ペンディングトレイン 8時23分、明日 君と

このキャラと田中の二人がいるのといないのとでは、大きく違っていたと思います。キャラに対する好き嫌いはあるにせよ、インパクト重視の脇役でその要求に応え、安定や調和を破壊するトリックスター的な役割を見事に果たしていたという点は、芝居として高く評価できると思います。古川さんのちょっと甘いしゃべり方も、この役では効果的でした。古川さんは最近の役者に多い、表情だけ、セリフだけの芝居ではなく、しっかり肉体表現としての演技もやろうとしているし、いい役者になる資質や姿勢が感じられます。

私は残る！と高らかに宣言したけれど、その時が迫ると明らかに動揺し始めて頭を抱えて泣き出した。自分の選択がこれでいいのか、悩むのも嫌で早く過ぎ去ってくれと思う気持ち、分かるなーと思って見てました。迷子の子供のように泣く姿が逆に愛おしくなりました。

声がよく通るしみんなを煽るのが上手だよね。声の大きな人の意見が通りやすいっていう見本みたい。キャラ的には好きではないけど、小心者だからこその強がりだったりが見てとれます。内側に鬱々としたものを感じますね。

ちょっと喋ると幼さが出るんだけどそれを入れても魅力的。ツンと澄ました顔が小生意気でそれがまたいい。手癖の悪さもそれも狙いかもしれませんが結構要領悪くてヒヤヒヤしました。みんながいい子ちゃんじゃつまらない。暴れてほしいな。