dele

自ら物語に関わるのではなく、物語が進むきっかけを作ってくれる存在という点が、dele.LIFEの2人のポジションと絶妙にバランスが取れていると感じて良かったです。
スーツをカッコよく着こなし所長として組織を纏める女性弁護士の姿は、同性として格好良くもあり美しく見えました。

出てくる人全員がおかしな役柄と言っても過言ではない中、一応職業は弁護士であるだけに理性的な発言の多い役柄が、物語の軸をブレないようにしてくれていたなと感じました。大人っぽさとチャーミングさをあわせ持つ立ち振る舞いが素敵でした。

麻生久美子さんは好きな女優さんですが、今回のドラマには正直合っていなかったと思います。美人で頭の良い仕事のできる女、の役でしたが、ちょっと無理している感じがありました。しぐさもいい女を演じてみてます、という印象で不自然でした。

障害がある弟のことをきちんと対等に認めて接している演技がすごくお姉さんらしくて、いい感じでした。自分のポリシーをしっかり持っている弁護士役が、とてもカッコよかったです。deleの二人を影ながら守っている様子が魅力的でした。

ドラマの内容がハードボイルドな感じなので麻生久美子の弁護士役は、はじめはミスキャストなのではと思っていましたが、ドラマが進むに連れていい味が出ています。敏腕女弁護士となるとキツくて気が強そうな役柄なのですが、頭が良い部分も優しい部分もちゃんと演じられていると思います。山田孝之と姉弟なのもシュールでしっくりきます。美人なのにマドンナ的なポジションでないのも面白いです。

主演山田孝之と菅田将暉の演技はもちろんうまいが、脇で支える麻生さんの存在感は見事。弁護士らしい知的できりっとした態度と、姉としての多少強引なまでの態度を、あまり表情の変化を見せずに、相手との間でうまく使い分けている。なかなか真似のできない演技だと思う。