となりのナースエイド

元気のない澪を心配して差し入れを持ってきてあげたり、火神のことを公表しないっていう澪の気持ちを尊重したり、本当の妹のように澪を気遣う姿が温かさと優しさに溢れていて、真犯人では？と怪しんでいたのが申し訳なくなってしまいました。「俺も前を向く、唯もそれを望んでる」と穏やかな笑顔で唯の指輪を見つめる姿も、何処かスッキリしたような清々しさを感じさせて強がりに聞こえないところが良かった。葛藤したり辛そうな表情が多い役だったので、最後に優しい笑顔が見られてホッとしました。

ちょっと怪しいかも…って思ってたけど、本当にただ純粋に真実が知りたかっただけだったんですね。後ろ盾もなく単独で地道に捜査を続けるっていうだけでも途方もない苦労があるだろうに、被害者が婚約者って相当メンタル的にもキツそうで、それでも諦めずに真実を追求する姿が格好良いし、それだけ唯が大切でかけがえのない存在だったんだなって伝わってきて切なくなります。

唯のことは本気で愛していたようだし、澪のことも家族のように気に掛けているのは伝わるけど、澪に色々聞いてくるわりに、自分は澪に秘密にしていることがありそうな怪しさがある。寮にいたのも、澪たちの部屋がある2階から降りてきたのも不自然だし、その後の「イチャイチャしてたから」っていう冷やかしも、普段の橘らしくなくて、何か悟られないよう誤魔化しているような違和感があり、「この人信用して良いの？」っていう雰囲気がプンプン漂っているところが良かったです。

大河と対峙する時のピリついた緊張感漂う空気が良かったです。「色々知ってますよ」と大河について語る時の含みのある口調も、星嶺医大の一員である大河のことも疑っているような、隠し事しても無駄だと牽制しているような棘を感じさせて良かったと思います。

澪に辰巳が犯人ではないと伝える時の、淡々としつつも無念さが滲み出るような声や、他殺の可能性が捨てきれないとPCに入っていた大河の写真を見せる時の緊迫した表情が良かった。振り出しに戻って悔しくはあるけど絶対に真実を掴むんだという刑事としての執念と、唯は絶対に自殺なんてする人じゃないっていう強い思いが伝わってきました。ただ、今のところ澪にとって一番信頼出来る人なんだろうけど、まだまだミステリアスな面もあるし、ちょっと怪しくもあるんだよなあ。100％シロって言いきれない、陰を感じさせる独特な雰囲気もドラマを盛り上げていて良いと思います。

勝手な行動をした澪を叱るシーン、店内に響き渡るような大きな声や厳しい口調が印象的で、澪を本気で心配する橘の気持ちが伝わってきたのが良かったです。澪のことを妹のように大切に思ってるんだなって感じられたのも良かったし、澪を大事にする気持ちがそのまま唯への変わらぬ愛を感じさせるところも切なくてグッときました。登場するだけでコメディモードからシリアスモードに、ドラマの空気をガラっと変わるところも良いと思います。

表情も声も淡々としていて、感情が読めない人だなって思ってたけど、唯のパスワードのくだりは彼女への深い愛情と、何も分かっていなかったという悔しさや後悔の念が目一杯伝わってきて、見ているこちらも胸が苦しくなるくらい切なかったです。普段クールだからこそ、溢れ出る感情を抑えきれない姿がより胸を打ちました。パスワードがプロポーズした日付だと分かった時のしみじみと嬉しさや愛しさを噛みしめるような笑顔もとても良かったです。