リピート ～運命を変える10か月～

このドラマの核として、要所要所で不気味な存在感を放った六角精児さん。彼なしには、あれ程のスリル感や、先の読めない展開に、より一層ヤキモキすることはなかったと断言できる。敵か味方か、善意か悪意か一概には測りかねる主要人物たちと一緒になって、視聴者も彼に憤りを感じていただろう。

現実にはあり得ない設定と毎週繰り広げられる謎が不思議な雰囲気でそこが魅力的なドラマでしたが、
そのドラマに漂う雰囲気を作り出していたのは六角精児さんでした。
最後まで悪者なのか味方なのかわからないような表情が素晴らしかったです。

終始謎めいたままで笑顔で脅すのが迫力がありましたが、登場シーンから顔がパンパンになっていたのが気になって仕方がありませんでした。拳銃で撃たれても死なないし自分は神だと目がいっちゃってるのもコントみたいでした。

ずっと主導権を握っている性格の悪そうな小太りの男の高笑いは嫌な感じでした。でも指示を出す時の活舌の良い話し方は、話に引き込まれてしまい、妙な説得感と威圧感があります。こういう人がカルト集団の教祖とかになると信者が増えそうで気持ち悪いな、と思ってしまいました。不気味な役どころはピッタリの役者さんだと思います。

六角さんといえば、『相棒』の優しげな役柄の印象が強かったので、今回の狂った役には衝撃を受けました。
不敵で怖い表情や笑みには、震えさえ起こりそうでした。
優しげな役も怖い役も物にしてしまっているところに、演技力の高さを感じました。

あの不気味な役、ハマっています。
何を考えているのか分からないし、何度もリピートしている理由もよく分からない。
あの中華料理展で、風間が料理をガツガツ食べているシーンは、汚くてちょっと嫌でした。でも風間にぴったりです。