こっち向いてよ向井くん

観てると暗くなる演技の一点張りな感じでした

仕事の部分では抜かりなくスマートになんでもこなしてしまうところを見せつつ、結婚に失敗したことをいつまでも考えていたり新しく始まりそうな恋に少し勇み足をしたりと不器用で人間らしい部分もちゃんと表現していてよかったと思う。

同じジムに通いたがる向井くんを何回制しても聞かないからって無言で見つめるの止めて〜って向井くんじゃなくてもビビるよね。優しい口調だったのに次に見た顔がアレだったら酔いも一気に冷めそうでめっちゃ笑った。普段大人な分恋愛モードでちょっと焦ってる環田さんがなんだか愛おしかった。

向井くんを牽制する時の無言の圧、めっちゃ怖かったです。知り合いに勝手に坂井戸を紹介したり、その流れで告白したり、坂井戸を失いたくないっていう焦りや独占欲が溢れ出ている感じが、普段の落ち着いた大人な雰囲気と別人のようで、格好悪く見えるかもしれないけど人間味があって良かったです。酔っ払った黒田を介抱しつつ、食器を重ねたりテーブルを拭いたり後片付けをきちんとする姿も、気遣い屋と評される環田らしさが感じられて良かったと思います。

ドライでミステリアスな印象があったけど、元妻に何をしてあげたかったのか、どういう夫婦になりたかったのか、自分の結婚生活の反省点をちゃんと考えて後悔しているところが意外で、新たな一面が垣間見れて親近感がわきました。「人は一定の距離を保っていたほうが幸せになれる」という言葉も環田のこれまでの人生経験を思わせるような、しみじみとした実感が込められていて良かったです。

多分向井くんと坂井戸さんが一緒にいるのを見てやきもち焼いたのですね。環田さんでも嫉妬するんだーとニンマリしてしまいました。でもその連れ出し方がさりげなくて大人で環田さんのイメージを崩すものではなくて素敵だなと思いました。

向井くんとの意外な繋がりにびっくり。坂井戸さんと向井くんの仲の良さを瞬時に察知してる感じや、打ち合わせ時間が早まったと嘘をついて坂井戸さんを連れ出す姿など、嫉妬を思わせるような様子が見られたのも新鮮で、いつもより人間臭さが感じられたのも良かったと思います。

取引先の人にスキンケアセットを貰った時の対応がスマートで素敵でした。相手に気まずい思いをさせずにサラっとやり過ごすところが人生経験豊富な大人の余裕を感じさせました。不要なものでも「奥様」に貰ったものを代わりに坂井戸にあげたりしないところも、線引きがきちんとしているというか、二人の微妙な関係を物語っていて良かったです。

「約束してないですよね？」という坂井戸に「今しようとしてる」と返すシーン、格好良かった。変な力みや気負いがなくてさりげないから、気障な台詞も浮くことなくサラリと決まって素敵です。お誘いのくだりもそうだし、その後も坂井戸が持っていた花束を人質にとったり、ちょっと強引なところはあるけど、1度躱されるとそれ以上しつこく喰い下がってこない潔さが大人の男性の余裕を感じさせて良いと思います。

3話キュンとしてしまいました。
こんなに市原隼人カッコよかったかと思わせる演技力

「僕の朝ご飯、美味しいですよ」と坂井戸を引き留めるシーンが大人の色気があって素敵でした。しっとり落ち着いた雰囲気が何かと賑やかな向井くんのシーンと対比になっているところも、ドラマ全体にメリハリが出て良いと思います。ポーカーフェイスで心の底が読めないミステリアスなところも魅力的で、恋愛マスターの坂井戸が惹かれてしまう説得力がありました。

うわー向井くんと真逆！と思って見ていました。女の人が今のはどう言う意味？と考える間もなくかっこいいこと言ってくるところとかがすごい。ああ言うのって思い出してじわじわくるやつですよね。次はなんて言葉をかけてくれるんだろうとソワソワしちゃう気持ち、分かります。

坂井戸を飲みに誘うシーン、断られることを想定していないようなちょっと強引な誘い方が環田の自信と余裕を感じさせました。「どっちなら行ってくれる？」なんて気障な台詞もサラっと決まるし、自分のペースに巻き込むのが上手そうなところも、大人の男性の狡さと色気を感じさせて良かったと思います。

ちょっと通りかかっただけなのに見えないフェロモンを出しているのだろうか。吸い寄せられるように魅了されてしまう。あの坂井戸さんがふらっとしちゃうのも分かります。イヤリングを褒めていやらしくないってすごい。

ほんの数秒の出番でしたが、落ち着いた雰囲気と気さくだけど丁寧な話し方が素敵で、恋愛ご意見番の坂井戸が想いを寄せる説得力が感じられました。坂井戸のイヤリングを褒める時もさりげなくて、そのスマートな大人の振る舞いが色々と残念な向井くんと良い対比になっていたと思います。