パンドラIV AI戦争

主人公を支える重要な登場人物なのですが、ちょっと違和感がありました。もっと行動を起こす前の真剣に悩む姿が見たかったです。全体的に重い話なので、彼女の笑顔は雰囲気が明るくなり、とてもよかったと思います。

突然訪ねて家に上がりこんだり、ご飯を買ってきたり、急にタメ口で話したり、鈴木に対してちょっと馴れ馴れしい態度をとっても橋詰があざとい女に見えないのは美村さんの持つ清潔感のおかげだと思います。話し方も雰囲気も媚が一切なくて、純粋に鈴木を心配して気遣っている母性のような包容力と温かさが感じられるところが素敵でした。

鈴木や患者と接する時の明るく屈託のない笑顔と、太刀川と一緒にいる時のどこか冷めたような眼差しや蓮っ葉な口調のギャップが良いですね。キャラが違うけど別人格ではなくちゃんと1人の女性として成立させているし、単なる良い子ちゃんではなく、割り切った大人の関係も持てるドライな一面が人間ぽくて好きです。太刀川に「鈴木先生の1番のパートナーはAIだ」と語る口調に少し嫉妬が感じられたのも良かったです。

鈴木の話を聞きながらフッと口元を緩めたり、彼に向ける眼差しに興味や好意が感じられ、少しずつ鈴木に惹かれているのが伝わってくる丁寧な演技が良いですね。登場人物みんなギスギスした関係なので観ていて少し疲れてしまうのですが、橋詰の温かい雰囲気と明るさが張り詰めた緊張感を程良く緩めてくれてドラマ全体のバランスを保ってくれていると思います。

穏やかな口調と柔らかな笑顔が可愛くて、こんな看護師さんがいたら検査で不安な時もホッと安心出来るだろうなと思いました。明るく人当たりも良さそうだけど、太刀川に情報を売っているなどしたたかな一面もあって、そこが朗らかで清廉な美村さんのイメージとギャップがあって面白いです。