アンナチュラル

UDIに訪れた際に頼もしい弁護士の顔を見せつつも、ミコトに良いお相手がいないかとお節介を焼いてしまう明るいお母さんの姿が微笑ましかったです。重く考えさせられるテーマを扱うドラマなので、ミコトのお母さんは暗い気持ちを吹き飛ばす存在としてとても重要だったと思います。

辛い過去を持つ子供の親になって育ててきた優しさや苦悩、子供をおもう気持ちは痛いくらい分かりました。近くにいる男性が独身だと分かるとと「いいじゃない」と結婚相手に勧めようとする頓珍漢なところも可愛らしいと思います。ただ、弁護士としてはお金で解決すればいいというようなところがあったのが少し納得できませんでした。

不幸な生い立ちの主人公の人生に、正面からではなくても、明るい光を照らし続けているように感じました。職業が弁護士というのは少々違和感がありましたが
毎週、見ているうちにそれもなじんで見えるようになりました。最終回で炬燵にいる主人公に声をかけ、頭をなでている様子は陰ながら主人公をいつも応援しているという気持ちがとてもよくできていたと思います。

最終回で弱音を吐いて涙するミコトの頭を撫でるシーンが印象的でした。元気がない姿を気にする表情や、優しく小さな子どもにするみたいに撫でる姿に母親の温かさがあり、「ミコトがうちの子になって良かった」という短い台詞の中に夏代の深くて大きな愛情が感じられたのが良かったです。

9話は暗く重いシーンばかりだったので、短い出番でしたが夏代の温かい雰囲気と明るさにホッと気持ちを落ち着かせてもらえました。「ダジャレじゃないわよ」と恥ずかしそうに慌てる姿がとてもキュートで、カッコ良い弁護士姿とのギャップが魅力的だなと思いました。

「これで良かったのかな、もっとしてあげられることはあったんじゃないか」と複雑な環境に育ったミコトを心配し続ける母としての葛藤や愛情が、ミコトを見つめる眼差しやふとした時に見せる物憂げな表情から伝わってくるのが良いですね。中堂や毛利など、ミコトの周りにいる男性に独身か聞きまわって騒ぐ姿もチャーミングで好きです。

べテランの域にはいってきた女優さんの一人として、よい感じで年を取ってきたなと思う。役どころも主人公の母親役がめっきり多くなってきた。子供のころから見てきた人がお母さん役をすることになんか違和感を感じる。でも仕方ないけれど。今回の弁護士役もなんかしっくりこない。

昔とは、全く変わらぬ可愛さと、明るさで、ついつい引き込まれます。明るさの中に、娘として育てるミコトを、一生懸命育てているなと感じられ、また、弁護士として、正義を貫いている感じがとても素敵です。時々、天然ぽいところが、良いですね。

薬師丸ひろ子さんの演技は初めて見ましたが、すごく上手いと思いました。変に若作りしていないところも好感が持てますし、でも弁護士という役柄らしく、凛とした雰囲気もよく出ていました。石原さとみさんと並ぶとちゃんと親子のように見えます。派手ではないけれど、今後ミコトという人間を深く掘り下げていくに当たって、重要なキーパーソンになるのではないかとワクワクしています。

弁護士として依頼者の権利を主張する姿が頼もしくてカッコ良いです。ハキハキとした少し早口な喋り方や飾らない自然な笑顔で、さっぱりとした性格の夏代を魅力的に演じていると思います。チャーミングでホッと安心出来る温かさもあって、ミコトが羨ましくなるくらい素敵なお母さんだと思います。