インフルエンス

普通に話していても感情的になってもいつも同じ台詞まわしに聞こえるのはどうしてなんだろう。悲しんでも怒っても台詞のトーンが一緒で、覚えた台詞をただ読んでるだけという印象を受けました。表情もいつも不機嫌そうというか、怒っているようだったし、人としての情みたいなものが感じられず、里子と娘のためにあそこまでしてあげる説得力がなかったのが残念でした。

あまりにも淡々とした口調で態度も落ち着いていて、何を考えているのか分からないところがあってちょっとサイコパスっぽさを感じてしまいます。怒ってる時も友梨に懇願したり諭す時も、いつも表情が同じで変わり映えしないし、台詞が常に一本調子なところもイマイチです。

里子の祖父を殺した後、不安がる友梨を安心させるように「私は上手くやったの」と言っていましたが、自分自身にもそう言い聞かせているようにも見え、殺害直後の動揺や恐怖が伝わってきました。「友梨に助けてもらいたかったんでしょ？羨ましかったんでしょ？」と笑いながら里子を挑発したり、ビンタしたり、「私を脅す気？」と詰め寄るなど、今まで見たことない凄みや迫力ある姿が多く見られたのも良かったです。

バレエの練習をしている時の優雅な姿や楽しげな笑顔が印象的で、友梨が思わず「綺麗」と見惚れてしまうのも納得の美しさがありました。自己嫌悪でいっぱいの友梨の目にはさぞキラキラ輝いて見えただろうなと思います。スッと背筋の伸びた立ち姿や意志の強そうな眼差しも真帆の賢さや育ちの良さを感じさせます。そこにちょっと陰を滲ませるところも母親との関係など、真帆が抱える葛藤を思わせて上手いと思いました。