Sister

凪沙を陥れようと手懐けていた頃と、目論見が外れて狂っている時と、急に凪沙ちゃんを教育するように自分を超えろ！と言い出す時と、なかなか役の心境の変化が激しかったですがその都度笑い方や表情が違っていてすごく考えられているなと思いました。沙帆を完全に自分のものにしていましたね。

瀧本さんって、こうしたドロドロしたドラマで、憎まれ役のようなポジションを演じるのは初めてではないでしょうか。目つきや表情など、危ない雰囲気や悪辣さ、女性の怖さがしっかりと感じられたし、柔らかさを出すべきところとのコントラストもありました。ただ姉という感じは少し弱かったかな。姉という存在は無意識なのだろうけど、下の子に対して、悪く言えばもっと横柄だし、良い言えばもっと鷹揚だと思う。偏見かもしれないけど(笑)。でも新たな瀧本さんが見られたかなと思います。

まさに怪演！お嬢様っぽい役しかできないのかと思っていたけど、こんなに怖い役ができるとは驚きです。今回の沙帆ちゃんをやってから演技の幅が広がっていろんな役も来るようになるんじゃないかなと期待しています。

凪沙ちゃんのお母さんの話を聞いてから前に出た回想シーンを思い出すと、甘ったるい声で言っていたなぎさちゃーん！の怖さがより引き立ちます。あれは全部演技だったんだねと思うととても怖いです。妊娠検査薬を前にした顔が陽性か陰性か分からない顔でこちらの想像を掻き立てるいい顔をしていました。

だんだんトチ狂ってきましたねー。狂えば狂うほど現実との乖離が難しいけれど、今のところ結構いい感じだと思います。「私、なにするか分からなーい」には昔の大映ドラマを彷彿とさせるヤバいやつ感が出ていてとても面白かったです。

あの「なぎさちゃん」って愛しそうに呼ぶ声は本物だと信じたかったのに、全部違うんだね。安心感と包容力がハンパないから自分が妹なら疑うこともしないだろうなと思う。暗いところで妹を介抱する陽介を恨めしそうに見る顔がちょっとだけ笑えた。

仕事でも人に頼られ、家事も完璧、妹の面倒見もいいお姉さん。ふんわりした声で可愛がられたらいつでも手懐けられてしまいそうで怖いです（笑）そしてそれが全部演技だとしたら震えます（笑）絶対いい人！って安心感が崩れる時一番面白くなると思う。