大豆田とわ子と三人の元夫

他の元夫たちとも全然タイプが違って、とわ子のことが別れても大好き、煮え切らない気持ちも隠さずストレートに表現する人。
そして断られてもめげないから「鹿太郎がんばれ！」とつい応援したくなる。

準主役級の角田さんの演技を初めて観ましたが、コントで慣れているのもあり、セリフ回しの抑揚やテンポが素晴らしく、全部角田さんのアドリブかと思ってしまうくらい自然で面白い。
特にシンシンとのやりとりがほっこりする。
この作品の箸休め的な役割を見事に果たしていて、かつリズム感の良さからラップも一番上手く、角田さんの幅広い才能に気付いてキャスティングしたスタッフもすごいと思った。

垢抜けないけど、それに気づいていない男の演技がピカイチだと思います。コントでも癖のある少し面倒くさい男を演じていることが多いので、ドラマでも全く違和感ありません。一途に元妻を想い続けたり、どこか憎めないところも角田さんならではだと思います。

器が小さいところもこのドラマでの演出だとかわいいなと思います。実際に結婚したらめんどくさくなりそうな予感はしますね。とわ子さんへの未練タラタラの中、新しい恋の予感がしたのに肩透かし感がありましたね。変な例えもツボになりました。

まるで当てがきされたかのような一体感（笑）ほんとにお笑い芸人さんって芸達者。やっぱり間の取り方が最高です。二人のイケメン元旦那に挟まれてなんてこの人選んだ？って思ってたけどそれなりに素敵に見えた。薔薇の花束は似合わなかったけどなんだか憎めないよね。

優しくて努力家なところはいい、三枚目で素朴、ほっとするかんじもあるのに、何かにつけてぐちぐちねちねちといろいろ言うところが残念。とわ子との出会いが社交ダンスってところが意外だった。とわ子に未練たらたらで情けない。いかにもマザコンっぽく、きっと結婚してた時は自分のお母さんに逆らえず、結局とわ子は離婚を決断したんだと、簡単に想像ついた。

とわ子の2番目の元夫の鹿太郎は、今でもとわ子が好きなのがわかります。とわ子に電話をして1番目の夫がでたら、心配で家まで押しかけました。3番目の夫とともに、紳士協定を結ぼうとリーダーシップを取り、必死な様子から焦りも伝わってきました。でも、とわ子に3人との再婚は無いとはっきり言われ、一番落ち込んでいました。まっすぐな気持ちが伝わる演技でした。

ベテランの役者さんかと思ったら、人力舎の芸人さんのようで、その演技力にビックリ。まわりくどく、器が小さい感じの元夫を巧みに演じられていてます。ドラマが面白くなるための重要な役どころですね。

職人のようなコントで培った演技力や、独特な表情や、間を武器に、少しの時間でもすごく爪痕を残し、印象深い俳優です。坂元さんが紡ぎだすセリフにすごくハマると思うし、絡むことで他の出演者たちから引き出せるものを持っていると思う。

とわ子さんへの思い入れがいちばん強そうで、でもあまり相手にされていないから少し可哀そうだなと思ってしまいます。コントみたいな演技なのでついつい面白くて見てしまいます。例え話が下手すぎて笑いました。カメラマンという仕事はかっこいいんですけどね。