淡谷さんの実話らしけど、本当に泣けて来ただろうね。否応なく死を強制される時代に比べれば、いろいろ問題はあっても今のように平和な時代の方がはるかに良いと改めて思います。広島に原爆が落とされたニュースがあったから、もうすぐ戦争も終わります。玉音放送で敗戦を知らせた後も特攻隊として出撃した人もいるけど、その人たちに茨田の涙を見せたかったです。
茨田さんも鈴子もいよいよ深刻になってみんなが暗い顔をしている時に歌を届けるという使命をどう全うするのか問われる時代になりました。特に茨田さんはいつ出撃するかも分からないまだ子供のような兵士たちの前で人生最後の歌を届けなくてはいけない。プレッシャーでしょう。どんなステージを見せてくれるのか楽しみです。羽鳥先生の音楽会が見れるのかと思ったら次のシーンで成功だったと言うのみ。ここはブギウギらしくない演出でとても残念でした。
ここはスズ子と茨田というよりも、モデルとなった笠置シヅ子、淡谷のり子、そして李香蘭こと山口淑子という3人の歌姫が、それぞれ何を思うのかを考えさせられる内容でした。ひとりは戦死した弟、ひとりは特攻隊慰問、そしてひとりは国策として中国人と偽り、「夜来香」をヒットさせた日本人。それぞれ複雑な思いがあったのは間違いありません。特に李香蘭こと山口淑子は中国から戦争犯罪人扱いされたし、帰国後は政治家にまでなっちゃったから、果たして亡くなるまで本音を語ったのかどうかも怪しい。歴史において証言が残ることは大事だから、戦争体験者がまだ残っているうちに、是非とも話を聞いて置くべきだと改めて思います。
ブギウギが年末に入ってお休み。あれからどうしたのだろうと毎日待ち遠しい。死と隣り合う時代に愛する人と離れるのは気持ちが保たないだろう。病気じゃなかったら連れていくことも可能だけど今の愛助には無理だしね。その後の悲劇を考えると一生分愛し合っているように見える2人が不憫にも見える。防空壕での出来事はささくれだった時代にはいつもあること。小夜ちゃんみたいに正論をぶつけても衝突するだけ。歌で癒した鈴子はすごい。エンターテイメントはいつの時代も必要なんだなと実感した。
駅から愛助の家にたどり着くまでどれだけ不安だっただろう。だから次の巡業に行かなかったというか行けなかったのだろう。祖父が乗り合わせた電車を敵機に銃撃されて、その後電車に乗れなかったことを思いだした。それでも防空壕の中で泣く子どもと不安そうな母のために歌うことで、追い詰められた窮屈な空気が充満した暗い防空壕の中に光が見えた気がした。恐ろしい夜の後なのにみんなの顔は穏やかだったのが印象的だ。ふたたび歌うことにしたスズ子の歌が楽しみだ。
「産めよ、増やせよ」と言うわりに、実際に防空壕で赤ん坊がぐずると怒鳴る人がいたと聞くし、沖縄戦では赤ん坊を殺すか出ていくかを迫られたという話も聞きます。もちろん皆であやしてくれたという真逆な話もあるけど、非常時には弱い者にしわ寄せがきやすい。憲兵たちには目の仇にされたスズ子の歌だけど、庶民にとっては心を落ち着かせ、慰められる力をを持っている。東日本大震災の時も、被災地ではラジオから流れてくる様々な歌が慰めにも力にもなった記憶があります。きっとスズ子の決意は多くの人の心を支えることでしょう。
スズ子の献身的な介護は、もう大切な人を知らないうちに亡くしたくないという気持ちの表れでもあったのかと思うと苦しくなる。大切な人を失いたくないというごくごく当たり前の気持ちを大きな声で言うことが許されなかった時代。スズ子だけではないけれど、余計につらかっただろうと思う。羽鳥先生は相変わらずというか、軍の意向まで利用しそうな感じで強かだし、自分の欲求に素直だともいえる。あの時代、上海にいたらさすがに日本の状況が俯瞰的に見えていたのだろうか。そして大空襲。スズ子の色を失った表情が忘れられない。
慰問であれ何であれ、歌を唄えて、好きな人と一緒にいられるのは、どんなご時勢であってもスズ子にとっては幸せな日々だったと思います。そこへの東京大空襲。坂口がついているとはいえ、三鷹は度々空襲を受けたという話だし、より安全なところへ疎開した方がいいと思うけど、こんな時期にちょうどいいところが見つかるかどうか。きっと坂口は若い男性が徴兵もされずに寝ていると、たとえ病気でもいろいろ言う人がいるのも考えて、そういう目で見る人がいない三鷹の家を選んだのだと思う。それでも背に腹は代えられないし、もっと地方に移るべきかな。財力はあるのだし、使える時に使わないと。
坂口、ただ嫌な奴だと思っていたけど、心が通じる男だったんですね。見直しました。本来ならば愛助が自ら説得すべきなのでしょうけど、身体の問題もあるし、誰かがいろいろしてくれるのもその人の人徳。坂口も社長の息子だからという理由だけで彼を助けている訳ではないと感じます。だから愛助はもっと自信を持っていい。また戦時中ということもあり、敏腕マネージャーが入ってもどれだけのことができるのかわからないけど、スズ子がまた歌えるなら、愛助との日常が力となり、きっともっと表現力を増した彼女が見られそうです。
愛助はスズ子のことが好きなのはもちろんだけれど、独占欲よりもファンの気持ちの方が強いということなのだろう。楽団員を前にスズ子のことを語っていた姿を思わず思い出す。自分の看病を一生懸命にしてくれることや一緒に居られることに幸せを感じつつも、舞台から遠ざけ籠に入れてしまっている後ろめたさみたいなものもある。そして傍で見続けてきた坂口にもその気持ちはちゃんと伝わっていて、女帝との対決には見入った。親の気持ちはいったん横に置いて、ちゃんと義理と人情の決断をしたトミさん。怖いけれど、やっぱり何かを成してきた人は筋が通ったことをされるのだなと。少しこれでまた前進で、良かった。
愛助の持病の悪化は戦時中で栄養状態も良くなかったからですかね。戦時中の話は暗く辛い話が多いですが、こんな時代だからこそ鈴子は愛助につきっきりで看病できる時間が持てる。平常時なら週刊誌に追われて大変かもしれないけどそれもない。幸せっていつどうあるか分からないものです。結核は死の病で移ることから隔離が基本、それを知りながらベッタリと離れない鈴子の熱意にやられたのでしょう。束の間の幸せはきっと忘れられない時間となる。その後を知っているだけに切ないですね。
当時、結核は感染力は強くないとはいっても死病のひとつだし、長期療養という名目で、サナトリウムに隔離されるのが定番でした。堀辰雄とかサナトリウムを舞台にした文学がひとつのジャンルになるほどだからね。もし感染すれば死に至らないまでも、歌手であるスズ子にとって肺をやられるのは致命的。そんなことは承知の上で献身的に愛助の看病をしているのだから、あの坂口でも心を動かすでしょう。栄養状態がよくない戦中だけに、体調が心配ですけど、二人にとってはたくさん話し合い、触れ合える時間でもあるし、良い方に気持ちを向けて欲しいですね
愛助は元々結核で、治ったと思っていたが、戦争下の栄養状態の悪さから再発した感じなのだろうか?結核という病気がどういうものかを知っている愛助が、大切に思っているスズ子にうつしてもよいと思っているわけもなく。気持ちが通じ合っている幸せな時に再発は本人にとっては認めたくない出来事だっただろう。それでも態度の変わらないスズ子にすまないと思うと同時にとても嬉しかったはずだ。治ったらというのは闘病のモチベーションにつながる。あの坂口にも心通じて、少しでも幸せな時間が続きますように。
愛助母に呼び出されて、話しを聞いて、中身がわかったスズ子と任されたと思った愛助の差。それは年齢の差でもあり、経験の差でもあるだろう。お母さんの思いを知ってもなお一緒にいたい2人。切迫した時代が余計に2人の気持ちを盛り上げてしまっている側面もあるのかも。いよいよ本土空襲が始まって、警報に怯える生活になっていて。きっと物もより手に入りにくくなっているだろう。かねてから咳をしていた愛助だけれど、やはり結核のようだ。時代が時代なだけに、やはり史実どおりになってしまうのか。
トミさんはさすがの貫禄で、みなまで言わなくても必要なことだけ言う。あれだけ言えばスズ子には通じるとわかっていたのでしょう。それでも、恋愛は理屈ではないから貫きそうで。空襲の中、厠から出れないスズ子に愛助は必死で声をかけてた。戦争も日常の中だから、こんなこともあったのかもと思ってしまう。カラダの弱い愛助がスズ子を抱えて走って逃げる姿に、本当に必死に生きていたことや2人の強い思いを感じた。とうとう変な咳の正体が。まだまだ死の病。養生できる時代でもないし、つらいな。
女帝の忠告を受け入れなかったスズ子と愛助ですが、そもそも理屈とか利益とか考えていたら恋愛なんて出来ないですよね。たった一度の人生、バカだと言われようが、貫くべきところは貫くのが正解です。それにしても指三本は笑いましたww。NHKも変わりましたよねえ。かつてはキスシーンすらなかった放送局なのに。これはこれで良かったと思います。そして愛助が血を吐きました。どうやら肺結核のようです。かつては不治の病だし、死病ともいわれた病気。特効薬ストレプトマイシンが出来るのは1944年らしいから、ちょうどこのドラマの頃。戦争中だし入手は難しい。愛助が心配です。
うさん臭さそうな五木さんだったけれど、別に悪い人だったわけでなく、ただ一生懸命だったというだけのようだ。あちこちに彼女がいたというのは盛っているのだろうけれど、あの親子の幸せだけを考えていたというのは本当だろう。先に坂口からお金をもらってしまったとはいえ、本質的に悪い人ではないからこそ、スズ子にも強く言えないし、でもお金は欲しいしで板挟みになってしまったのだろう。隠し事の嫌いなスズ子に愛助はマネジャーを紹介するも、速攻で親バレしていた。母に呼び出された愛助がどうするのか楽しみだ。
五木の事情はわかったけど、愛する人を助けるにしても、自分の身の丈に合った助け方をしなければ、いずれ身をを滅ぼす。まあそれでも構わなかったのかもしれないけどね。よく悪いことをした人について「そんな人には見えなかった」とか「いい人でした」とかいうインタビューがあるけど、それって順番がおかしくて、悪いことをする前なら普通の人に決まっている。悪いことをした後だから悪い人になった。要するにいい人でも悪いことをすることがある。スズ子は良い人だし、愛助はボンボンだから、こういう人のエゴや性には弱そうだけど、これから対峙するのは女帝と呼ばれた人。果たしてどうなることやら。
やっぱり五木は信用できない感じですよね。他人と対する時、真実のない人って感じ。別にお調子者でもいいし、なかなか本音を吐かないのも構わないし、それなりに嘘をつくのも人間ってものだけど、まったく真実のない人間は信用できません。人を見る目って、多分そこがわかるかどうかだと思う。スズ子は人が良すぎるもんね。だからといって人を疑うことを覚えなくてもいいけど、慎重にはなった方がいい。大切な人を守るためにも。それにしても坂口、別れさせたいってお願いする側なのに、高圧的で脅迫的って人間としてどうなんだろう?こんなのが偉くなる会社なんてロクなところじゃないと思ってしまう。愛助の母親で女帝さんに、そこんとこどうなのって聞きたいくらいです。
ようやく愛助もスズ子との交際を決断しましたが、楽団が良い仕事をしました。小夜は相変わらずうざいし、五木は胡散臭いけどね。ご時勢だとか、年の差だとか、大企業の跡取りだとか、これからいろいろと言われるし、大変なことや面倒なことがたくさんあるでしょう。でもこの時にしか味わえない、人生において二度とない時間を大切にしないとね。幸福は案外簡単に失われるものだから。それにしても、うまくいったこと、おでん屋の伝蔵さんに伝えたかったですよねえ。伝蔵さんもうでてこないのかなあ。
トミさんからの手紙は、同級生たちと一緒に出征できなくて傷ついているだろう息子を思うものだった。まさかそれが愛助の恋を後押しするとは出した本人もびっくりだろう。それにしても羽鳥夫婦のニヤニヤがおかしい。どれだけ世の中が暗くて行き先が見えなくても、日常の中には楽しみもおかしみもあったのだと思う。心の定まった愛助の表情が明るくて、そして爽やかな交際の申し込み。スズ子も素直な気持ちを伝えていて、本当に折り目正しく時代を感じさせる交際のスタート。そこに団員たちの気の利いた演奏が加わって、こちらまで拍手したい気分になる。
あれだけスズ子を見続けてきた愛助だけれど「大空の弟」は知らなかったのかな。スズ子はちゃんと自分の気持ちを言って、それでいて愛助に判断を任せ、どんな判断であったとしても正しいと尊重することを伝えたのが素敵だと思う。ええカッコかもしれないけれど、それだけ相手のことを思っているということだ。ただただ普通に暮らしていくだけで苦しい時代。おでん屋も店じまい、郵便屋さんも幼い、そして朝食にも闇市のセリフが。いよいよ愛助の母の存在が近づいてきている。スズ子の言動からツヤさんの存在が透けて見えているし、何かあるかもしれないけれど案外心配していないかも。
小夜も坂口も「心配」という言葉を免罪符にして、好き勝手なことを言ったりしたりするのは本当に良くない。特に坂口の場合、「心配」の裏側には愛助を思う気持ちよりも自己保身が感じられるし、捨て台詞も怒らせる相手は自分じゃなく、愛助の母。そんな相手にお金を突き付けられても、はい、そうですかとはいかないに決まっている。徴兵検査で甲種でなかったことは、三島由紀夫なんかもずっとコンプレックスになっていたし、この時代の人としては大きなことなんだろうけど、残される方の気持ちとしてはスズ子の思いだって、この時代の女性たちの本心だと思う。社会的な圧力に個人の思いが潰される時代は良くない。愛助の強い思いに期待したい。
村山興業は大きな会社だしその一人息子となればお嫁さんを選ぶのは当然。鈴子じゃなくても好き勝手に決められるものじゃないでしょ。10歳も上で歌手となればやっぱり難しいんじゃないかな。実際あった話のようだけど、趣里さんが演じる鈴子は奥手というか幼すぎるかなと思います。30歳で胸がキュンとすることに戸惑うってちょっと怖い。そして小夜ちゃんがウザすぎる。鈴子側がちょっかいを出したわけじゃないってことにしたいんだろうけど演出に問題あると思う。
らんまんに引き続き今回も楽しませてもらってます…いまのところ
鈴子の子役時代も現在の趣里さんも自然で健気で歌も上手だし素敵
菊地凛子さんも存在感抜群だし草彅さんも周りの人たちも親しみやすくて温かくて素敵
なのに…小夜がひとり全てを壊してる
無神経で図々しくて騒がしくて、何故鈴子は彼女にお暇をとらせない? ドラマだから?
1日のスタートにあのキャラは見たくないな
村山興業の坂口もそうだし、小夜も同じだけど、よく知らない人のことを悪し様に言うのは本当に良くない。神様でもあるまいし、自分たちに見えるものやわかることなんてたかが知れていると理解できない人間こそ、いろいろ異心がある。自分がそうだから他人も同じだと思うのでしょうね。相手に騙されるなと言うけど、わかりもしないことを語り、自分こそたぶらかすようなことを言っているのだという自覚を持って欲しい。確信犯なら何らかの深い考えがあるのかもと思うけど、そうでないのなら正義の顔をするのはやめて欲しい。戦争で「こんなご時世だから」というのもずるい。愛助は身体が弱かったから、徴兵検査だって甲種合格とはならなかった筈。その弱味を突く言い方は、本当に彼のことを思っているというより、坂口自身の保身に見える。
いよいよ学徒出陣。その記事を読んだからこそ自分の気持ちに蓋ができなくなったスズ子。おでん屋のおっちゃんがちゃんとスズ子の気持ちを推し量ってアドバイスしてくれていることが嬉しい。たくさんの客を見てきたからこそ、分かる部分もあるということなのだろう。一方の愛助は文系学生だったから、行かない自分を恥ずかしく思い、そこを支店長は突いたということなのだろう。年齢のこともあるけれど、興行大手の御曹司と歌手というのも大きなハードルだろうし、2人の気持ちよりも時代的には家の意見の方が重く大きい。支店長の説得も、五木の話も当時の普通の感覚だったんだろうなと思う。
昔は個人情報なんて概念もなかったし、ファンもその気になれば家までなんてこともあっただろう。今の価値観で言ったらストーカーに近そうな愛助の行動も、あったかもなと思ってしまう。六郎に被る愛助が自分のことを大好きでいてくれて、自分を褒めて認めてくれている。スズ子にとっては恋人を一足飛びで家族みたいな気持ちだったのかもしれない。愛助にとってももしかしたら初めての友だち。距離がどんどん近づくのも無理はない。東京支社長の存在が怖いけれど、愛助のストレートな告白にとてもキュンとした。愛助が祖父母と全く同世代で同じ時期に恋愛し結婚したから、余計に思いを重ねて見てしまう。
まあ今の時代でも女性が10歳(愛助曰く9歳)上で、しかも大きな会社の跡取り息子のボンボンとなれば、いろいろ言われてしまうでしょうね。いくら恋愛に年齢は関係ないとは言っても、まだ学生とアラサーの芸能人なんて間違いなくスキャンダル扱いされる。しかも100%女性の側がたぶらかしたと噂されるに決まってる。その上に戦中だし、こんな時節に何浮かれてるんだとも言われそう。一方で戦争のために産めよ増やせよと言ってるんだけど。だからこそこれが恋愛に発展するのなら、スズ子には本当に強い気持ちが必要になります。
はな湯の面々が暗い世相の中、相変わらずの賑やかさ元気さで嬉しい。熱々先生だけは少し年齢が上だったから仕方ないにしても、この後の大坂がわかっているだけにいい時期に亡くなったと思ってしまう。まさかのアホのおっちゃんとアサさんが結婚していたり、短い描写の中にも息遣いがわかって。その中でもゴンベエさんが何者か分かった後もゴンベエさんとしても生きているのが素敵だ。USKの人々もちゃんと出てきて、こてこての大阪っぽさの中でも今の大変な状況がわかって。苦しい中にも未来を見ている人たちから元気をもらった。それにしても小夜ちゃんは好きじゃないわ~。
愛助がやっていた鈴子のルーツを探るように花湯に行って同じ空気を感じたいと思うことは今で言う聖地巡礼みたいなものなのでしょうか。まだ恋としてというよりも推し活みたいに見えますね。ただ家を訪ねちゃうのはちょっとだけ押しが強くて怖いかも。それもこれも六郎に面影が似ているイケメンだから許される所業です。花湯のみんなも梅丸のみんなもまだまだ戦争の暗さもなく元気でなによりでした。権兵衛さんに子供ができていてびっくり。鈴子の子供の時からいましたけど何歳の設定なのかと驚きました。
大阪の銭湯の人たちも、梅丸の三人+ひとりも、みんな元気で良かったです。特に当時の徴兵は40歳までだから、もしかしたら誰かと思ったんだけど、とりあえず大丈夫みたいですね。まあ1945年には上限60歳になるから、まだ安心はできないけど。愛助は邪魔者がついてくるけど、良かったですね。とはいえスズ子の判断も当時としては妥当なところでしょう。毎度のことだけど小夜はうるさい。他人の恋路を邪魔するのは無粋ってもの。まあそんなのわかるほど、大人ではないしね。せいぜい周囲の目からの壁になってくれれば。
小夜ちゃんは周りに影響受けやすいタイプなのかな?スズ子の有名になっても天狗にならない実直さではなく、調子が良くがめつい五木にそっくりだ。初登場でもボンと呼ばれていたし、宿屋のお代の半分も支払ってもらっておきながら泥棒呼ばわり。軍関係と思われる人から敬礼されて、感謝されていると言われていてもまだ悪態をつく。自分で育ちが悪いと言っていたけれど、それだけではなくて周りに合わせたりできなくて、今までもたくさん失敗してきたのだろうと想像してしまう。乗り合わせたお嬢さんのために歌われたふるさと。こんなに素敵な曲だったんだなと改めて思った。
小夜がドタバタし過ぎてうるさい。泥棒扱いもあんなにしつこくされたら誰だってイラつくし、それをちゃんと止めない鈴子にも悪影響が出る。何回も愛助と絡むようにと演出されているのだと思うけど朝から大きな声でギャーギャー言われると落ち着かないのでやめてほしい。あんなに探して見つからなかったお金が靴下から出てきたってどういうこと?昨日からお風呂も入らず履きっぱなしだったとか?今日履くとき気づかないとかあるかね?なんにしても勢いがありすぎて疲れるよ。
愛助との出会いは、六郎を思い出させるところがあるし、戦争で歌を自由に唄えず、楽団経営も苦しい中、スズ子にとって大きな支えとなる出会いになるのでしょうね。疎開する子どもにむけて歌う「ふるさと」は、誰にとっても頼る心のふるさとでもあったのでしょう。それにしても小夜には困ったもんです。育ちが悪いから他人を疑ってしまうって、別に育ちが悪い人みんながそうではない。もっと素直に謝れるようにならないとね。余程そちらの方が育ちが悪いと思われるもとだと思います。
羽鳥の餞別の曲はまたちょっと違った魅力がありますね。戦争と関係なく、そもそも地方は娯楽が少ないから、当然だけど大歓迎されます。しかし何もかも芋っていうのは辛い。目端の利く農家は米をすべて供出せず、一部を隠してみたいだけどね。それにしても小夜だけど、うっかりは仕方ないけど、知らない人を疑って、なすりつけようというのはいただけない。ちょっと東北人らしくないキャラ。さて謎の学生さんだけど、これはスズ子と恋のフラグが立ったようです。史実としてはあの吉本興業創業者の息子。ここからひとりの女性として、スズ子の物語が更に深くなっていくのだと期待します。
いよいよスズ子の恋バナスタートで、暗いご時世でもしばらくは浮ついた感じで見れるのかなと楽しみにしたのだが、お金が無くなるなど不穏な空気が大きすぎる。五木さんも胡散臭いけれど、小夜ちゃんも何というか酷く見える。学とか教養とかが無いのはわかるのだけれど、厚かましい図々しいが過ぎる。今回は近づいてもいない学生に濡れ衣着せて開いた口が塞がらない。スズ子は学生さんの中に六郎の面影を見たのだろう。はにかんだ感じとか分かる気がする。年齢を聞いて、思わず若い!と言ってしまう頃まで、スズ子は走って来たんだなと少し感慨深かった。
梅吉さんが言うようにスズ子の歌はいろんなものを思い出させてくれた。在りし日のツヤさんの姿が見え、怒られたというのは梅吉さんならではだろう。聞いた人がそれぞれに様々な思いを浮かべ、そして前を向いて、なんだかわからないけれど力を得るというのこそがスズ子の歌の力だ。親子の確執も解け、遠くにあってもお互いを思い支えとできる関係に戻れたことは本当に良かった。羽鳥先生からの贈り物がまたステキで、新しい曲を聞くのが今から楽しみだ。
梅吉が香川に旅立つ前に、ちゃんと和解出来てよかったですね。亀が笑っているってことは、天国の六郎も喜んでいるということなのでしょう。もちろんツヤさんもね。まああの歌を聞かされて何も思わなきゃ梅吉は本当の人でなしになる。そして羽鳥の餞別はさすがです。「大空の弟」といい、やはりちゃんと軍が何も言えない線を狙っている。単に迎合するのではなく、相手に合わせながら、うまい具合に言いたいことも主張する。こういうあざとい技を使うのもプロ。東京がすべてではないし、地方で少しだけ戦争を忘れて楽しめるといいですね。
15分のほとんどをコンサート場面に使い茨田さんが言うように歌手である鈴子もまた歌うことで悲しみ歌うことで癒されていくと感じた。昔美空ひばりさんが悲しい酒という曲を泣きながら歌っていたのを思い出した。昔の歌手はたった数分の歌に人生を込め聞いている人を惹きつけた。六郎のことを歌った歌で悲しみを出し切り、ラッパと娘では今までのどの回よりも心の底から解放して歌い切った。そんな娘を見てお父ちゃんも前を向けたらいいな。
茨田さんが多くを語らないのがいい。少ない言葉でそれでいて様々な思いが含まれていることが感じ取れて。スズ子の歌う大空の弟。胸が締め付けられるようだった。涙を流しながらも思いがつまった歌声が遠く空に届くようで。梅吉さんが驚きと共に顔つきがしっかりとしていく様子からも、たくさんのものが伝わったことだろう。姉やんのことが大好きだった六郎はきっと聞いていたと信じたい。そして悲しみを越えた先の歌声は底抜けに明るく力強かった。
歌の力、芝居の力、エンタメの意味を感じさせてくれました。「大空の弟」はスズ子の心情と羽鳥の反骨心が伝わってきます。羽鳥の歌詩には一聴すると戦争を高揚する内容にも思えますが、最後まで聴くとちゃんと軍部に対する皮肉が込められていました。こういうのが草の根になるのだと思います。そしてスズ子が真骨頂を見せたのはこの曲よりもその後でした。吹っ切れた彼女の歌は、本来の動きを制限されながらもこれまで以上に鬼気迫る迫力を感じました。それを見事に表現しきれる趣里さんはすごい。素晴らしかったです。
スズ子と茨田を焚きつけ、戦死した弟を想う歌という警察も文句を言えない時節に合った曲を用意した羽鳥。見方によってはとんでもなく計算高くエゴイスティックだけど、本物のプロが自分にやれることをやったという優しさの結果だというのが面白い。得てして有名プロが何かをすると「売名だ」とか騒ぐ輩がいるけど、プロの仕事だからこそ、そう見えるという典型なのでしょうね。それにくらべ、子どもを二人育てた筈の梅吉は父親としてもド素人まるだし。もしかしたら彼なりに思うことがあるのかもしれないけど、これではダメ。そもそもいくら死んだ奥さんや息子を思っていると言っても、こんなんじゃ天国のツヤさんに申し訳ないと思わないところが、梅吉こそ本物のエゴイストだという証明でしょう。