ミステリと言う勿れ

やっぱり演技うまいなぁって。引き込まれた！

倒れたジュートを見下ろす視線の冷たさや「無差別連続殺人なんて不愉快極まりない」と吐き捨てるような口調が、淡々と静かなんだけどゾッとするほどの凄みと迫力があってとても印象に残りました。ジュートに対する強い怒りや軽蔑が伝わってきて、大声を出したり表情を大きく変えなくても感情表現って出来るんだなと永山さんの表現力高さを改めて実感させられました。

淡々とした口調と表情で一見クールそうだけど、真実を知りたい、絶対にジュートを見つけ出すという煮え滾るような熱さや強い執念が沸々と伝わってくる演技がすごいです。表情も声のトーンもそんなに大きく変化しないのに、心の動きが見える。整のことを思い出す時だけフッと優しい笑顔になるところも人間味が感じられて良いですね。

最初は原作のイメージもあって違和感があったのですが、見ているうちに菅田将暉さんのが演じている整との相性の良さを感じたし、どこか神秘的な我路の雰囲気が感じられました。特に犬童館で最後にふたりが話すシーンは一編の映画のような満足感をくれるクオリティでした。緊張と弛緩のバランスがよく、テンポも抜群だったと思います。それにしてもやはり兄弟ですよね。永山絢斗さんと声がそっくりです。でもちゃんと個性が違っている。面白いですね。

金髪でスラリと線が細く見えて、最初は誰だか分かりませんでした。リコカツや龍馬の時は日焼けして筋肉ムキムキだったのに、まるで別人ですごい。抑え気味の声や淡々とした表情と口調が掴みどころがないミステリアスさを醸し出しいるところも良かったです。クールでポーカーフェイスに見えるけど、内には犯人への憎しみや怒り、妹への愛など人間らしい熱さも秘めていて、そのバランスの良い演技がさすがだなと思いました。

自衛官をやっていた時は刈り上げの逆三角形の体型だったから今回バスで見た時はすぐに瑛太さんだとは気づかなかった。雰囲気も佇まいもまるで違う。ガロくんの死んでしまえと思ったら妹が死んでしまったという罪、重い十字架が背後に見えるようで悲しかった。