霊媒探偵・城塚翡翠

あざとさも、明け透けも、お嬢様もぶりっ子も、様々なキャラを嫌みなく違和感なく演じ分ける力に脱帽です。清原さんの演技力があってこそのこのドラマだと感じます。お見事でした。

5話目まで清純霊感令嬢キャラで引っ張っておいて、いきなりあざとく喰えない謎の女に豹変するあたり、本当に見事でした。感心するのは最初のキャラよりも、間違いなく後から登場した本性キャラの方が魅力的なこと。そうでないと豹変の演出が生きません。でも最初のキャラにもそれなりに魅力がないと視聴者がチャンネルを変えてしまいます。そのギリギリを攻めた演出の意味をしっかりと呑み込んだ演技だなと思います。これまで清原さんといえば「おかえりモネ」を思い出していたのですが、これからは翡翠を思い出しそうです。

サッと一通り見るだけで何個証拠を見つけることができるのだろうとフッと視線を動かす翡翠を眺めてしまいます。その洞察力で相手が望む女の子を演じてしまう翡翠はすごい。ちょいちょい人の勘に触るような言葉のチョイスがあるのにサラッと言ってしまうのは計算なしなのか？ついつい表情を目で追ってしまいたくなる女優さんです。

よくもまぁ見事に騙してくれました（笑）もう騙さなくてよくなってからしゃべるしゃべる（笑）そのスピードと内容と長ゼリフに圧倒されました。香月先生の鈍感さをおちょくるような態度がありましたが、サラッとスピード感を持ってしてくれるのでさほど嫌味は残らずよかったと思います。

キャラ変が凄すぎて。それが無理な感じがなくて本当に豹変って感じなのが驚き。清原さんがいるからこのドラマが成立するんだろうと思う。

こういう俗世とは離れた役には品のある清原さんがぴったりハマっていると思います。バーベキューのお出かけに服を選びにいくはしゃいだところがかわいかったです。香月さんにもたれかかって眠ってしまうのもあざとさがなくすんなり見れました。

とにかくピュアで世間から乖離した生活や性格なのが嫌みなく表現されていて、このドラマの世界にスッと入ることができた。こういう役って強引さを感じることもあるのだけれど、それもない。自然とそこにいる感じが良いと思う。

目に見えない物や人を感じさえなきゃいけないドラマでは演じる人の力量によって胡散臭くもなってしまうけれど、あの憑依する場面を見ればみんな納得するだろう清原さんにしかない透明さと演技力でずっと目が離せなかった。