マウンテンドクター

ドラマには感情移入できなかったけど、杉野さんのさわやかさに救われたドラマでした。真っ直ぐで使命感に溢れた表情は真っ直ぐすぎて空回りの危険性も思わせるものでしたが、キャラに合っていてとても良かったと思います。軽々山に登る姿がカッコよかったです。

いい顔してるなーと惚れ惚れします。自分のやりたいことを仕事にできている顔、責任感を持ってなんでもできると充実している顔。その顔が行きすぎると慢心に見えてしまうギリギリのライン。だから危うさも感じる。江森先生に怒られるぞーという予感があたる笑。

山男らしい健康さ、医者としてしてのインテリジェンス、心に抱える痛みなど、どれもごく自然に表現するナチュラルさが良いと思います。だからこそ患者さんを死なせた時や、父親のアルツハイマーによる暴言に激情した時など、ポイントになるシーンがより際立ちます。大森さんや壇さん、八嶋さん、宮澤さんと大きな演技をする共演者が多いので、杉野さんの抑制された芝居が「Ｄｒ.コトー」の時の吉岡さんと同じ引き算の効果を感じます。若いのにまわりがよく見えている芝居だと思います。

この医師なら患者さんへの向き合い方が真摯で信頼がおけると思いました。患者さんのペースに飲まれていくのも宮本先生のお人好しな部分が出ていて良かったし、満更でもない感じも微笑ましかった。だからこそその患者さんを亡くした後、江森先生に言われた言葉での号泣は胸に迫るものがあった。

身体能力の高さもあっただろうけど、体も引き締まっているしちゃんと筋トレしたり訓練をしているんだろうなと思った。斜面での救護活動もハーネスをつけたり手順が多いけど的確で淀みがなく見ていて安心できました。