笑うマトリョーシカ

しつこい効果音が気になる。そしてハヌッセンハヌッセン言い過ぎ。もうそれが言いたくて使ってるとしか思えないレベルでウケる。ここに来て疑わしい人物が勢揃いするところはワクワクしたし、美和子がいたことにもワクワクしたけど大事なハヌッセンがいない笑。清家はいつも誰かに支配されていてかわいそうだなと思っていたのに、道上に自らブレーンになってほしいとお願いするところを見ると自ら望んでマトリョーシカの皮になっているようにも見える。清家って謎だわー。

無駄な効果音多すぎだしうるさすぎ。大袈裟な効果音使わないといいろいろ誤魔化せないの？って思ってしまう。

親友、母親、元カノと黒幕候補が全員否定されました。現実ならば道上の知らない誰かという可能性もあるけど、本格ミステリの常道からすれば、すでに登場している人物の中に黒幕がいる筈で、候補者としてはもう総理くらいしか残っていない。こうなるとやはり黒幕はいない、というか清家自身ということのような気がする。彼が皆を利用したのか、それとも内心では止めてほしいのか、いずれにせよ真相に近づいている道上を次のブレインとしようとするあたりに、彼の真意がありそうだ。それにしても道上はなぜそんなに清家はコントロールされていると信じるのかな？結局そこは終盤になっても理解できない。

政治家は親子3代の悲願だったのね。でも自分たちの不遇を政治家になれば変えられると思って実行する人って世の中に何人いるだろう。それを思うとバイタリティがすごいというか、大陸の人の底力のようなものを感じる。物語はどんどん進んでいくけど、あんなに衝撃的だった美和子が行方不明のままで話題にも上らないのが私の中では衝撃。ほんとにこのまま出てこないのかな？マザコン路線だけで終わるのはつまらない。もう一捻り欲しいところだな。

完全にターゲットを浩子に絞っているけど、ちょっと視野狭窄すぎないか？彼女が黒幕ならば何で田舎に引っ込んだまま、再婚したままでいるのかな？再婚して清家の学費などを出させたかったなら、彼が議員になったあたりで離婚している。旦那に情が移ったんだとしたら、そんな女が国への復讐を続けるだろうか？それに彼女に政策を考える能力がある？だって清家は道上が話したことをパクってみせた。もし彼が単純な傀儡なら、浩子には官房長官なみの政策立案能力があるってことになる。それにハヌッセンなんてマイナーな人物をしっているとは思えない。だから浩子が論文を送りつけたのではないというのは本当だろう。スキャンダルになり得る危ない論文で、しかもたかが学生レベルのものを大事に持っているとしたら清家本人しかいないと思うのだけど。

道上の最大の弱みは子供がいること、なんだな。ついでに言うと女であること。やっぱりなんでも平等で性差はないというけれど、補いきれないものってあるんだなと思う。こういう食うか食われるかの仕事では自分1人の身の安全だって守るのが大変なところで子供を安心してそばに置いておける状態ではない。危険を察知して思いはありながらも別居を選んだ夫は賢いと思う。この仕事を続けていきたいのであればやっぱり息子とは離れて暮らす方がいいだろう。

更に黒幕として浩子がクローズアップされてきましたが、フリーの記者に追えるレベルの真実っていうのに引っかかる。これが本当に何十年もかけての計画なら、もっと周到に痕跡を消す筈。少なくとも一郎の祖母が中国人だったというところは大きな問題になりうるわけで、念には念を入れて隠すだろうと思う。何せ周到に複数人の命を奪うことまでしているのだから。そう考えるとむしろ浩子に目が集まり過ぎている。やはり彼女は捨て駒なのではないかと疑いたくなるかな。何にしても道上は単純すぎる。鈴木も信用しきれない相手なのに。

鈴木の台本がなくてこれからどうする？と思っていたけど、もうその辺のところはとっくに習得済みだったのね。そして演説会場で見せた天賦の才、文句を言っていた人たちさえ抱き込み自分の味方へと引き込む力があればもう怖いものはない？このままとんとん拍子で総理大臣まで上り詰めるのか？？そのために浩子はどんな犠牲も払わないだろう。こんなに順風満帆ならなにも怖くない。なにかあるとすれば一郎が耐えきれなくなるくらいだろう。

鈴木もここまでか‥。切られやすいカードは持っていたし、一郎がひとり立ちできるまでの保険だったのだろう。そう考えるとあまりにも無慈悲で情けない。でも今まで台本まで作っていた鈴木がいなくなって1人でできるのか？母親が糸を引いているとしても、あそこまでの手厚い支援はできないだろう。当の一郎はみんなが自分を操ろうとしてくることに気づいていないはずはない。本当に自分がないなら楽かもしれないが、ジレンマも出てくるのかな。

鈴木が切られた。つまり誰が黒幕であれ、鈴木は清家が官房長官となって権力を握るまでの駒だったってことになる。ここから先はむしろ鈴木が邪魔になるのだろう。確かに一見すると浩子にコントロールされている感じがする。でも本当に浩子が黒幕なのだろうか？道上は予断が多すぎる。まあ記者は刑事と同じで客観よりも、筋読みをしたがるからね。少なくともそうなら、すぐそばで清家と鈴木の関係を見ているわけでない浩子だから、誰かから情報を得ている筈だけど、ダイレクトでない情報には必ずバイアスがかかる。誰がどんなバイアスをかけているのか、そこがポイントだと思う。

あれだけ浩子の周りで交通事故が起きているのに警察は関連性を調べたりしないものだろうか。起きた年代や場所が離れていたりすると気づかないのかな。あれが全部浩子の企みなら美和子はとっくに交通事故で死んでると思うけど。でも美和子は馬鹿じゃないから狙われていることを知って身を隠したのか？それにしても一郎とはなんなのだろう。みんなが奪い合うように求めている。打てば響くタイプだしね。なにか特有のフェロモンでも出しているに違いない。

鈴木は清家の夢を叶えようというより、自分が政治家になりたかった夢というか、父親の復讐というか、いろいろ自分自身を仮託してしまっている。これほど利用しやすい人物はいないね。それだけに奥さんの心配はよくわかる。やはり背後にいるのは浩子なのだろうか？でも消印とかわかりやすい証拠を残し過ぎている。浩子が道上の家に来た事実を考えると、彼女がいろいろ嗅ぎまわっているのは知っている。当然鈴木に接触しているのは知っているだろう。綻びが出るなら鈴木のところだ。ということは鈴木も捨て駒に過ぎないということだろうか？

影響力は友達＜彼女＜母親というわけか。でもあれだけ美和子にご執心だった一郎をどうやって自分の手に収めたのか気になるところ。美和子がそれで完全に手を引いたとは考えにくい。今もどこかで糸を引いているかもしれないと思うと一郎の中身ってどこにあるのだろうと思ってしまう。そしてあれだけの影響力を持ちながら家の中を荒らしても平然と美和子を受け入れているように見せていた母親、偽名を使って一郎に近づいた美和子、女はやっぱり怖いなー。

鈴木が清家を操っている説は完全になさそうです。美和子は陰に隠れているのか、それともいろんな意味で消されたのか、彼女も清家を操るというよりは、彼をシナリオの主人公として興味を抱いているような感じです。そして急浮上してきたのが清家の母である浩子。明らかに道上を探るために「らんか」に来たし、どうも鈴木は彼女に憧れのような感情を抱いていたらしい。そう考えると鈴木を支配するのは清家というより浩子かな。でも浩子が清家を操っているとは思えない。清家に依存しているのは浩子であって、清家が浩子に依存しているようには見得ないから。更なる人物が現れるのか、それとも清家の自作自演か。

1話では鈴木が隙のない表情で清家を支え操っているように見えたけど2話では振り回される側に回ってしまった。美和子が怪しいとは思うけどきっとこの奥深さはまだまだ奥があると思う。道上は美和子というキーワードを出したからこれ以上近づけなくなってしまったのか？まぁここで清家が何もかもペラペラ喋ってしまったらつまらないので、ここで近づけなくなったのは面白い展開になった。僕を見ていてくださいに僕もあなたを見ていますが追加された。とてもワクワクする。

入れ子構造のマトリョーシカを物語全体を象徴するものとすれば、鈴木はもちろん美和子も入れ子のひとつであり、それこそ最後の核となるのは誰かという展開です。おそらくはまだあまり出てこないけど深く関わる人物が他にいそう。でも原作がプロの作家さんだと考えると、本格ミステリの原則からして、核となる人物はもう出てきている筈。面白いのは操られているように見える一郎自身が、実は皆を操っているという展開かな。でもそれだと道上に接触する意味がわからない。ミステリとしてなかなか面白い展開だし、櫻井さんもこれくらい胡散臭い方が芝居としては合っていると思う。

清家を操っているのは鈴木じゃない？てっきり清家が道上さんにご執心で危なっかしいから鈴木自らお家芸のように車に轢かれたのかと思ったわ。そんなに交通事故ばかり周りで起きたら怪しまれるのに、と思っていたらどうやら鈴木は本当に被害者だったとは。それにしても強烈な元カノが登場。どんなに頑張っても友達より恋人の方が影響力は強くなってしまう。清家は素直と言うか染まりやすいからあっさり彼女に染まっちゃう。清家って中身がなくてマトリョーシカの外見にちょうどいいわ。

清家の元カノ、やばいね。彼女が名前をあげたジミヘン、ジャニス、バスキア、3人とも死因はオーバードーズ。いわば緩慢な自殺だ。それをその芸術性というよりも、生き方として礼賛する奴なんてやばい奴に決まっている。更にそれを堂々と自伝に書く政治家もまた信用できるわけがない。ハヌッセンもただのオカルト系詐欺師に過ぎず、ヒトラーを操ったなんていうのは過大評価。逆にうまく使われたと考えるべき。いずれにせよそういうものに傾倒する清家という人間を単純に信じてはいけない。賢明な人ならそう判断する。だから道上は決して賢明ではない。だけどこういう人間が物事を揺さぶり、変化させるのだろう。そんな意図が読み取れる。きっと原作が素晴らしいのだろうし、脚本もそこを壊していないのだと思う。

政治関係の重いややこしい話でつまらないかなと思って見始めたけど、思いの外面白くて前のめりになってしまいました。特に清家の「僕のことを見ていてくださいね」と言ったのはなんなのか。鈴木の操り人形であることを自覚しているのはもちろん、その話に乗っていたと思っていたけど違うのか？とか、もう殺人も厭わなくなった鈴木の暴挙を止められないと観念しているのか。能面のような鈴木と作られた笑顔の清家の腹の中が見てみたい。

問題は道上が考える通り、本当に清家は鈴木の操り人形なのかどうか、ですね。おそらく鈴木自身はそう考えている可能性は高そう。清家の態度は視聴者向けのミスディレクションなのかもしれないけど、それよりは鈴木の意図に気付いていながら、あえてそれに乗っている展開の方が話としては面白くなるんだろうね。政治家がやたらと出てくるので、政治がらみの陰謀で道上の父親は殺されたのかな。いずれにしても櫻井さんは、これくらい胡散臭い雰囲気の役の方が良い味を出せるんじゃないかと思う。