時をかけるな、恋人たち

「いっそのこと嫌いになれば良かった」と激しい口調で感情を爆発させる姿が、廻への一途で熱い想いを感じさせて良かったです。1話からずっと、何処か可愛らしくて少年の初恋のようなピュアさを感じさせていたけど、犯罪を犯して脱獄してまで会いに来る愛の重さや、会えない苦しさに藻掻く姿、それでも一緒にいたいと愛を貫く強さなど、最後に大人の男の顔を見せてきたところも、翔の本気度を感じさせて良かったと思います。

自分の立場とか考えたら結構大変なところにいると思うんだけどそんな焦りは一切感じられないのは廻との未来を信じているからなのかなと思います。いつでも目は廻を追っていて過去のイチャイチャシーンも自分のことなのにわちゃわちゃしちゃってかわいいです。

監査員に「恋は理屈じゃない」と必死に訴える姿が、いつものフワっと穏やかな姿と別人のように熱くて印象に残りました。何としても廻と離れたくない、一緒にいたいという強い想いが伝わってきて切なかったです。監査員に叱責されてブチ切れて大暴れするシーンも、あんな感情的になって理性が利かなくなるくらい廻のことが好きで仕方ない気持ちと、追い詰められてどうすれば良いか分からなくなって切羽詰まった様子が伝わってきて、人間臭くて良かったと思います。

猿谷の時間犯罪の証拠を掴んだ時や「手柄をあげるチャンスかもしれない」と意気込むシーンなど、廻と一緒に興奮してわちゃわちゃする姿が息ぴったりで楽しいです。仕事中にチラチラ廻を見ている広瀬に舌打ちしたり「チラチラ嗜みやがって」とイラつくシーンも面白かった。大好きって気持ちや嫉妬を隠さずストレートに言葉や態度に示す素直でちょっと子供っぽいところもチャーミングで、翔のキャラクターに合っています。

いつも廻を見つめる目がトロンとしていて優しくて廻が大好きって顔に書いてある、ハマってるんだろうなと感じることができるのがキュンとするポイントです。メグのどんなところも受け入れてくれそうなところがすごく好きです。

興奮した時の顔芸並みの変顔や、広瀬に詰め寄る時の瞬きを一切しない張り付いたような真顔、廻を見つめる時の目尻が下がりまくった蕩けるような笑顔、アニメのように自在に変わる表情の演技がさすが上手いです。未来人っていうファンタジー設定だけど、その生き生きとした演技のおかげで翔という人が実際に存在しているようなリアリティを感じさせるところも良いですね。廻へのぎこちないキスも初々しくて可愛らしかったです。

あんな変なことを言うナンパについて行く人はいないけど場馴れしていない感じが面白くてかわいかった、ついつい話を聞いてしまうと思う。柔らかい印象があるものの決める時には決める男で、りおんちゃんを真っ直ぐに見て帰らないよと返したところはカッコよかったです。

りおんに「帰らないよ、別れたくない」と宣言する時の緊張感のある表情や低く落ち着いた声が、翔の本気度を感じさせ、普段の何処かフワっとしていて少年のような雰囲気とギャップがあってドキっとしてしまいました。廻のお母さんをナンパする時の様子のおかしさも面白かった。海で廻と大はしゃぎするバカップルぶりもとても幸せそうで微笑ましかったです。

廻に駆け落ちを提案するシーン、真剣で相当の覚悟があるのは十分伝わってくるから笑ったら申し訳ないんだけど、行き先が原始時代っていう極端すぎるところが、過去人とちょっと感覚がズレてる未来人らしさが出ていて面白かったです。恋焦がれているっていう表現がぴったりハマる熱い眼差しや甘い口調が、少年の初恋のようなピュアさを感じさせるところも良いと思います。

雑誌でトレンドを調べて洋服を選んできたり、待ち合わせ場所にアクロバティックに登場したり、ぎこちないながらもエスコートしようとしたり、廻とのデートが嬉しくて堪らないっていう気持ちが溢れ出ている姿がとても可愛らしかったです。柔らかい声音で熱に浮かされた時のような抑えめで少し甘えを感じさせるような独特な話し方も、廻への熱い想いが感じられて良いですね。表情も台詞まわしも「どっかで見たな」「あの役に似てる」みたいな既視感がなく、新しいドラマに出るたびに全くの別人になりきっているところが、役者さんとして当たり前のことなんだろうけど毎回凄いなって感心してしまいます。

顎クイとか壁ドンとか、過去の胸キュン行動を調べて廻に実践しようとするいじらしさや、事あるごとにジーっと廻を熱い視線で見つめる姿、恋人設定での尾行では隙間がないくらい廻にぴったりくっついて歩くなど、廻に一生懸命アプローチする姿がチャーミングで、応援したくなります。廻に告白する時の真剣な表情と低めの声のトーンも、普段のコミカルでちょっと様子がおかしい姿とギャップがあってドキっとしました。

なんかよく分からない英語混じりな話し方も翔のいいキャラクターを作っていると思います。過去を思い出していない廻と昔から知っているような懐かしさを含んだ眼差しの翔の温度差がいいし、廻に対して終始デレてるのもかわいいです。

廻に「翔」と名前で呼ばれただけで喜んだり、フィアンセにヤキモチを妬く姿を見て嬉しくなっちゃったり、ただ会話するだけでも顔をグッと近づけてニコニコと楽しそうだったり、全身から廻が大好きって恋する気持ちが溢れ出ている姿がとても可愛らしいです。見た目は成人男子なんだけど、何処か少年っぽくてピュアさ全開なところも全く違和感なくて、「井浦翔」という未来人にしか見えない役へのハマリっぷりもさすがだなと思います。

なんていうのか大人の男の魅力を出す時はめちゃくちゃ色気が出るのに、こういうキャラクターみたいなかわいい演技もできるのがすごいのよね。コミカルな演技もやりすぎずちょうどいい。吉岡さんとのコンビとなかなかいいと思う。

アンテナみたいにピンと毛が立ったヘアスタイルや独特な配色の衣装がよく似合っていて、現代人の廻と並ぶとちゃんと「未来人」「住む時代の違う人」に見えるのが凄い。冒頭のバグった片言台詞もセルフとは思えない上手さだったし、こういう個性の強い濃い役柄がホント似合う。廻を見つめる優しくてちょっと切なげな眼差しも二人の過去を匂わせていて良かったです。