最後の鑑定人

尾藤を犯人だと決めつける刑事を牽制するシーン、相田の正義感の強さと真っすぐさが伝わってきてめちゃくちゃ格好良かったです。土門と刑事のやりとりにスッと割り込むスマートさや、不正は許さないと憤ってはいるけど決して感情的にならず、法律家らしく冷静に対峙する姿も頼もしくて心強かったです。

取材中に語った「何があっても依頼人に寄り添い続けます」「依頼人の最後の味方でいたい」という言葉が、良い顔見せようと格好つけてる感じではなく、心からのものだって伝わってきたのが良かった。口調にも態度にもベテラン弁護士とは思えない謙虚さと真っすぐさが滲むけど、それが全く嫌味っぽく見えないところも上手いなと思います。

落ち着いた声のトーンや親しみを感じる話し方、人柄の良さが滲み出る豊かな表情、依頼人と話す姿を見るだけで「この人は信頼出来る弁護士さんだな」って感じられるところが良いですね。清蔵の心情については「かもしれない」の連続で定かではないけれど、依頼人にとことん寄り添う相田が言うのならそうなのかもしれないなあって説得力があるところも良かったです。

検察の強引なやり方に「司法への冒涜ですよ」と憤ったり、北尾が自白をした時も家族が心配していることを伝え「すべて裏切ることになる」と必死に訴えたり、依頼人に寄り添う熱さと正義感の強さが伝わってきたのが良かったです。熱いけど理想を追うだけの薄っぺらい感じには見えず、頼もしさと心強さが感じられるところも良かったと思います。

「赤字でも困っている人を救えるなら」と満足そうにしている姿が、土門の「依頼人にとことん寄り添う弁護士」という相田評に説得力を持たせていたのが良かった。正義感が強くて真っすぐだけど、暑苦しさがないところも魅力に感じます。高倉との会話中にシレっと５万に値切ってるのも面白かったです。

「依頼人の最後の味方でいたい」「寄り添って守り抜くのが弁護士の務め」と高倉に語るシーン、熱い口調とやる気に満ちた表情が印象的で、口先だけではない心からの言葉なんだって伝わってきたのが良かったです。相田の弁護士しての信念が感じられて格好良かった。事あるごとに土門の手を握りにいって拒否られてるのも面白かったです。

少し高めの声のトーンや感じの良い話し方、丁寧だけど壁のない気さくな態度、あからさまな演出がなくても相田の人当たりの良さや仕事熱心さが伝わってくる演技がさすがです。ペンをステッキ代わりにして「魔法は？」って土門に尋ねたり、ハーブ水を飲んで「不味い、何これ」って口にしちゃうバカ正直なところとか、程よくコミカルさがあるところも良かったです。