先生のおとりよせ

蜜子の本に「ありがとうございました」と丁寧に頭を下げる姿、顔をあげた時のすっきりした表情がとても良かったです。過去の黒歴史の呪縛から解放されたことや、蜜子に認められた自信、変わらぬ憧れや尊敬の気持ちなど、短いカットだったけど色んな感情が伝わってきました。中田と一緒にせんべい汁を食べるシーンでつい方言が出てしまうのも心許してる様子が伝わってきてほっこりしたし、スパークリングワインを飲んでる時のテンポの良い言い合いも2人の名コラボぶりが感じられて良かったです。

アンチの意見は聞きたくないと耳を塞いで拒否する姿が、繊細で意外と臆病な性格丸出しでちょっと可愛かったです。いつもよりお洒落したり、好きだったお菓子もちゃんと覚えていて手土産にしたり、蜜子と一緒にいる時の榎村は普段より大人しくてよそ行きというか、緊張して畏まっているようで、黒歴史ではあるけど蜜子への憧れの気持ちはずっと変わっていないんだなと伝わってきたのが良かったと思います。

アンケート結果を待っている時の貧乏揺すりして落ち着かない様子、3位と聞いて膝を抱えて落ち込む姿、終始ドンと構えていた中田との対比が面白かったです。プライドが高い分、打たれ弱くて繊細な榎村の一面が垣間見れて親近感がわきました。悩んで葛藤した結果、ファンのためにも連載中止覚悟でこれまで通りの作風を貫く決意をする姿も格好良かったです。

中田の代わりにお婆さんのお葬式に参列したり、故郷の焼きまんじゅうをお取り寄せしてあげたり、お婆ちゃんからのエールを届けてあげたり、自分に出来ることで中田をフォローする姿が格好良かったです。いつもウンチクや自慢を長々語るくせに、こういう時は余計なことは言わずに黙ってサラっと行動するところも押しつけがましさがなくて素敵でした。中田の前で自然に津軽弁が出てしまうところも心を許している感じがしてほっこりしました。

編集長の思い人が自分だと確信した時の浮かれっぷりや、編集長の好みのタイプを聞き出そうと前のめりで必死な姿など、相変わらずスマートな見た目とギャップのあるコミカルな演技が良かった。結局、編集長を振ってしまうところも、最高のコラボ作品を作りたいというプロ意識と中田のメンタルを気遣う優しさが感じられて格好良かったです。

中田の部屋着を文句も言わずそのまま着ていたり、甲斐甲斐しい看病をすんなり受け入れたり、身体が弱ってると素直に相手の好意に甘えるところが可愛らしかった。中田のことを信頼して心を許しているようにも感じられて嬉しくなりました。養々麺にお湯を注ぐ時の「ストーップ！」という気合の入った掛声やどんぶりに隙間なくきちっとラップをかける姿が「絶対に美味しく食べたい」というお取り寄せに掛ける情熱を感じさせたのも榎村らしくて良かったです。

他人と関わるのが嫌いって言ってたのに「素敵なレディたちを悲しませたくない」ってコロっと態度を変えたり、女性陣に囲まれて「ここは極楽か？！」ってうっとりしてニヤけてる姿がドSな普段の姿とギャップがあって面白かったです。面倒は御免と突き放していたのに「あなたの家族なら受け止めてくれる」って真実を告げるよう中田の背中を押してあげるところや「俺はあなたの漫画が好きだ」って告白する姿も、榎村の思いやりがあって優しい一面や中田の才能をリスペクトする気持ちが伝わってきて良かったと思います。

中田と本気でお取り寄せバトルをしたり、編集長が来るからとおめかししたり部屋中を赤いバラで飾ったり、髪の毛必死で撫でつけてたり、スタイリッシュな見た目とちょっと三枚目っぽい行動のギャップがアホ可愛くて、嫌味で面倒くさい人だけど憎めない良いキャラに仕上がってると思います。食べ方も綺麗だし何でも本当に美味しそうに食べるところも良い。中田とアイディアを出し合う時の生き生きと楽しそうな姿も、作品作りへの愛が感じられて良かったです。

中田に無理やりくさやを食べさせるシーン、めちゃくちゃ楽しそうで生き生きしていて榎村のドSっぷり全開で良かったです。ドヤ顔で披露するお取り寄せに関するウンチクも、細かく徹底的に下調べしてから取り寄せるんだろうなという榎村のお取り寄せへの情熱を感じさせて良いと思います。勝手にプロットを変更したことも「こちらにも非があったことは認める」って申し訳なさそうな様子なんだけど、どうしても「ごめんなさい」って素直に謝れないところがプライド高い榎村らしかったです。

スランプを中田のせいにしたり、「無限の才能」って自分で言ったり、締め切りのダブルブッキングが発覚した時もめっちゃ早口で言い訳しまくったり、榎村のプライドの高さや自信家な性格が伝わってくる演技が良かったです。「度量の広い男ですから」って言いながら中田にはちょこっとしたトマトジュースを注いであげないシーンも大人げなくて面白い。才能あって格好良くて完璧に見える人だけど、ちょいちょい子供っぽいところもあって、そのギャップが魅力的です。

目を剥きだしたり、歯を食いしばったり、片頬をピクつかせたり、震えながら拳を握り締めたり、心の声に合わせて全身で感情を表現する姿がクールな見た目とギャップがあって面白い。ドヤ顔の長々とした食レポも良い感じに重くて鬱陶しくて、お取り寄せした商品への強い愛と拘りが伝わってきます。中田と2人、バームクーヘンを頬張って「うま～い」と声を揃えて喜ぶ姿もチャーミングで良かったです。

テレ東の「バイプレイヤーズ」で向井理のコメディの片鱗を見て、「婚活探偵」でコメディもやれるじゃん！と思ってからの「先生のおとりよせ」良き良き。テレ東のドラマと俳優の使い方が上手い！北村有起哉は元々上手い役者だってしってたが、最近の向井理は現代劇、時代劇、二枚目、コメディ、極道と役の幅が人がって、番宣でバラエティでロケに出ても良い味だすし、面白い上手い俳優になってきた。北村有起哉と向井理を組ませたテレ東って天才だわ。

お取り寄せ商品を前にした時の恍惚とした表情や文学じみた長い食レポなど、変態一歩手前くらいの強いこだわりと情熱が伝わってくる演技がとても良かった。中田と言い合う時の隙のない流れるような台詞まわしも榎村の偏屈っぽさや取っ付きにくさを感じさせて上手かったし、表情の変化がかなりオーバーだけど、中田役の北村さんの演技も濃いめなのでバランスが良かったです。