きのう何食べた？

ドラマクライマックス近くで突然途中降板されて気をもんでいましたがピンチヒッターの田山さんとの違いについて考えていました。田山さんも熟達した演技力を持つ実力派ではありますが梶芽衣子を妻に持つ昭和のお父さん・お勉強ができる史郎のお父さんとしては志賀が数倍相応しかったと思います。こうなればやはり続編を制作していただいて、再度志賀さんに登板していただきたいと切に思います。

梶芽衣子さん演じるシロウの母親にすこし気圧されている感じで、おとなしめで口数は少なくちょっととぼけた感じの役柄が志賀さんにぴったりだと思います。ゲイである息子に一応の理解を示しているもののちょっと的外れなことを言うところ等、きっと父親はそうなんだろうなと思わせる説得力ある演技です。志賀さんは脳梗塞の疑いで降板されて本当に残念です。

梶さんと本当に夫婦なんじゃないかと思うくらい似た雰囲気で、結婚生活数十年の仲の良い夫婦だけが醸し出せる空気感が漂っていますね。息子に対する態度も、親子という以前に一人の人間対人間として対峙している様子に、好感が持てます。暖かい縁側でうたた寝しているところなど、チャーミングな日本のお父さんという印象です。

穏やかな笑顔とゆったりとした口調、温かみと深みのある低めの声がシロさんを優しく見守る父親らしさを感じさせて素敵です。寡黙なんだけどとっつきにくさがなく、話しかければ気軽に応えてくれて会話も弾みそうな雰囲気がシロさん役の西島さんとどこか通じるものがあり、親子役に説得力があるところも良いと思います。

息子のセクシュアリティに興味がないばかりか、自分の健康に対しても無関心そうな父親を、好演しています。ゲイの息子に「どんな女なら(結婚相手として)いいんだ？」と、たずねる場面は素晴らしかったです。無知ゆえに悪気もなく無神経な発言をするという平凡な男性像を、「ああ、いかにもこういう人いそう」といった自然な演技で見せてくれました。
御病気でドラマを降板するのが、本当に残念です。

シロさんのお父さん役がとても合っています。ゲイであるシロさんに対してもそのまま受け止めている父親、また病気をして退院してきてのんびりと家で過ごしている様子、椅子に座ってウトウトと居眠りをしてしまう様子など本当に自然体で見ていてとてもほのぼと感じさせてくれる演技です。

入院して手術直後の演技が、本当に手術後ってあんな感じなんだけど、妙にリアルに感じた。実家に遊びに来たシロさんにどんな女性なら大丈夫なんだとか突拍子もない質問をしていたけど、そのあたり、息子の事を理解しようとしているのかほんわかしているのか。いい父親を演じていると思います。