ムショぼけ

隠された真実が！ってほどのものはなくなかった？今まで割とドラマチックにヤクザ映画みたいにしていたけど、現実なんてそんなものだよ。実家も貧乏してそうなのに年老いたオカンにお金を借りなきゃやってけないヤクザならとっくに足を洗ったら良かったのに。鉄砲玉に選ばれたのだって、稼ぎは悪いしそのくらいにしか価値がなかったからでしょ。ムショから出てきて子供が寄り添ってくれたのがせめてもの救い。真実を包み隠すことなく文章にして認めることからスタート。嫁が最後まで出てこなかったのが良かったと思う。

真実は仁義もクソもない、ただの報復合戦に巻き込まれた鉄砲玉が陣内でした。まあ陣内が出所して、入れ替わるように平松たちがムショ入りというのも、珍しくナツキが険しい口調で言ったケジメを、代わりに神様がつけたのかもしれません。「時は片道キップ」というのはまさにその通りで、ちゃんと自分の歩みを振り返れば、最後にタイトルを回収した「ムショぼけ」の意味が、刑務所を出てからのことではなく、刑務所に至った道こそ「ムショぼけ」し、世間から離れてしまっていたのだとわかります。なかなか深みのあるドラマでした。

自分の過去と目を背けずに向き合う。14年ムショに入って出てきて得た幸せがあったからこそ、その過去が恥ずかしくてどうしようもない。でも書くしかない。
自分の世界を生きていた14年前。お金と地位を得る前にやらなきゃいけないのが"犯罪"なのにあまり重く考えてなかった。出所してきたら楽させてやるくらいの感覚で恥ずかしげもなく飛び出して引き金を引いた。それから家族を14年間苦しませ続けたのに元に戻れると夢見た。本当だったら何もなかったのに、元組のやつらや恨み言を言いもしない子供たち、いつも優しく厳しいオカン、そしてリサと"幸せ"な時間があったのはすごいこと。
これからはどんなことがあろうと道を間違えないで生きていってほしいと思えるストーリーでした。

毎回楽しみに見てました！楽しくて終わってしまって寂しい気もします。良かったです♪

前回のリサちゃんの自殺で時が止まったようになり、宗介の落ち込み方の壮絶さにすごいものを見たと思っていたのに今回は総集編なんですか？と思わせる作りで拍子抜けしてしまった。初めから見てきた人たちには全部知ってることでなーんも面白くない。この一回分は要る内容だったのだろうか。リサちゃんを失ったショックでムショボケが治ったのか？うるさいおっさんがいなくなってせいせいしたと思いきやいなけりゃいないで寂しいもんだね。

刑務所に入ることになる前の組の状況、自分の立ち位置からカチコミして捕まって全部失った。出所して現代についていけない陣内を優しく支えてくれた元組の連中も結局は出所の出迎えにはこなかったという現実を改めて見せられてちょっと悲しくなった。でも人間の距離感何てそんなもんか。
ヒロの派生で出逢ったリサの方がよっぽど情が深くて、職場の人たちにさえ迷惑と思われている存在なのに、宗介に"普通"に接してたのは凄いことだったんだなと思えた。でも心の闇まで相談できる間柄にはなれず、ここも距離感が難しかったと感じた。今までの宗介を振り返って十分濃い内容だったと思ったのに、カッコつけてない本当があるなんて。まさかの終わり方に唖然としました。

まあ予想はしていましたが、よゐこ濱口さんを出演させてまでの「列島熱情」は、見事に陣内の夢オチでした。かつて安部譲二っていうヤクザが回顧録で売れた時代はあったけど、今はもう売れないでしょうね。そこからはほとんど回想シーンで、ラス前に今更物語の整理かと思っていたら、陣内の本当の事件の記憶が呼び起こされました。リサの死が引き金となり、陣内の中で美化していたヤクザの世界や、自分自身の在り方について、真実の何かを晒すことになりそうです。できれば陣内や彼の家族にとって、少しはハッピーなラストなら良いのですが。

驚きの展開に冷や水を引っ掛けられたような衝撃を喰らいました。まさかのリサちゃんの自殺。あんな綺麗な体で23で。なんでなん？って宗介じゃなくても思います。本人は思い悩んでそれしかないって行動に出たんだろうけど、残された方も辛いのよ？あの時こうしていればとかずっとずっと悩んでしまう。宗介のように自分も半分死んだように引きこもることもあり得るよ。ひとりよがりで死なないで。どうせみんな100年後は生きていないんだから。

衝撃の展開、リサが自殺してしまいました。まあ危ない匂いはあったけど、まさかですね。陣内が自問自答するシーンでのリサは、どこかはかなげで綺麗でした。彼女の苦しみに気づいてやれなかった悔いは陣内にしても、ナツキにしても残るでしょう。陣内はシャバにはシャバの苦しさに気づいて余計に苦しいのだと思います。引きこもりになり、自暴自棄になるのもわかるけど、それで何かが変わりはしないし、リサのことがわかるわけでもない。つらいですね。リサのせぶんすたーっていう曲、なかなか良い曲でした。さてそんな中で陣内の自伝は本当にうまくいくのでしょうか。

あのつぶやきがリサのことではないといいなとどれほど思ったか。でも宗介の勘が正しく、ヒロからの電話は悲しい報告だった。
もしリサが亡くなったなら、あの宗介たちといた時間と一人になった時間の幸せの差が埋められなくて、耐えられなくて、と悪い方に考えてた。だから宗介の妄想かもしれないけど、楽しくてしかたなかったあの宗介たちといた時間を忘れたくなくて亡くなったと思うと少しだけ救われた気がした。
平松が捕まって、リサが亡くなって、さとしもムショに戻るという流れは宗介には辛すぎるでしょ。みんなムショから出てきた自分に優しくしてくれた人たちだから。でもムショに戻るために万引きはないわ。リサの言葉を思い出して生きる希望が見つかったのはよかったかな。

刑務所と比べてシャバは天国か？なんて天国じゃないとしたら世の中終わってんだろう。そうじゃなかったら馬鹿馬鹿しくて真面目に生きてられないよ。愛する家族がすぐそばにいて一緒にご飯が食べられる幸せ。贅沢三昧ではないけれど自分好みの味付けのご飯が食べられる幸せ。ささやかだけどそれが全てじゃないか。14年経っても子供が訪ねて来てくれるなんていい子に育てた元嫁に感謝だね。リサは宗介のことどう思っていたんだろう。もし死んでしまったモデルがリサなら悲しすぎる。そうじゃなきゃいいな。

シャバと留置所で、かつての平松と陣内の立場が逆転してしまいました。それでも平松の安定した本音が見事です。まあHIROの金と弁護士でもう少し罪は軽くなるかもしれませんが、元反社だし厳しいでしょうね。そしてリサと母親と娘と息子が勢ぞろいをして、家族団らんの雰囲気を味わいましたが、こういうのはだいたいがフラグだと思っていたら、案の定最後に不穏な雰囲気です。リサに何かあったのでしょうか。それにしても陣内の獄中日記、呪いみたいでなんだか怖いです。

刑務所で立場が入れ代わっての平松との言い合いが最高でした。せっかく宗介が会いに来て何でもするって言ってくれてるのに、金もないし力もないやんは酷い(笑)平松は平松なんだなと、事故起こしてもうちょっと気弱になってるかもとか思ってたから意外と元気でホッとしました。見せかけだけじゃないといいけど。
リサの笑顔はテレビでもプライベートでも変わらず、作ってますという感じがずっとあって、あのSNSがリサのことを言っていなくても危ない気がした。宗介たちの家族団らんに入ったからこそ、その後の一人の時間の切なさは半端じゃないはず。ぜんぜんへこたれてなんかないっていうオチもありそうだけど、宗介がしゃばに出てきて得たものを失わないといいなと思いました。

まさか甲子園の実況を球場でもテレビの画面でもなく宗介の実家のリビングで繰り広げるとは！！そのアイディアに脱帽！！まるでお芝居を劇場で見ているかのような臨場感。同時に製作費ないのかなーとも思いましたが、すごい見せ方に驚きました。お姉ちゃんばかりが出てきて弟はどうしてるかなと思っていましたが、なかなかクセがあるけどいい子に育ちましたね。お母さんも再婚したということでしたがおばあちゃんのところに行くのは止めてなかったんだなと思うとお母さんの度量の深さに感激。ますます会ってみたいなと思います。

娘しか姿を見せていませんでしたが、ここで陣内の息子登場です。まあ蛙の子は蛙というか、血の気の多いところは父親譲りなのかもしれませんが、真っ直ぐないい男に育っていました。それはどうあれ陣内が、息子にでも素直に頭を下げられる男だからなのかもしれません。でなければ相撲じゃなくボクシングでやり合うことになっていたかもと思います。でも奥さんが再婚していたのは残念でしたね。まあ懲役くらっていたのだから、それくらいは仕方ないでしょう。そして平松のひき逃げ。まだシャバに慣れない陣内は何を思うのでしょうか。

辞めさせるいい機会と"迷惑なんだ！"と口にしたのに、その相手に土下座されたら居心地悪いよね。社長さん可哀想だったけど、宗介がクビにならなくてよかった。しかも謹慎から復帰が早くて笑ってしまった。
カイトは宗介の痛いとこしっかり突くけど励ましてて、スポーツマンって真っ直ぐでカッコいいなと思いました。それにまさか甲子園をあの居間でやるとは思わなかったので驚きました！ごちゃごちゃしてたけど野球なんてよくわからないし、あれくらいでちょうど良かったです。
平松は本当に何してるの？あんなに弱々しくなって、今までまともに生きてたのに突然轢き逃げって…。キヨカの再婚を知ってしまった宗介も同じように落ちていかないか不安です。

期待しないで見たけど、14年のムショ生活を経て現在の日常へギャップがおもしろおかしくて一週間たのしみにしてる。

リサ信者にはなってると思うけど、宗介がリサを見る目はナツキと同じで娘みたいな気がしました。リサといても家族と以前のように暮らしたいと考えてるのに、好きだと思ってるのは何でなんだろう。リサがときおり寂しそうな顔をするからかな…？リサと宗介が馬鹿やってナツキが笑う、浜辺のシーンはとても良かったです。
ただ仕事で即日クビはないにしても、入れ墨見せて脅すのはよくなかった。ぼったくりバーならカッコもつくけど、日の当たるとこではダメ。それにどんなに相手が喧嘩腰でも、まず"どいてください"と言えないのは人として問題かも。

完全に現実でも妄想でもリサに翻弄される陣内ですが、リサと一緒にいても、結局は元妻との思い出ばかり浮かんでくるのは、やはり元妻に未練というか、思うところがあるのでしょうね。ハニートラップかどうかはともかく、何も考えていないように見えるリサも、無人島の話の時、妙に影がさしていたし、隠している何かがありそうです。いずれにせよ、さとしが言った「いくら時代が変わっても、自分の芽で見たもの、耳で聞いたこと、肌で感じたことが大事」というのは真理だと思います。さて陣内はどんな選択をし、どう生きていくのでしょうか。

なんでスマホ使ってて日記も書けるのにネット検索ができないんだろう。wの意味なんかすぐわかるのにもやもやしててまじ笑えた。14年世間に触れていないとちょっとしたことも大きな変化なんだと思うとすごい。
小さい陣内とおっさんの陣内が揉めてるシーンは面白すぎた。女の子も笑ってたし、笑顔でおっさん陣内にバットを振り上げた小さい陣内はちょっと怖かった(笑)
wに翻弄されて答えが笑だとわかってめっちゃ機嫌悪くなってたのに、文才あるじゃんの一言でにやにやしててチョロすぎだろっと突っ込みたくなりました。
その気分の良さを台無しにする刑務官、コピー機配送の仕事で出世だってすごいこと。なんであんなに蔑むの？話のオチも微妙だし、陣内の悩みが小さくて残念。

反社会的なものがあんまりドラマでは見なくなった昨今。こんな荒々しい言葉遣いで相手をどつき回しているのは珍しい。怖いはずの瞳孔開きっぱなしの陣内さんを演じる北村さんがすごく魅力的なのでだんだん可愛らしくさえ思えてくるのが面白い。世の中にはいい悪いだけじゃ区別できないものが沢山あってそれぞれの価値観の中で生きているんだなと思う。15年、時を経ても変わらない愛情があって陣内の周りはガチャガチャしながらも暖かい。

娘との感動の再会が夢オチじゃなくてホッとしました。絶対父親が懲役刑を食らうようなことをしたら、妻がすぐに離婚を決めたとしてもどこかでバレて辛い状況になることもあったはずなのに、ナツキの態度は天使かと思えるほど。不思議でしかたない。でも母親と弟の話をしないのはそういうことなのかなとも思った。
平松にクビにされて面接受けてたけど、あの格好で受かるも何もないよね。どういう会社を受けたのか知らないけど、よく面接までいったなと逆に驚きました。
シゲたちと行ったぼったくりバーでのキレ方はカッコ良かったし、最後のアドバイスがくすっと笑わせてくれて最高でした。
ただ刑務官は出てきすぎ。うざい。

44歳で元反社では仕事なんて簡単には見つからないし、月給850円でも刑務所の方がいいと思ってしまうのも仕方ないのかもしれません。懲役のきっかけとなる指示をだした平松が「短気は損気」と諭すシーンは笑いました。陣内を老害とかバカにするところがありましたが、スナックでの暴力による解決はともかく、いろいろな経験を重ねた年寄りを安易にバカにしていると、しっぺ返しを喰らうこともあるというのは、ある意味で良い教訓だと思います。それにしても父親のおかげで苦労したろうに、娘は本当に良いコです。

つまらないことで人を傷つけて15年も服役した元ヤクザ。刑務官の亡霊？に取り憑かれたように刑務所のクセが抜けなかったりするからムショボケ。もうとっくの昔に人の道を外れてしまった男は15年経ってどんな人生を歩むのか興味がある。組のためにやったことは結局何の役にも立ってなくてただの犯罪者になってしまったけれど、なんだかんだと人の手を借りながら再生していくのかな。娘さんとの緊張の対面はどうなることやらと思ったけれど、想像の中の1番いいパターンで再会できてよかった。婚約者にも会わせてくれるなんていい娘に育ったね。

1話では刑務官が出てくると話が暗くなって面白さが消えてしまってたけど、2話は出演シーンも多くなかったしまともなアドバイスもあって、宗介が笑って泣いてるのを嬉しそうに見てたので印象が変わりました。
ヤクザの話し方が抜けてない宗介の勢いというか迫力はやっぱりすごい。HIROもガチでビビっててちょっとスカッとしました。でもその怖さを半減させる現代語(？)にきょとんとする姿が面白いです。
さとしの"普通"な姿を見てたので、平松の変わりようは理解できたけど宗介にあそこまでへりくだるとは思わなかったし、ナツキとあんな風に抱き合える流れになったのは意外すぎて一緒に泣いてしまいました。

確かに暴排条例の威力は相当なものがあったようだし、HIROの例は極端としても、14年間のブランクは世の中の変化も大きくて、なかなか戸惑うものがあると思います。それにしても平松の零落と陣内への献身ぶりがなかなか笑えます。木下ほうかさんの芝居がそうさせているのでしょうね。何にしてもあの娘の言動だけで、陣内が真面目に働く原動力にはなりそうです。このまま順調にシャバに慣れ、地に足をつけて生きて行けるのか、陣内の奮闘ぶりが楽しみです。

長い長い刑務所生活を終えて昔ならヤクザとしてのお勤めを果たしてたくさん迎えに来るところ、迎えに来たのは一張羅を来たお母さんだった。もうそれだけで泣きそう‥。どんな息子でも母にとったらかけがえのない愛する息子なんだよね。そして離れていった妻もまた母なんだよ。だから離れた。まぁ旦那に愛想を尽かしたのが先だけど、やっぱりそんな旦那と一緒に子供を育てることはできないって思ったんだろうな。長い刑務所生活で染み付いた習慣はなかなか取れないだろう。なかなか深くて面白い。

宗介はいいキャラだし、14年で変わったことに文句を言いながらもすぐに適応していくのもいいし、娘や離婚した妻に会いたい気持ちから唯一持ってた写真を待ち受けにした描写はくるものがあった。宗介がシャバに出て飲み込めなかったのは弟分や兄弟分の変わりようじゃないのかなとも思いました。
宗介のことを心配する母親は素敵で、良くわからないけど人気のあるインフルエンサーになった弟分もキャラが強くてよかった。
ただ刑務官が出てくると途端に面白くなくなる。刑務官の独特の暗さが作品の良さをぶち壊してるように感じてしまいました。