おっさんずラブ

若いのに大物俳優の中でも、モンスター新人としてちゃんとポジションをキープしていたと思います。

モンスター新入社員が、年上の人を好きになることで成長していくのがはっきりとわかる演技でした。ドラマの最初の頃は、いかにも軽くて要領だけはいい若者という感じがセリフの言い回しからにじみ出ていました。話が進むにつれて髪型や格好が変わったのもありますが、一気に５歳ぐらい歳を取ったと感じるくらい、雰囲気がとても大人っぽくなりました。好きな人といる時の視線の動きから、まだ背伸びをしている感じや相手への強い思いが伝わってきました。彼はドラマが少し重い感じになった時に雰囲気を変える役割も担っていて、その時は見ている側が切り替えることができるような声のハリ方をしていて、このキャラクターの役割をしっかり認識しているんだと感じました。

チャラいイマドキ会社員というのは既視感がありましたが、世界観を壊さないようなはまり具合ではありました。そして、チャラくても女性にはきちんと向き合っている描写が様々な場面で描かれており、嫌な奴という印象は回を重ねるごとに無くなりました。

最初はムカつく新入社員だと思っていたのですが、ここぞという時に物事の本質をズバリ言い当てる彼の役柄はとても素晴らしく誠実で、ムカつくと思わせていた演技も、蝶子さんに対する真剣なアプローチもとても良かったです。

今どきのノリの軽い新入社員をうまく演じられていたと思います。先輩に対してもかなり失礼な発言をしつつ、本人に悪気がないのかなぜか憎めないそのキャラクターは、回を増すごとにだんだんとはまってしまうほどでした。

自由奔放で要領が良く、そして世渡り上手という、いかにも現代っ子という役柄が、とてもはまっていて良かったと思いました。
恋に対してもストレートに感情を表現する姿は、観ていてとても気持ち良かったし、清々しい気持ちになりました。