あなたには渡さない

第1話からずっと感情の起伏が感じられない、のぺっとした演技で、見ていてイライラしました。喋り方もボソボソとしているし、感情的に怒るシーンも表情があまり変わらなかったりと、リアル感に欠けているように感じました。

いつも何か重いものを背負っているような、悩ましい表情をしているのが謎めいていて良い感じです。
好き勝手に行動している感じですが、横柄ではないので、周りに流されて複雑な状況を作ってしまったところがあり、それが絞り出すような話し方と悩ましい表情に繋がっているのかなと思いました。

演技的にも、板長としての貫禄がなさすぎて、ちょっと役不足だと思います。演技が下手だとは思いませんし、煮え切らない優柔不断の不倫夫としては、失礼ながら似合っているという印象ですが、いつもいつも、黙って困った様な顔をする演技は、少しワンパターンで、存在感がありません。

浮気をしていたダメ亭主っぷりがとても良い具合に出ていて、本妻と愛人のどちらの女性にも頭が上がらず、尻に敷かれる姿が男性のダメな所を上手く表現できている所に面白さを感じる。
腕のいい板前を感じさせる動きで魅せる演技も素晴らしい。

セリフが少ない分表情で情けない夫を見事に演じられていると思います。見ているとこっちまでイライラさせられるのも、萩原さんの演技の魅力だなと感じます。板前姿がほとんどですがたまに見せる私服とのギャップが楽しみだったりします。