トットちゃん！

本当に渥美さんご本人にしか見えません。亡くなる前、撮影所に来たトットちゃんとうどんを食べるシーンは、トットちゃんを見つめる眼差しに優しさと寂しさが混じっていて、これで会うのは最後かもしれないという覚悟が感じられ、観ていて切なくなりました。山崎さんの「お嬢さん」という優しい呼びかけが今でも耳に残っているくらい、最後まで渥美さんになりきって素晴らしい演技を見せてくれたと思います。

最高に良かったです。感動的でした。
是非､今度は主役で渥美清役のドラマを見たいです。全国の人がそう思っていると思います。

４６話以降、映画がヒットして国民的スターになりますが、浅草にいた頃を懐かしむような曇りがちな表情から、現状を受け止めきれていないスターの孤独が伝わってくるのが良いですね。回を増すごとに渥美さん独特の話し方がさらに自然になり、会話がなくてもトットちゃんとの間に温かい家族愛のようなものが感じられるところも良いと思います。

意外に渥美清役がはまっているような気がします。顔立ちが似ているというのも多少あるとは思うのですが、話し方も多少渥美清さんに寄せているところも似ているなと思います。ドラマの中で渥美さんそのものとして存在していると感じました。

本当のお兄ちゃんのようにトットちゃんを心配して見守る優しくて温かい雰囲気が素敵です。清野さんとの何気ない会話のやりとりも自然で、気心が知れた仲という雰囲気が出ているのが良いですね。実際の渥美さんと徹子さんもこんな感じだったんだろうなというリアリティがあります。

渥美清の役をやっている山崎樹範さん。最初見たとき、朝ドラにも出ている前野朋哉さんと見間違えました・苦笑
しかしよくよく見ると、山崎樹範だと分かり、あぁなるほどと納得。
私は「寅さん」シリーズはちゃんと見たことないのですが、母曰く「しゃべり方がそっくり」らしいのです。
本物の渥美さんの外見、話し方をちゃんと研究した証であり、渥美さんを知らない私でも「渥美清ってこんな感じなんだ」と自然と思わせる演技力です。
トットちゃんに話しかける際の「お嬢さん」という言い方が、ちょっと真似したくなります。

お顔立ちが似ているだけでなく、声の高さや独特のテンポの良い喋り方、歩き方まで本当に渥美さんご本人にそっくりでびっくりしました。相当研究して役に臨まれたことが分かります。最初は邪険にしていたトットちゃんに興味を持ち始め、徐々に心を開いて大の仲良しになるまでの心の変化を、表情の和らぎや声のトーンでしっかり表現していたので、初めて「お嬢さん」とトットちゃんに話しかけるシーンに唐突さや違和感がありませんでした。渥美さんの温かさが滲み出る素晴らしい芝居をしていると思います。