書けないッ!?～脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活～

ナチュラルに、イラっとする義父という姿が良かったです。悪気はないけど、考え方が古い。無自覚に場を引っ掻き回してしまう凡ミスを繰り返す。娘かわいさで婿を蔑ろにする古い男、リアルにいそうで終始もやもやっとしました。良い意味で。

初対面の八神に「こいつは誰なんだ？」って聞いたり、「友達いないのか」って笑ったり、失礼なことを平気で口にして空気読めないんだけど、悪気がなさそうな人の良い笑顔をニコニコ浮かべているから何だか憎めないんですよね～。こんなおじいちゃん、絶対周りにいる。毎回良い味出していて和ませてもらっていました。

皆で一緒にドラマを見ていても1人だけストーリーや設定を理解していなかったり、エンドロールで圭佑の名前を見逃したり、こういうおじいちゃんいるよね～というリアリティを感じさせる演技がさすがです。わざとじゃないんだけど肝心なところを抑えられないタイミングの悪さや、普段ドラマなんて見ないんだろうなという知識のなさが、イマイチ圭佑の現在の状況を理解しきれなくて「家事を疎かにするな」と不満を持ってしまう説得力を感じさせました。

結婚した当初よりも圭佑に対して若干上から目線になったって台詞があって、確かに「家事を疎かにせず奈美をしっかりサポートしてね」という圧は感じられたけど、そこまで嫌味な感じではなくて、奈美が売れっ子作家になったのが嬉しくて仕方ないんだな、自慢の娘なんだろうなという親バカモードの方が強く感じられたのが良かったです。にこやかで悪気がなさそうだから失礼発言もなんだか憎めない、良いキャラクターだと思います。