ユニコーンに乗って

功も佐奈もどちらかというと真っ直ぐで優等生タイプ。その二人の潤滑油になるようなふっと肩の力を抜いてくれる存在が栗木さんでした。2人とは違う目線で会社のことを考えてくれている。そういう人がいると組織はもっと強くなる。柔らかな笑顔と2人を見守る目が優しくて良かったです。

サイバーモバイルでの初会議、着ていくジャケットが決まらずアタフタしていたり、堂々と挨拶をする佐奈を誇らしげに見ていたり、かと思えば早速アイディアを提案していく積極的な佐奈に焦って動揺したり、コロコロ変わる表情の変化が面白くて、横に座ってるだけなのに存在感がありました。佐奈と功が上手くいったと知った時の自分のことのようにめちゃくちゃ嬉しそうな笑顔も、ずっと一番近くで二人を見守ってきた次郎だからこその感慨のようなものが伝わってきて良かったです。

M&Aに猛反対して佐奈や功と喧嘩するシーン、珍しく強い口調で詰め寄る姿や今にも泣きそうな辛そうな表情がドリポニへの強い愛を感じさせました。会社の今後やスタポニキャンパスを世界中の人に届けたいという夢を現実的に考えると、次郎の言っていることは甘くてぬるいんだけど、それだけ次郎にとって佐奈たちと会社を守ってきた3年間は充実していて愛しい、大切な時間だったんだろうなという説得力がありました。ラストの功とのハグも、わりとサクっと短めだったけど力強くて、寂しさや感謝の気持ち、頑張れよというエールが込められているようでグッときました。

怒る時は怒って、謝るところは謝る。お調子者だけどしっかり者。栗木さんが喜怒哀楽をちゃんと表現してくれるから功の感情が読めなくても場の空気が伝わります。みんなのことを好きな気持ちがすごく伝わってくるので雰囲気も明るく楽しくなりますね。

海斗がドリポニに戻ってきた時に一番に駆け寄って「ごめんな」と泣きながらハグする姿が印象的でした。海斗が裏切り者ではないと判明した時も「何てこと言っちゃったんだろう」ってものすごく後悔していたし、居酒屋に謝りに行ったあともずっと俯いて落ち込んでいて、心の中がずっと海斗のことでいっぱいだったんだろうなと伝わってきました。喜怒哀楽どの感情でも常に泣いてる気がするし、全力で感情を表現する熱い性格が大人な小鳥や冷静な功とは違う良い個性として発揮されていると思います。

海斗の話を聞かずにいきなり胸倉掴んで怒りをぶつける姿がいつもの次郎らしくなくて驚いたけど、我を忘れるくらい裏切られたショックが大きかったことや、海斗を信頼して仲間として慕っていた気持ちが伝わってきてとても良かったと思います。佐奈とのツーショットも珍しかったですね。功との関係を気遣いつつ、無理に聞き出そうとはせず「ふーん、そっか」と軽く受け止めるところが次郎らしくて良かったし、そんなふうに程良い距離を保ってくれる人だから佐奈も素直に自分の気持ちが口に出せるんだろうなという説得力がありました。

佐奈に告白してしまった功に「何やってんだよ」と笑いながら突っ込みつつ「3年もよく耐えたよ」と優しく労わる姿がとても良かった。功の気持ちを慮るような表情や口調が印象的で、短いシーンだったけどずっと2人の関係を見守ってきて「社内恋愛禁止」を守るために功が必死で気持ちを抑えていたのも知ってたんだなと伝わってきました。仲直りのアシストをしてあげるのも、翌日いつも通りに接する2人を見て安心したような笑顔を見せるところも、次郎の良いヤツっぷりが感じられて良かったです。

ビジコン予選の結果を待っている時にお腹を抱えてうずくまっていたり、ずっと貧乏揺すりしてたり、台詞がなくてメインで映っていなくても次郎の心情がしっかり伝わる丁寧な演技が良いですね。自分は本番で何も喋らないのにガチガチに緊張してるのも次郎っぽかったし、海斗の表情の変化を察知してからかったり、小鳥の質問もすぐ拾って教えてあげたり、周りをよく見ていて意外と面倒見が良い性格が感じられたところも良かったと思います。

ヘソだしルックにジャケットを羽織ったテルマちゃんをカメラで撮ってあげるシーンは残念ながら声だけでしたが、とても受け答えが面白く柔軟で栗木さんらしさが出ていました。空気に敏感でいつも気を配っている感じがとても好きです。

ビジコン優勝が決まった時に真っ先に飛びあがって大喜びしたり、崩れ落ちるほど嬉し泣きしたり、一緒に起業すると決意する前から何だかんだ佐奈のアプリ開発にずっと協力し続けてくれてるし、回想シーンで栗木の良いヤツっぷりが沢山見られたのが良かったです。「イケメンのお兄さんたち」って自分で言っちゃうところもお調子者の栗木らしさが出ていて良かったと思います。

職場の空気が重くなると明るくおどけて見せたり、自画自賛しながら恵実と盛り上がってたり、お調子者のムードメーカーという雰囲気がよく出ていて良かったと思います。佐奈と功が楽しそうに話す姿を微笑ましげに見ていたり、帰宅しても佐奈の心配をする功を「愛だね」とからかったり、2人の恋の行方を温かく見守る姿も2人の良き理解者という感じが伝わってきて良かったです。