ミリオンジョー

真加田の死が公表され窮地に立たされ、何とも苦しい状況からの退任。表情が潔かったけど、仲間を失った虚無感までうまく伝わってきてとても良かった。本当に“もう、この世に真加田はいない”という事実となりすまし連載に気づけなかった複雑な心境が入り交じった感じが一言で言い表せないだろう。

ミリオンジョーの入稿が怪しい状況に陥ったときに踏み込んだ真加田の作業部屋で、静かな驚きを表現したあたりは流石だった。必要以上に感情を出さずに荒れた部屋を眺めて｢…参ったな｣と呟くシーンはかえって事の重大さを理解できた気がする。静の演技だね。

原作を読んでいないのでわかりませんが、原作に忠実なのか津田さんの髪型が独特で、以前より痩せたか枯れた感じが役に合っていると思います。主人公ではないのに、独特のオーラを放っていて、画面に映れば気になってしまう芝居が素晴らしいです。

参りましたね。ついに鬼が動きましたよ。般若のような形相で呉井に噛みつくシーンは正に鬼そのもの。もはや、編集者としての立場やミリオンジョーの狂信的なファンという枠を超えた恐ろしさは画面からはみ出そうな勢い！でも、今の呉井なら言い負かしそうな気もする。

左子は本当にミリオンジョーを愛しているだと思います。それだけに、いい加減な呉井が許せないし、呉井がネームを描くなんて、聖域を汚された気持ちになったんだと感じました。津田さんの演技から、左子の誇り高さと呉井に対しての嫉妬と軽蔑がにじみ出てくるのが、伝わりました。

やりましたね、ついに。掴んじゃいましたね、例の証拠。もう本当にこの人の存在は脅威でしかない。ミリオンジョーのなりすまし継続の動かぬ証拠を手にして今後、どうたち振る舞うのか気が気でない視聴者も多いはず。不気味さしかない！