『仮面ライダージオウ』での奥野壮 (常磐ソウゴ/仮面ライダージオウ役)の演技はどうでしたか?あえて2択で評価してみて下さい。
奥野壮 (常磐ソウゴ/仮面ライダージオウ役) は 「2019年7月期 勝手にアカデミー賞」にノミネート中 (→ 今、何位?)
特に、鏡の中の自分とのシーンの演技は、素晴らしかったと思います。それまで、どちらかといえば飄々とした感じだったソウゴが、急に悪い表情を見せ、こんな表情もできるんだと、ちょっとドキッとしました。 また終始、とても自然な演技で、ゲイツが死んだ時の泣きのシーンなど、心打たれるものがありました。今後の出演作品を見るのが楽しみです。近いうちにブレイクされるのを期待しています!
世界の平和を守ってきたヒーローが、家庭や家族を守るヒーローに。 特撮出身の俳優達が、主夫となって家庭を支えるオムニバスドラマが配信され、彼もその一人として出演している。 演じる役は、年上のキャリアウーマンを支える若い夫。結婚生活も主夫歴もまだ短く、仕事熱心で行動派な妻を助けようと献身的に尽くしているが、その素直さ健気さを妻の仕事に利用され、言われるがままに振り回されてしまっている。 妻の為に料理を作っても、偽りのリアクションをとられたあげく、殆んど食べてもらえない。 朝から綺麗に身なりを整え、朝食をしっかり準備しても、普通すぎてつまらないと却下されてしまう。 冷たい反応も厳しい評価も、波瑠、という名の青年は静かに受け入れる。 驚き傷つき動揺し、瞳が震え表情が陰り、力無く肩を落とし暗く沈みながらも、言葉を飲み込みじっと耐える。 全ては動画配信の仕事に精を出す妻の為。閲覧数が伸びることで仕事を認めてもらえる、と目を輝かせる彼女の為。 餃子のロシアンルーレットも、手の込んだ朝食の支度も、カップルヨガも、裸エプロンも、全て愛する人の為。毎度笑顔を作り、一生懸命撮影に協力している。 苦しい。辛い。夫どころか人として扱われているのかさえ疑問に思う程の不憫さに、涙が出そうだ。 色々な格好や珍しい姿を見られたことは嬉しいが、物語の中ではこんな裏事情があったのかと思うと、素直に喜べない。 とうとうエスカレートする要求に耐えきれず、感情を爆発させてしまったが、それは怒りからくるものではなく、悲しみからくるもの。誰かに見せる為じゃない、彼女の喜ぶ顔が見たくて主夫をしているのに、自分は仕事の一部でしかないのか、と。 気を遣っていたからか、気圧されしていたからか、思ったことをうまく口に出来ない、思うように言葉が出てこない、そんな様子だった波瑠の激しい感情の吐露。 「俺のこと…もう好きじゃなくなった?」 今にも泣き出しそうな顔と声に、胸を抉られる。捨てられそうな子犬の様に潤んだ瞳が、心臓に突き刺さる。痛い。 初めての喧嘩で家を飛び出した波瑠は、仕事をしている彼女に惚れ込み、そんな彼女を守り支えたいと願い、結婚を申し込み主夫となった過去を思い出す。 言いなりになっているのではなく、好きだからこそ彼女の為に何でもしてあげたい、その為に主夫になったのだと再認識する。 居酒屋でアルバイトをしている場面では、まだ少年の様にあどけなく、彼女よりもずっと幼く見える。 けれどプロポーズをする場面では、もう少年ではなく、強い意志と想いを抱いた責任感のある男性となり、年齢も彼女にぐっと近づいたように感じる。 そして主夫となり妻と並んだ場面では、穏やかな優しさの中に、家庭的な温かさ柔らかさを滲ませ、妻との精神的な年齢差は、殆んど無くなっていることが分かる。 状況の変化に合わせて、波瑠自身も成長し変化していることを、何気ない視線や表情、口調や声色、雰囲気や間合いの違いで、細やかに表現しているのが素晴らしい。 妻の謝罪や反省もあり、彼も自分の考えや気持ちを伝え、無事に和解することが出来た展開は良かったが、それすらも映像作品として公開してしまった結末は、正直残念な気がした。 一度引き受けてしまった仕事は簡単には断れない、という現実を表しているのか。捏造や誇張の無い自然体な映像ならば良し、と判断されたのか。 これは美味しいかも、なんて妻やスタッフが密かに思い公開に至った、なんて裏事情だけは無いと信じたい。 (それでは最後の和解場面がただの茶番になってしまい、感動が台無しになってしまう。) 彼の演じる役柄には、人生の一部を切り取って垣間見せるような演出や展開が多く出てくる。 彼の作りすぎない、飾りすぎない、繊細で丁寧な役づくりと演技、様々な部分や一面を隠さずに自然に見せる芝居は、役柄の人物が本当に存在していて、自分達と同じ様に悩み迷いながらも奮闘し、日々を必死に生きている様に感じさせてくれる。 それにより物語が絵空事ではなく、実際の出来事の様に現実味を帯び、作品の主題や主張が他人事ではなく、誰にでも有り得る身近なものとして強く伝わり、深く考えさせられる切っ掛けになる。 今回の主夫、という役柄も夢物語などではなく、新しい人生の選択肢であり家庭の形、家族の在り方なのだと、彼の演技と芝居を通じて学び知ることが出来た。 実際に同じ様な状況や立場にいる方ならば、背中を押され、より多くの勇気や希望を得られることだろう。 サービスショットの一環なのかもしれないが、個人的にはサウナのシーンも気に入っている。夫や父親という仮面や鎧を文字通り脱ぎ去り、本当の自分に戻れる瞬間、場所があるという、ドラマとしても現実的な意味合いとしても、非常に良い設定だ。 彼の鍛え上げられ引き締まった男性らしい体にも驚く。無駄なものを一切削ぎ落としたような肉体を見ると、芸術性を極めんとするダンサーや、己を厳しく律するアスリート等、アクションを中心とした役柄も、また是非見てみたくなる。
最新作公開と時を同じくして、彼の出演する作品が次々に公開されている。 与えられた役割を演じながら、時間内に殺人事件の真犯人を推理する。それを生舞台の生配信、台本無しの即興で行う。 想像しただけでも、緊張と重圧で息が詰まり卒倒してしまいそうだ。そんなとてつもない大舞台に、彼は参戦していた。しかも人生初の即興劇。テスト無しの一発勝負。 始めは若干緊張しているように見えたが、すぐに舞台に溶け込み、ベテランの役者陣にも引けを取らない堂々とした立ち回りで、しっかりと個性と存在感を際立たせていた。 徹底して役柄に入り込みながら、舞台の空気や相手の芝居をよく読み、冷静に鋭く切り込んだり、逆に追い詰められて涙目になったり、緊張感と臨場感に包まれる中、現実味のある素晴らしい演技で物語に引き込んでいた。 舞台に上がる前も、舞台から捌けた幕間でも、彼はずっと役に入り込んだまま。ショックを隠しきれず軽いパニック状態の中、心を落ち着かせようと冷静に思考を巡らせる。秘密が明かされてしまうことに怯え、惑い、悩みながらも、現状を打破しようと必死にもがく。 精神的に追い込まれていく姿は小動物の様にか弱く、可哀想で胸が痛くなる。 同時に、役が抜けない、役柄のままずっと振る舞い続けている、その途切れることのない集中力に震撼する。 (ネタバレ厳禁の為、物語の真相、内容、展開、結末についての詳細は語れないが…ひょっとしたら、彼の本気で思い悩み苦しんでいるような迫真の演技、役柄に憑依されて一体化してしまったような渾身の芝居こそが、衝撃の展開を引き起こしてしまったのではないだろうか。あまりにも現実味がありすぎて、相手に脅威を抱かせてしまったのかもしれない…) 最初から最後まで、気を抜けない、目が離せない、手に汗握る刺激的な作品で、彼の強靭な精神力、集中力と演技力の高さに、改めて感動し恐れ入った。 「お芝居は生物(ナマモノ)」と特撮時代に先輩俳優から教わり、今でもそれを大切にしている彼と、即興劇や舞台作品はとても相性が良さそうに見える。 ドラマや映画等の映像作品も素晴らしいが、舞台作品でも彼は大きな功績を残せるに違いない。
新作配信最終話。強烈な個性のソウゴ達が更に増えた。 坊主頭に学ランのソウゴDは、傍若無人な不良学生。ソウゴEに絡んだり、逃げる生徒に暴行恐喝したり、破壊者に喧嘩上等とばかりに突っ込んでいったり、やりたい放題。変身も暴走族風で、横暴だがどこか嬉々としていて楽しそうに見える。 ゆるふわ髪にベストのソウゴEは、自転車籠にテディベアを乗せて登場。テディベアのショルダーバッグを提げ、常にテディベアを抱きしめ、変身にもテディベアを使用。繊細で内気なように見えたが、意外にも好戦的。人見知りでやや神経質な性格の可能性も。 前回以上に、同じ人間が演じているようには見えない。其々のソウゴ達の世界観がまるで違う。演技の振り幅が大きすぎて、別の人間としか認識出来ない。ほぼ同じ時間に次々と着替えて撮影されたというのだから、演じ分けといいその切り替えの速さといい、驚異だ。 二話の途中からソウゴ同士が入れ替わっていた、という衝撃の事実も冒頭で明かされる。 改めて見直してみると、ソウゴAに成り済ましていたソウゴCは、動きも乱雑で笑顔に含みもあって怖い。 ソウゴCを装っていたソウゴAは、少し緊張気味の表情や声音で、関西弁に独特の癖が無い。 比較すると両者の違いがはっきりと分かり、種明かしも相まって驚嘆する。 もう一つのスピンオフでは、最早人間ですらない。本編で馴染みのある流麗な変身が機械らしく硬質な動作に変更されていて、本当に細かい。 たった一人で一体何人のソウゴを演じているのだろう。まだまだいくらでも演じ分けられそうだ。凄すぎてもう言葉が見つからない。 今回登場した個性豊かなソウゴ達一人一人の日常生活や戦闘場面を、じっくりと観てみたい。 ソウゴ達皆が一堂に会して話したり戯れたりしている様子を、延々と眺めていたい。 そんな風に思える程、どのソウゴ達も生き生きと輝いていて、意外性もあり魅力的だった。 そんな中でも、やはりソウゴAが一番愛しく思える。 本編からずっと目にしてきて愛着があるからなのは勿論のこと、彼の俳優デビューと共に生まれ、彼の努力と試行錯誤によって作り上げられ、彼の成長と進化を体現するかのようにキャラクターとしても大きく飛躍した、彼の分身とも言うべき存在だからだ。 ところで今作のソウゴは、作中でジオウとも王様とも魔王とも呼ばれていない。 (ウォズだけが「我が魔王」と呼ぶ) ずっとソウゴか、常磐ソウゴと呼ばれている。変身もするし王様になりたいという夢もあるが、ソウゴにはもう「括り」や「縛り」は無いのかもしれない。 それは彼にも言えること。彼がこれからどんな作品のどんな役柄を演じ、どのような俳優となってどのように人生を歩んでいくのか、全ては彼の自由だ。 「王様」に囚われることなく、自らの望む幸せな未来を目指すソウゴのように、彼も心の赴くままに、自らの信じる好きな道を心から楽しんで歩んで欲しい。 彼ならばどんな道であっても、素晴らしい感覚と才能を活かして輝けるだろう。
新作の配信が始まり二話まで見終えた。 沢山のソウゴ達の細かい演じ分けと作り込みに驚愕している。何度見ても同一人物が演じているとは思えない。顔のそっくりな演者達を集めて撮影したようにしか見えない。 本編ソウゴに最も近いソウゴAは、異常事態に対する困惑や疲弊からか本編よりも控えめで消極的。魔性よりも善性が強く、皆を元気づけようと1人祭りの準備をしたり、内気な生徒を気遣ったり、誰かを蹴落としてまで王になることを望まなかったり、常に思いやりと優しさに満ちている。 キャップに派手なシャツのソウゴBは、クラブでDJをしている予告からノリの軽い若者を想像していたが、実際は静かに闘志を燃やす男気溢れる青年。生徒会長らしく強いリーダーシップを持ち、自信家で逞しく頼もしい。女性を贔屓したり恋人の投げキッスで変身したりと情熱的な面もある。 眼鏡に関西弁のソウゴCは、クールでインテリ風な優等生と思いきや、本性はずる賢く卑怯な手段も平然と使う策士。人を見下しているような節があり、相手を騙し貶めることに何の躊躇も無い。賄賂で買収したり別次元の自分だろうと本気で攻撃したりと容赦ない。 ピンクのマッシュルームヘアのソウゴFは、破壊者に車で散々追い回されたあげく呆気なく倒されてしまう。訳もわからず混乱状態のまま撃破されてしまい可哀想だった。 其々のソウゴ達は皆、視線や表情、歩き方や立ち方、身体の動かし方、姿勢や座り方、声の高さや出し方、醸し出す雰囲気、1つ1つが全て違う。目の開き方まで違う徹底ぶり。凄すぎる。 別人ではあるのだが、ソウゴであることには違いない為、本編のソウゴを彷彿とさせるような部分も所々見え隠れする。 ソウゴBのドスを効かせたような口調や睨み付けるような目つきは、終盤で沸々と怒りを溜めていたソウゴを思い起こさせる。 ソウゴCのソウゴAを倒した後の冷たい目線と言葉からは、冷静に物事を見据え魔王の片鱗を覗かせていたソウゴが思い浮かぶ。 必死で逃げ回るソウゴFは、初回や劇場版でゲイツに追われ逃げ惑っていたソウゴと重なるものがある。 登場こそ突然ではあるが、ソウゴ達一人一人には深みや重みがあり、別の次元でしっかりと生きてきたであろう歴史やドラマ性が感じられる。 新たに登場したソウゴ達、もう1つのスピンオフにいるソウゴは一体どんなソウゴなのか。どのように作りあげ、どんな風に演じ分けたのか。 早く見てみたい。
新作の情報解禁に合わせるかのように、某番組の再現ドラマで、彼は久し振りに高校生役を演じていた。 明朗快活で人懐こい雰囲気と笑顔が魅力的な男子高校生。一見爽やかな好青年に見えるが、少し風変わりな一面がある。 好意を寄せられると距離をおきたくなってしまう。仲の良い同級生女子とも親友にはなりたいが、恋愛関係にはなりたくない。理由は本人にも分からない。 「王様になりたい」「君を王室の○○に任命する」なんて言っていたソウゴも相当な変わり者だったが、この男子もなかなかの曲者だ。 そんな彼に密かに想いを寄せていた女子生徒は、彼を気遣い本心を隠して接してきた。しかし気持ちを抑えきれず、とうとう思いの丈をぶつけてしまう。 すると、まるで精巧に作られた仮面が剥がれ落ち崩れていくように、彼の顔つきがみるみる変わっていく。 彼女の勢いに圧倒され、狼狽えているようにも見える。彼女の苦悩と悲哀を知り、申し訳無さに心を痛めているようにも見える。自分の非を指摘され過ちを責め立てられ、深く傷ついているようにも見える。 彼女の言葉が彼に衝撃と変化をもたらしたであろうことが、揺れ動く視線や表情の激変から察せられる。 たった数秒間の表情のみの芝居。ほんの僅かな一瞬の演技で一気に引き込み、人物と物語に深さや重みを与え、現実味のあるものへと変える見事な表現だ。 消え入りそうなか細い声での謝罪。去っていこうとする彼女を背後から強く抱き締める姿。震えるように弱々しく紡がれる告白。 照れ隠しだったのか、自信が無かったのか、失うかもしれない怖さですがりつくような思いだったのか。 掴み所が無く自由奔放で自分勝手なように見えて、幼く脆く臆病な一面も持ち合わせていることが垣間見える繊細な芝居。 頑なに恋愛を拒んでいた理由は明かされなかったが、何かしら事情があったのではないか、そんな憶測をしてしまう。 (恋愛にあまり興味が無かったのか、心理的要因等から恋愛に対し嫌悪感や拒絶感があったのか、関係性が変わることへの躊躇や恐怖があったのか…モデルになった実在の人物が存在する以上あまり詮索は出来ない…) 彼女が素直に心を打ち明け誠実に対応したことで、彼も自分の本心を知り大切なものが何かを理解し、新たな一歩を踏み出すことが出来た。 ソウゴを気遣うあまりずっと踏み込めなかった大叔父が初めてソウゴを叱り、それを受けて意を決し初めて本心を告げるソウゴの姿が重なり、目頭が熱くなった。 理解されにくく誤解を招きやすいけれど、ソウゴや今回の男子のように様々な事情や特別な何かを秘めている人物は現実社会でも多く存在する。 彼が役柄に寄り添い心を込めて大切に演じるからこそ、そういった人物にも愛嬌や親しみが生まれ、感情移入がしやすくなり応援したい気持ちになれる。 新たに登場するソウゴ達にもきっと其々に唯一無二の魅力があり、予想を覆す何かがあるのだろう。楽しみだ。
常磐ソウゴが帰ってくる。 今度は7人に増えるらしい。 主体となる本編後のソウゴ以外は、容姿も性格も全く異なる別人の模様。 つまり1人7役というとんでもない挑戦だ。 (1人で多数の憑依された別人格を演じていた先輩ライダーもいたが…そのオマージュだろうか…) 一年弱という短期間にも関わらず数多くの現場で様々な役柄を演じ、幅広い演技力に更に磨きをかけた彼だからこそ出来る芸当だろう。 彼が製作陣から高く評価され、熱い期待と絶対的な信頼を寄せられ、深く愛されていることが実によく分かる。 (彼の存在ありきで企画制作されたであろう設定や内容を見ても、製作陣が皆ウォズ張りに彼自身に惚れ込んでいる熱烈なファンとしか思えない) 何はともあれ再びソウゴに会えること、彼の新しい演技と芝居を存分に楽しめることには感謝してもしきれない。 スタッフと彼には心から御礼を申し上げたい。 来月が今から待ち遠しい。
最終回目前、夏映画も兼ねて出演したラジオ番組で今後の抱負を聞かれた彼は、もう一度バレエをやりたいと語っていた。 その宣言通り、今秋放送された実在するバレエダンサーの半生を描いた再現ドラマで、彼は主人公を演じていた。 それは煌びやかなバレエの世界の話ではなかった。片足を失い夢を奪われたダンサーが絶望の底から希望を見出だし、挫折を乗り越え這い上がっていく壮絶な再起の物語だった。 バレエと出会い目を輝かせ憧れを抱き、戸惑いながらも少しずつ練習を重ね上達し、夢に向かって歩み始めた矢先のまさかの悲劇。 それでも諦めず義足をつけて稽古場へ通い、思い通りに動けずに悔し涙を流し、なんとかオーディションに参加するも結果は… 苦痛に苛まれ屈辱にまみれながら、地を這うように体を引き摺り舞台から去る姿。 明るく華やかな舞台の裏、暗闇の中で一人号泣する姿。 非情で残酷な場面に涙が溢れた。 ふと脳裏を過ったのは、ソウゴが序盤で背を向けたまま夢を諦めると告げた場面。 中盤で仲間達が去り、荒野に一人取り残されてしまう場面。 終盤改変された世界で、皆に敵視され身も心も傷つき弱音を漏らす場面。 夏映画で夢も自分の存在意義さえも全て奪われ、檻の中から怒りを露に叫ぶ場面。 普段はあまり負の感情を表に出さないソウゴが、大切なモノを無くして独りぼっちになり悲しさ淋しさ悔しさを滲ませていた場面を思い出した。 人の脆く弱い部分、惨めで情けない一面、崩れ壊れてしまいそうな儚い瞬間等、不器用で繊細な精神や心情をありのまま飾らずに自然に表現することに彼は長けている。 床を叩き苛立ちをぶつけ、怒りを抑えきれず相手に掴みかかる獰猛で荒々しい芝居。 包み込むように柔らかく、撫でるように優しいナレーション。 しなやかに美しく、力強く華麗に舞い踊る演技は勿論、ぎこちない、動けない、踊れない「出来ない」演技も違和感なく上手い。義足でバランスが取れず勢いよく何度も転ぶ場面は、芝居であることを忘れる程に生々しく痛々しかった。 幼い頃から習い身につけたバレエの技術や表現力に、特撮で鍛えられ会得したアクションや演技力、様々な現場で学び得た経験が加わり、新たな才能や更なる魅力が産み出されているようだ。 ダンサー御本人にも称賛された彼の演技、彼にしか出来ない芝居、描けない世界は本当に素晴らしいものだった。 彼はどこまで突き進み飛躍していくのだろう。 今後はどんな作品にどんなキャラクターで登場するのだろう。楽しみで仕方ない。
本編撮影終了後、続編の映画撮影や舞台上演と平行して色々な番組や作品に出演した彼は、そこでソウゴと年の近い高校生や若者を多数演じている。 繰り返す物語を終わらせる鍵となる、秘密を抱えた謎多き青年。 憧れの先輩を巡り恋敵達と張り合い、可愛らしさといじらしさを見せる後輩男子。 傷つきながらも、鬼気迫る表情と鋭い眼差しで激しく啖呵を切る不良少年。 甘える様にキスを迫り、強引にキスを迫られて微笑む魔性の高校生。 父親の恐ろしい思惑と残酷な計画に巻き込まれてしまう、悲劇の一族の末子。 短期間で沢山の全く異なる役を次々とこなす器用さ多才さにも驚くが、役柄一つ一つにしっかりと個性や魅力を持たせているところにも感心する。 全ての役に対し真正面から向き合い、自分の中に落とし込み深く理解し、キャラクターを一人の生きた人間として息づかせている。 ソウゴという一筋縄ではいかない複雑難解なキャラクターを見事に自分のものにして、魅力溢れる唯一無二の存在とした彼だからこそ出来る妙技だ。 業界に入り演技を学び、僅か1年半でこの域にまで達している役者はあまり見たことが無い。 本作放映終了から4ヶ月後、公開された冬映画に登場したソウゴは崇高な雰囲気と圧倒的な存在感を持つレジェンドだった。 舞台挨拶でもその溢れんばかりの色気は凄まじく、一人だけ別の世界に佇んでいるようだった。 彼が様々な現場で新たな経験を積み成長進化し続ける毎に、ソウゴというキャラクターも物語同様更なる高みへと昇っていく…そんな想像を掻き立てられて高揚感が高まった。 どんなに時間が掛かってもいい。 彼の原点とも言える常磐ソウゴという人物をぜひもう一度見せて欲しい。 彼とソウゴがどんな姿を見せてくれるのか。どのように振る舞い何を残してくれるのか。 いつの日か目にすることが出来たならこんなにも嬉しいことはない。
「彼を助けたい。支えたい。彼の為に何かをしてあげたい。そう思わせる何かを彼は持っている。」 一年間彼と共演した主要俳優陣が彼について語った言葉。 まるでソウゴに対する仲間達の想いそのものだ。 物語の中盤で仲間達と対立し孤独になっていくソウゴ(の芝居)を見て、製作陣は可哀想だと感じていたらしい。 役者同士の仲がとても良いだけに、ずっとギスギスした関係を演じなければならない彼を気の毒に思ったのだとか。 キャラクターと演者は別物。 それでも同一視して感情移入してしまうほどに、彼の演技は皆を強く惹き付けたのだろう。 彼自身の人間性や、一生懸命頑張る姿にも魅了されたのかもしれない。 物語はやがて仲間達が和解し、どんどん仲を深めていき、何度ぶつかっても離れても一緒に生きようとする展開になる。 実際の現場の雰囲気が自然とそうさせていった可能性も少なくない。 「役者になる為に高校を辞めた彼を、せめて物語の中だけでも卒業させてあげようと本編に卒業エピソードを入れた。」 「オーマジオウになりたい(演じたい)という彼の願いを汲んで、最終話で変身する展開になった。」 そんな裏話からも、彼が製作陣からとても愛され大切にされていたことが分かる。 (メインプロデューサーからは「彼のことを語り出したら止まらない」とまで言われるほど) 夏映画のメイキングでは、NGを出してしまった彼を共演したレジェンド俳優が抱きしめて「大丈夫だ」と励ます姿も見られる。 主役だからだけではない。 共演者からも製作陣からもここまで想われるのは、彼にしかない魅力や彼にしか出来ない何かがあるからだろう。 彼がソウゴを演じたからこそ、ソウゴが皆に愛され最高の王となる物語が生まれ、ソウゴを始めキャラクター達が愛され支持される素晴らしい作品が生まれたのだと思う。
中盤の大きな山を越えた後は、仲間達に囲まれて嬉しくて堪らない、楽しくて仕方が無い、そんな空気を感じられる。 誕生日を祝福されてはにかんだり、恋に浮き沈み涙したり、敵を欺きほくそ笑んだり…いつの間にか演技の引き出しが増えている。 おどけた口調や動作も多くなり、仲間達との掛け合いもテンポが良く見ていて飽きない。 しかし41話から一転、物語が大きく動き空気も一変する。 容赦無く振り回され追い詰められ、笑顔が消え、焦燥、苦悶、次第に疲弊していく姿には心が痛む。 終盤にかけて最も印象に残るのは「怒り」の演技。 激情に駆られ敵を叩きのめしたり、蔑んだり、怒号を浴びせたり…一人、また一人と身近な人達が奪われる度、これまで見せなかった怒りの感情を様々な形で見せる。 最終話の憤怒と絶叫は怒りというよりは嘆きに近い。 親友を奪われ悲痛の涙を流し覚悟を決め…大地を震わせる様に感情を爆発させる。 その間ずっと…心の中では泣いているように見える。 断末魔の叫びにも似た終焉の叫びは、あまりにも悲しく胸が張り裂けそうになる。 今でもあの光景が忘れられない。 最終話では「笑顔」も印象に残る。 死を予感した儚い笑み、希望を抱いた柔らかな笑み、大好きな仲間と一緒の幸せな笑み…どの笑顔にも色々な想いが込められているようで深みがあり美しい。 笑顔と言えば夏映画の最後で見せる笑顔も良い。 全てを取り戻し安堵したような満ち足りた笑みには、誰もが幸せな気持ちになれるような力がある。 こんなにも成長変化し、魅力的で可能性に満ちた俳優は近年でも稀な存在なのではないかと思う。 もっと彼の演技や芝居を見てみたい。 彼がどんな道を進みどんな世界を描くのか…これからも注目していきたい。
1話2話辺りはお世辞にも上手いとは言えない。 顔の綺麗な少年がいる。ただそれだけ。 これが回を増すごとにどんどん変化していく。 瞳の輝きが増して表情が明るく豊かになり、動きが大きくなり声にも張りが出て、辿々しい台詞回しが滑らかになってくる。 独特の存在感が出てくるのが9話。 眼差しと笑顔に狂喜や威圧が交じり始める。怖い。 ここから二人に増えたり(二役)、未来の自分を見て驚愕し激昂したり、ゲイツの激励を受け奮起したりと演技の幅が一気に広がっていく。 最初は演技力や存在感に大差のあった前作主人公達と、数ヶ月後の冬映画では並んでも全く見劣りしない程に成長しているのも凄い。 中盤は内面の葛藤や弱さや脆さが垣間見える繊細な演技が増えてくる。 この頃になると顔つきや体つきも大分変わり、複雑な表情を多く見せるようになる。 注目は21,22話。鏡の世界のもう一人の自分(二役)。顔が歪み目付きも鋭く、どう見ても別人にしか見えない。 予知した未来で息絶えたゲイツへ向ける、怒りを抑えた視線と口調も別人の様に冷淡で非情。恐い。 このまま徐々に魔王化していくのかと思いきや、一人ぼっちの小さく頼り無げな姿や切ない笑顔も覗かせてくる。辛い。 この辺りは物語も佳境で全く先が読めない怒涛の展開が続く為、こちらの感情は振り回されっぱなしになる。 そして27.28話。ずっと言えなかった胸の内をやっとの思いで打ち明ける姿がなんとも健気。意地らしい。 周り回って漸く普通の少年らしさを感じられるようになり、とても親しみが沸く。 他キャストの名演も光る名シーンの連続でから物語に一区切りが着く。 この時点で彼の演技力は相当高くなっており、ここまででも十分に成長、様変わりしたと言いきれる。 この後から暫く、喜びや嬉しさに溢れた愉しげな笑顔やコミカルな演技がどんどん増えていく。
ライダーの若手俳優…特に主役は一年間の過酷な撮影と過密なスケジュールで揉まれ大きく成長し変化すると言われるが、彼の場合それは規格外に劇的で、もはや別人レベル。顔つきや体格も見違える様に変わっていったが、演技力の上達スピードは尋常でなかった。 毎回レジェンドと呼ばれるゲスト俳優と共演し、往年のファンから多大な期待を寄せられ、多方面から注目を浴び話題にされ…例年以上に戦うモノ背負うモノが多かっただろう。プレッシャーやストレス、苦悩や葛藤も相当なものだったと思う。 それを表に出さず飄々と振る舞い、常に自信を持って笑顔を絶やさなかった彼の度胸と器の大きさにはただただ感服、脱帽する。 ソウゴという幼さも強かさも寂しさも恐ろしさも持ち合わせた複雑なキャラクターを、誰からも愛され誰もが王と認める存在足らしめたのは、彼の演技に対する真摯な姿勢と努力の結果に他ならない。 キャラクター性の強い演技も良いが、作り過ぎない自然な表情や笑顔、演技が上手い。声質も柔らかく耳障りが良い。(時折言葉が早く聞き取れなかったりするが、発声は悪くないので改善出来るだろう) 本編終了後の映画二作では、どちらも本編と全く異なるソウゴを演じている。 無邪気で明るく快活な少年らしいソウゴの演技も微笑ましいが、冬映画の虚しさと哀愁を漂わせながら色気を振り撒く魔性のソウゴの演技は、彼の底知れない技量を感じて震えた。 鏡の中の裏ソウゴもだが、爽やかな外見を覆す影のある黒い演技が彼は本当に上手い。 若いながら視野が広く、精神的に強く器用で多才。表情や演技に加えて髪型や服装が異なると、これまた別人のように雰囲気が変わるので、幅広く奥深い役柄を多数演じられるカメレオン俳優になって欲しい。
序盤からメキメキ演技力があがり、どんどん魅力的になりました。可愛らしさや美しさで魅せたかと思えば、得体の知れない不敵さや不気味さを醸し出し、儚く寂しげな表情を浮かべたかと思えば、張り裂けんばかりに慟哭する…その脅威的な成長力と吸収力はまさに魔王そのものです。まだまだ若く伸びる可能性があり、今後最も楽しみな俳優さんです。
付け足しで、めちゃくちゃカッコ良かったです♡ これから沢山ブレイクしてくれたら嬉しいな。 我が魔王!これからの成長を楽しみにしているよ。
演技の上達がすごかったです。 1話と最終話を比べてみて下さい。すごい成長でしたよ。 仮面ライダーの演技って難しそうですが、常盤ソウゴになりきっているのがすごいと思いました。
俳優をやるために高校を中退したという話はあまりに有名で、ジオウの中で高校の卒業証書を持っているシーンがあったのは、そんな奥野くんを思ってのスタッフの心遣いだったとか。それだけの気合いで挑んだ作品なので、1話と最終話では別人のように演技が上手くなってました。低い声でウォズに「祝え」と強要したときの言い方は威厳たっぷりで素敵でした。
キャラクターの明るい部分と暗い部分をうまく演じられていると思います。また、最後には誰からも愛されるキャラクターがすごく自然に出ていて、違和感が無いところが良いです。変身シーンでは、自分の特技を活かした変身ポーズをするなど、本人とキャラクターを上手くマッチングさせている印象があります。
最初は頼りない感じでしたが、一年を通して同じ役を演じたせいか、十代とは思えない堂々とした演技をするようになりました。ドラマの中でもいろいろなことがあって少しずつ成長していくのですが、現実でも随分顔つきが変わってきたなと感じます。ドラマも残り最終回を残すのみとなり、ボロボロになりながらも仲間や人々のために戦う姿にキュンキュンしっぱなしです。
最初はただ単に「王様になる!」という夢だったけれども、今は「最高最善の王様になる」という夢に変わって、それを一貫して突き進んでる姿にとても勇気づけられる。人は大人になるにつれて、正しい・最善のことを分かっていてもできなかったり、行動を起こせなかったりするからソウゴ君の言葉・行動にハッとさせられることが多々ある。
やはり放送開始当時は仮面ライダー俳優らしく演技が下手だなと思ってみていた。しかし、回を追うごとに演技が上達していったように思える。映画で、前作の俳優と共演した時も、見劣りしなかったし、現在も右肩上がりだと思う。引き込まれるような演技がいい。
若手の登竜門と言われるジュノンボーイ出身の俳優さんだけあって、可愛い笑顔をしています。演技は、まだまだですが、初々しさがあります。シリアスな場面より、ちょっとボケるような場面の演技が上手です。バレエをやっていただけあって、凛とした印象で、チャラチャラしていないので、良いと思います。
ジュノンボーイ受賞歴もある奥野くん。主演に抜擢ということでどのような演技力の持ち主かと思って観ていたが、想像以上に良かった。 仮面ライダー俳優にありがちな少々棒読み加減なところは否めないが、表情や動きはさすが特技がクラシックバレエであるだけある。 甘めなフェイスなので、今後も様々な役での活躍が期待できる。
初めてみた時は若手の俳優なだけあって演技の方は頑張ってるなー。という印象で演技がうまい訳ではないな。と思ってたけど話が進むにつれて演技が段々と上達していって今では本当に王様になるんじゃないか。と思うぐらい!変身のシーンも今では様になっていて役が染みついてきたような感じ!
初回の放送、本当に下手すぎてびっくりした。 棒読みな俳優さんはいるけど、こんなにすごい棒読みがあるのかと本気で驚いた。 放送していいのかと思ったくらい。 けど、だいぶ上手になったよね!成長したなぁってほほえましい気持ちで見てます。
初々しく、とにかく笑顔が爽やかで可愛い。 歴代のオリジナルキャストが毎回出てきても全く霞まない存在感。 肝がすわっている。 ただでさえジオウは記念作という事もあり情報量が多く内容が濃い中、 目まぐるしいスケジュールかと思うが、一年かけて成長が楽しみ。
まだ数回の放送だからかもしれないが、新人なだけあって演技はまだまだというのと棒読みな感じで初々しい感じもするけど他の人が演技していると浮く感じが否めない。普段パートも吹き替えパートはもっと感情があると良いかなと思う。
若くてイケメンなのに、なぜか存在感が薄いです。むしろ、ゲイツやツクヨミのほうが存在感があります。イマイチ個性がなく、「王様になりたい。」と言うセリフに説得力が感じられず、上滑りしているような気がします。まだ人としての厚みが足りないと思いました。
特に、鏡の中の自分とのシーンの演技は、素晴らしかったと思います。それまで、どちらかといえば飄々とした感じだったソウゴが、急に悪い表情を見せ、こんな表情もできるんだと、ちょっとドキッとしました。
また終始、とても自然な演技で、ゲイツが死んだ時の泣きのシーンなど、心打たれるものがありました。今後の出演作品を見るのが楽しみです。近いうちにブレイクされるのを期待しています!
世界の平和を守ってきたヒーローが、家庭や家族を守るヒーローに。
特撮出身の俳優達が、主夫となって家庭を支えるオムニバスドラマが配信され、彼もその一人として出演している。
演じる役は、年上のキャリアウーマンを支える若い夫。結婚生活も主夫歴もまだ短く、仕事熱心で行動派な妻を助けようと献身的に尽くしているが、その素直さ健気さを妻の仕事に利用され、言われるがままに振り回されてしまっている。
妻の為に料理を作っても、偽りのリアクションをとられたあげく、殆んど食べてもらえない。
朝から綺麗に身なりを整え、朝食をしっかり準備しても、普通すぎてつまらないと却下されてしまう。
冷たい反応も厳しい評価も、波瑠、という名の青年は静かに受け入れる。
驚き傷つき動揺し、瞳が震え表情が陰り、力無く肩を落とし暗く沈みながらも、言葉を飲み込みじっと耐える。
全ては動画配信の仕事に精を出す妻の為。閲覧数が伸びることで仕事を認めてもらえる、と目を輝かせる彼女の為。
餃子のロシアンルーレットも、手の込んだ朝食の支度も、カップルヨガも、裸エプロンも、全て愛する人の為。毎度笑顔を作り、一生懸命撮影に協力している。
苦しい。辛い。夫どころか人として扱われているのかさえ疑問に思う程の不憫さに、涙が出そうだ。
色々な格好や珍しい姿を見られたことは嬉しいが、物語の中ではこんな裏事情があったのかと思うと、素直に喜べない。
とうとうエスカレートする要求に耐えきれず、感情を爆発させてしまったが、それは怒りからくるものではなく、悲しみからくるもの。誰かに見せる為じゃない、彼女の喜ぶ顔が見たくて主夫をしているのに、自分は仕事の一部でしかないのか、と。
気を遣っていたからか、気圧されしていたからか、思ったことをうまく口に出来ない、思うように言葉が出てこない、そんな様子だった波瑠の激しい感情の吐露。
「俺のこと…もう好きじゃなくなった?」
今にも泣き出しそうな顔と声に、胸を抉られる。捨てられそうな子犬の様に潤んだ瞳が、心臓に突き刺さる。痛い。
初めての喧嘩で家を飛び出した波瑠は、仕事をしている彼女に惚れ込み、そんな彼女を守り支えたいと願い、結婚を申し込み主夫となった過去を思い出す。
言いなりになっているのではなく、好きだからこそ彼女の為に何でもしてあげたい、その為に主夫になったのだと再認識する。
居酒屋でアルバイトをしている場面では、まだ少年の様にあどけなく、彼女よりもずっと幼く見える。
けれどプロポーズをする場面では、もう少年ではなく、強い意志と想いを抱いた責任感のある男性となり、年齢も彼女にぐっと近づいたように感じる。
そして主夫となり妻と並んだ場面では、穏やかな優しさの中に、家庭的な温かさ柔らかさを滲ませ、妻との精神的な年齢差は、殆んど無くなっていることが分かる。
状況の変化に合わせて、波瑠自身も成長し変化していることを、何気ない視線や表情、口調や声色、雰囲気や間合いの違いで、細やかに表現しているのが素晴らしい。
妻の謝罪や反省もあり、彼も自分の考えや気持ちを伝え、無事に和解することが出来た展開は良かったが、それすらも映像作品として公開してしまった結末は、正直残念な気がした。
一度引き受けてしまった仕事は簡単には断れない、という現実を表しているのか。捏造や誇張の無い自然体な映像ならば良し、と判断されたのか。
これは美味しいかも、なんて妻やスタッフが密かに思い公開に至った、なんて裏事情だけは無いと信じたい。
(それでは最後の和解場面がただの茶番になってしまい、感動が台無しになってしまう。)
彼の演じる役柄には、人生の一部を切り取って垣間見せるような演出や展開が多く出てくる。
彼の作りすぎない、飾りすぎない、繊細で丁寧な役づくりと演技、様々な部分や一面を隠さずに自然に見せる芝居は、役柄の人物が本当に存在していて、自分達と同じ様に悩み迷いながらも奮闘し、日々を必死に生きている様に感じさせてくれる。
それにより物語が絵空事ではなく、実際の出来事の様に現実味を帯び、作品の主題や主張が他人事ではなく、誰にでも有り得る身近なものとして強く伝わり、深く考えさせられる切っ掛けになる。
今回の主夫、という役柄も夢物語などではなく、新しい人生の選択肢であり家庭の形、家族の在り方なのだと、彼の演技と芝居を通じて学び知ることが出来た。
実際に同じ様な状況や立場にいる方ならば、背中を押され、より多くの勇気や希望を得られることだろう。
サービスショットの一環なのかもしれないが、個人的にはサウナのシーンも気に入っている。夫や父親という仮面や鎧を文字通り脱ぎ去り、本当の自分に戻れる瞬間、場所があるという、ドラマとしても現実的な意味合いとしても、非常に良い設定だ。
彼の鍛え上げられ引き締まった男性らしい体にも驚く。無駄なものを一切削ぎ落としたような肉体を見ると、芸術性を極めんとするダンサーや、己を厳しく律するアスリート等、アクションを中心とした役柄も、また是非見てみたくなる。
最新作公開と時を同じくして、彼の出演する作品が次々に公開されている。
与えられた役割を演じながら、時間内に殺人事件の真犯人を推理する。それを生舞台の生配信、台本無しの即興で行う。
想像しただけでも、緊張と重圧で息が詰まり卒倒してしまいそうだ。そんなとてつもない大舞台に、彼は参戦していた。しかも人生初の即興劇。テスト無しの一発勝負。
始めは若干緊張しているように見えたが、すぐに舞台に溶け込み、ベテランの役者陣にも引けを取らない堂々とした立ち回りで、しっかりと個性と存在感を際立たせていた。
徹底して役柄に入り込みながら、舞台の空気や相手の芝居をよく読み、冷静に鋭く切り込んだり、逆に追い詰められて涙目になったり、緊張感と臨場感に包まれる中、現実味のある素晴らしい演技で物語に引き込んでいた。
舞台に上がる前も、舞台から捌けた幕間でも、彼はずっと役に入り込んだまま。ショックを隠しきれず軽いパニック状態の中、心を落ち着かせようと冷静に思考を巡らせる。秘密が明かされてしまうことに怯え、惑い、悩みながらも、現状を打破しようと必死にもがく。
精神的に追い込まれていく姿は小動物の様にか弱く、可哀想で胸が痛くなる。
同時に、役が抜けない、役柄のままずっと振る舞い続けている、その途切れることのない集中力に震撼する。
(ネタバレ厳禁の為、物語の真相、内容、展開、結末についての詳細は語れないが…ひょっとしたら、彼の本気で思い悩み苦しんでいるような迫真の演技、役柄に憑依されて一体化してしまったような渾身の芝居こそが、衝撃の展開を引き起こしてしまったのではないだろうか。あまりにも現実味がありすぎて、相手に脅威を抱かせてしまったのかもしれない…)
最初から最後まで、気を抜けない、目が離せない、手に汗握る刺激的な作品で、彼の強靭な精神力、集中力と演技力の高さに、改めて感動し恐れ入った。
「お芝居は生物(ナマモノ)」と特撮時代に先輩俳優から教わり、今でもそれを大切にしている彼と、即興劇や舞台作品はとても相性が良さそうに見える。
ドラマや映画等の映像作品も素晴らしいが、舞台作品でも彼は大きな功績を残せるに違いない。
新作配信最終話。強烈な個性のソウゴ達が更に増えた。
坊主頭に学ランのソウゴDは、傍若無人な不良学生。ソウゴEに絡んだり、逃げる生徒に暴行恐喝したり、破壊者に喧嘩上等とばかりに突っ込んでいったり、やりたい放題。変身も暴走族風で、横暴だがどこか嬉々としていて楽しそうに見える。
ゆるふわ髪にベストのソウゴEは、自転車籠にテディベアを乗せて登場。テディベアのショルダーバッグを提げ、常にテディベアを抱きしめ、変身にもテディベアを使用。繊細で内気なように見えたが、意外にも好戦的。人見知りでやや神経質な性格の可能性も。
前回以上に、同じ人間が演じているようには見えない。其々のソウゴ達の世界観がまるで違う。演技の振り幅が大きすぎて、別の人間としか認識出来ない。ほぼ同じ時間に次々と着替えて撮影されたというのだから、演じ分けといいその切り替えの速さといい、驚異だ。
二話の途中からソウゴ同士が入れ替わっていた、という衝撃の事実も冒頭で明かされる。
改めて見直してみると、ソウゴAに成り済ましていたソウゴCは、動きも乱雑で笑顔に含みもあって怖い。
ソウゴCを装っていたソウゴAは、少し緊張気味の表情や声音で、関西弁に独特の癖が無い。
比較すると両者の違いがはっきりと分かり、種明かしも相まって驚嘆する。
もう一つのスピンオフでは、最早人間ですらない。本編で馴染みのある流麗な変身が機械らしく硬質な動作に変更されていて、本当に細かい。
たった一人で一体何人のソウゴを演じているのだろう。まだまだいくらでも演じ分けられそうだ。凄すぎてもう言葉が見つからない。
今回登場した個性豊かなソウゴ達一人一人の日常生活や戦闘場面を、じっくりと観てみたい。
ソウゴ達皆が一堂に会して話したり戯れたりしている様子を、延々と眺めていたい。
そんな風に思える程、どのソウゴ達も生き生きと輝いていて、意外性もあり魅力的だった。
そんな中でも、やはりソウゴAが一番愛しく思える。
本編からずっと目にしてきて愛着があるからなのは勿論のこと、彼の俳優デビューと共に生まれ、彼の努力と試行錯誤によって作り上げられ、彼の成長と進化を体現するかのようにキャラクターとしても大きく飛躍した、彼の分身とも言うべき存在だからだ。
ところで今作のソウゴは、作中でジオウとも王様とも魔王とも呼ばれていない。
(ウォズだけが「我が魔王」と呼ぶ)
ずっとソウゴか、常磐ソウゴと呼ばれている。変身もするし王様になりたいという夢もあるが、ソウゴにはもう「括り」や「縛り」は無いのかもしれない。
それは彼にも言えること。彼がこれからどんな作品のどんな役柄を演じ、どのような俳優となってどのように人生を歩んでいくのか、全ては彼の自由だ。
「王様」に囚われることなく、自らの望む幸せな未来を目指すソウゴのように、彼も心の赴くままに、自らの信じる好きな道を心から楽しんで歩んで欲しい。
彼ならばどんな道であっても、素晴らしい感覚と才能を活かして輝けるだろう。
新作の配信が始まり二話まで見終えた。
沢山のソウゴ達の細かい演じ分けと作り込みに驚愕している。何度見ても同一人物が演じているとは思えない。顔のそっくりな演者達を集めて撮影したようにしか見えない。
本編ソウゴに最も近いソウゴAは、異常事態に対する困惑や疲弊からか本編よりも控えめで消極的。魔性よりも善性が強く、皆を元気づけようと1人祭りの準備をしたり、内気な生徒を気遣ったり、誰かを蹴落としてまで王になることを望まなかったり、常に思いやりと優しさに満ちている。
キャップに派手なシャツのソウゴBは、クラブでDJをしている予告からノリの軽い若者を想像していたが、実際は静かに闘志を燃やす男気溢れる青年。生徒会長らしく強いリーダーシップを持ち、自信家で逞しく頼もしい。女性を贔屓したり恋人の投げキッスで変身したりと情熱的な面もある。
眼鏡に関西弁のソウゴCは、クールでインテリ風な優等生と思いきや、本性はずる賢く卑怯な手段も平然と使う策士。人を見下しているような節があり、相手を騙し貶めることに何の躊躇も無い。賄賂で買収したり別次元の自分だろうと本気で攻撃したりと容赦ない。
ピンクのマッシュルームヘアのソウゴFは、破壊者に車で散々追い回されたあげく呆気なく倒されてしまう。訳もわからず混乱状態のまま撃破されてしまい可哀想だった。
其々のソウゴ達は皆、視線や表情、歩き方や立ち方、身体の動かし方、姿勢や座り方、声の高さや出し方、醸し出す雰囲気、1つ1つが全て違う。目の開き方まで違う徹底ぶり。凄すぎる。
別人ではあるのだが、ソウゴであることには違いない為、本編のソウゴを彷彿とさせるような部分も所々見え隠れする。
ソウゴBのドスを効かせたような口調や睨み付けるような目つきは、終盤で沸々と怒りを溜めていたソウゴを思い起こさせる。
ソウゴCのソウゴAを倒した後の冷たい目線と言葉からは、冷静に物事を見据え魔王の片鱗を覗かせていたソウゴが思い浮かぶ。
必死で逃げ回るソウゴFは、初回や劇場版でゲイツに追われ逃げ惑っていたソウゴと重なるものがある。
登場こそ突然ではあるが、ソウゴ達一人一人には深みや重みがあり、別の次元でしっかりと生きてきたであろう歴史やドラマ性が感じられる。
新たに登場したソウゴ達、もう1つのスピンオフにいるソウゴは一体どんなソウゴなのか。どのように作りあげ、どんな風に演じ分けたのか。
早く見てみたい。
新作の情報解禁に合わせるかのように、某番組の再現ドラマで、彼は久し振りに高校生役を演じていた。
明朗快活で人懐こい雰囲気と笑顔が魅力的な男子高校生。一見爽やかな好青年に見えるが、少し風変わりな一面がある。
好意を寄せられると距離をおきたくなってしまう。仲の良い同級生女子とも親友にはなりたいが、恋愛関係にはなりたくない。理由は本人にも分からない。
「王様になりたい」「君を王室の○○に任命する」なんて言っていたソウゴも相当な変わり者だったが、この男子もなかなかの曲者だ。
そんな彼に密かに想いを寄せていた女子生徒は、彼を気遣い本心を隠して接してきた。しかし気持ちを抑えきれず、とうとう思いの丈をぶつけてしまう。
すると、まるで精巧に作られた仮面が剥がれ落ち崩れていくように、彼の顔つきがみるみる変わっていく。
彼女の勢いに圧倒され、狼狽えているようにも見える。彼女の苦悩と悲哀を知り、申し訳無さに心を痛めているようにも見える。自分の非を指摘され過ちを責め立てられ、深く傷ついているようにも見える。
彼女の言葉が彼に衝撃と変化をもたらしたであろうことが、揺れ動く視線や表情の激変から察せられる。
たった数秒間の表情のみの芝居。ほんの僅かな一瞬の演技で一気に引き込み、人物と物語に深さや重みを与え、現実味のあるものへと変える見事な表現だ。
消え入りそうなか細い声での謝罪。去っていこうとする彼女を背後から強く抱き締める姿。震えるように弱々しく紡がれる告白。
照れ隠しだったのか、自信が無かったのか、失うかもしれない怖さですがりつくような思いだったのか。
掴み所が無く自由奔放で自分勝手なように見えて、幼く脆く臆病な一面も持ち合わせていることが垣間見える繊細な芝居。
頑なに恋愛を拒んでいた理由は明かされなかったが、何かしら事情があったのではないか、そんな憶測をしてしまう。
(恋愛にあまり興味が無かったのか、心理的要因等から恋愛に対し嫌悪感や拒絶感があったのか、関係性が変わることへの躊躇や恐怖があったのか…モデルになった実在の人物が存在する以上あまり詮索は出来ない…)
彼女が素直に心を打ち明け誠実に対応したことで、彼も自分の本心を知り大切なものが何かを理解し、新たな一歩を踏み出すことが出来た。
ソウゴを気遣うあまりずっと踏み込めなかった大叔父が初めてソウゴを叱り、それを受けて意を決し初めて本心を告げるソウゴの姿が重なり、目頭が熱くなった。
理解されにくく誤解を招きやすいけれど、ソウゴや今回の男子のように様々な事情や特別な何かを秘めている人物は現実社会でも多く存在する。
彼が役柄に寄り添い心を込めて大切に演じるからこそ、そういった人物にも愛嬌や親しみが生まれ、感情移入がしやすくなり応援したい気持ちになれる。
新たに登場するソウゴ達にもきっと其々に唯一無二の魅力があり、予想を覆す何かがあるのだろう。楽しみだ。
常磐ソウゴが帰ってくる。
今度は7人に増えるらしい。
主体となる本編後のソウゴ以外は、容姿も性格も全く異なる別人の模様。
つまり1人7役というとんでもない挑戦だ。
(1人で多数の憑依された別人格を演じていた先輩ライダーもいたが…そのオマージュだろうか…)
一年弱という短期間にも関わらず数多くの現場で様々な役柄を演じ、幅広い演技力に更に磨きをかけた彼だからこそ出来る芸当だろう。
彼が製作陣から高く評価され、熱い期待と絶対的な信頼を寄せられ、深く愛されていることが実によく分かる。
(彼の存在ありきで企画制作されたであろう設定や内容を見ても、製作陣が皆ウォズ張りに彼自身に惚れ込んでいる熱烈なファンとしか思えない)
何はともあれ再びソウゴに会えること、彼の新しい演技と芝居を存分に楽しめることには感謝してもしきれない。
スタッフと彼には心から御礼を申し上げたい。
来月が今から待ち遠しい。
最終回目前、夏映画も兼ねて出演したラジオ番組で今後の抱負を聞かれた彼は、もう一度バレエをやりたいと語っていた。
その宣言通り、今秋放送された実在するバレエダンサーの半生を描いた再現ドラマで、彼は主人公を演じていた。
それは煌びやかなバレエの世界の話ではなかった。片足を失い夢を奪われたダンサーが絶望の底から希望を見出だし、挫折を乗り越え這い上がっていく壮絶な再起の物語だった。
バレエと出会い目を輝かせ憧れを抱き、戸惑いながらも少しずつ練習を重ね上達し、夢に向かって歩み始めた矢先のまさかの悲劇。
それでも諦めず義足をつけて稽古場へ通い、思い通りに動けずに悔し涙を流し、なんとかオーディションに参加するも結果は…
苦痛に苛まれ屈辱にまみれながら、地を這うように体を引き摺り舞台から去る姿。
明るく華やかな舞台の裏、暗闇の中で一人号泣する姿。
非情で残酷な場面に涙が溢れた。
ふと脳裏を過ったのは、ソウゴが序盤で背を向けたまま夢を諦めると告げた場面。
中盤で仲間達が去り、荒野に一人取り残されてしまう場面。
終盤改変された世界で、皆に敵視され身も心も傷つき弱音を漏らす場面。
夏映画で夢も自分の存在意義さえも全て奪われ、檻の中から怒りを露に叫ぶ場面。
普段はあまり負の感情を表に出さないソウゴが、大切なモノを無くして独りぼっちになり悲しさ淋しさ悔しさを滲ませていた場面を思い出した。
人の脆く弱い部分、惨めで情けない一面、崩れ壊れてしまいそうな儚い瞬間等、不器用で繊細な精神や心情をありのまま飾らずに自然に表現することに彼は長けている。
床を叩き苛立ちをぶつけ、怒りを抑えきれず相手に掴みかかる獰猛で荒々しい芝居。
包み込むように柔らかく、撫でるように優しいナレーション。
しなやかに美しく、力強く華麗に舞い踊る演技は勿論、ぎこちない、動けない、踊れない「出来ない」演技も違和感なく上手い。義足でバランスが取れず勢いよく何度も転ぶ場面は、芝居であることを忘れる程に生々しく痛々しかった。
幼い頃から習い身につけたバレエの技術や表現力に、特撮で鍛えられ会得したアクションや演技力、様々な現場で学び得た経験が加わり、新たな才能や更なる魅力が産み出されているようだ。
ダンサー御本人にも称賛された彼の演技、彼にしか出来ない芝居、描けない世界は本当に素晴らしいものだった。
彼はどこまで突き進み飛躍していくのだろう。
今後はどんな作品にどんなキャラクターで登場するのだろう。楽しみで仕方ない。
本編撮影終了後、続編の映画撮影や舞台上演と平行して色々な番組や作品に出演した彼は、そこでソウゴと年の近い高校生や若者を多数演じている。
繰り返す物語を終わらせる鍵となる、秘密を抱えた謎多き青年。
憧れの先輩を巡り恋敵達と張り合い、可愛らしさといじらしさを見せる後輩男子。
傷つきながらも、鬼気迫る表情と鋭い眼差しで激しく啖呵を切る不良少年。
甘える様にキスを迫り、強引にキスを迫られて微笑む魔性の高校生。
父親の恐ろしい思惑と残酷な計画に巻き込まれてしまう、悲劇の一族の末子。
短期間で沢山の全く異なる役を次々とこなす器用さ多才さにも驚くが、役柄一つ一つにしっかりと個性や魅力を持たせているところにも感心する。
全ての役に対し真正面から向き合い、自分の中に落とし込み深く理解し、キャラクターを一人の生きた人間として息づかせている。
ソウゴという一筋縄ではいかない複雑難解なキャラクターを見事に自分のものにして、魅力溢れる唯一無二の存在とした彼だからこそ出来る妙技だ。
業界に入り演技を学び、僅か1年半でこの域にまで達している役者はあまり見たことが無い。
本作放映終了から4ヶ月後、公開された冬映画に登場したソウゴは崇高な雰囲気と圧倒的な存在感を持つレジェンドだった。
舞台挨拶でもその溢れんばかりの色気は凄まじく、一人だけ別の世界に佇んでいるようだった。
彼が様々な現場で新たな経験を積み成長進化し続ける毎に、ソウゴというキャラクターも物語同様更なる高みへと昇っていく…そんな想像を掻き立てられて高揚感が高まった。
どんなに時間が掛かってもいい。
彼の原点とも言える常磐ソウゴという人物をぜひもう一度見せて欲しい。
彼とソウゴがどんな姿を見せてくれるのか。どのように振る舞い何を残してくれるのか。
いつの日か目にすることが出来たならこんなにも嬉しいことはない。
「彼を助けたい。支えたい。彼の為に何かをしてあげたい。そう思わせる何かを彼は持っている。」
一年間彼と共演した主要俳優陣が彼について語った言葉。
まるでソウゴに対する仲間達の想いそのものだ。
物語の中盤で仲間達と対立し孤独になっていくソウゴ(の芝居)を見て、製作陣は可哀想だと感じていたらしい。
役者同士の仲がとても良いだけに、ずっとギスギスした関係を演じなければならない彼を気の毒に思ったのだとか。
キャラクターと演者は別物。
それでも同一視して感情移入してしまうほどに、彼の演技は皆を強く惹き付けたのだろう。
彼自身の人間性や、一生懸命頑張る姿にも魅了されたのかもしれない。
物語はやがて仲間達が和解し、どんどん仲を深めていき、何度ぶつかっても離れても一緒に生きようとする展開になる。
実際の現場の雰囲気が自然とそうさせていった可能性も少なくない。
「役者になる為に高校を辞めた彼を、せめて物語の中だけでも卒業させてあげようと本編に卒業エピソードを入れた。」
「オーマジオウになりたい(演じたい)という彼の願いを汲んで、最終話で変身する展開になった。」
そんな裏話からも、彼が製作陣からとても愛され大切にされていたことが分かる。
(メインプロデューサーからは「彼のことを語り出したら止まらない」とまで言われるほど)
夏映画のメイキングでは、NGを出してしまった彼を共演したレジェンド俳優が抱きしめて「大丈夫だ」と励ます姿も見られる。
主役だからだけではない。
共演者からも製作陣からもここまで想われるのは、彼にしかない魅力や彼にしか出来ない何かがあるからだろう。
彼がソウゴを演じたからこそ、ソウゴが皆に愛され最高の王となる物語が生まれ、ソウゴを始めキャラクター達が愛され支持される素晴らしい作品が生まれたのだと思う。
中盤の大きな山を越えた後は、仲間達に囲まれて嬉しくて堪らない、楽しくて仕方が無い、そんな空気を感じられる。
誕生日を祝福されてはにかんだり、恋に浮き沈み涙したり、敵を欺きほくそ笑んだり…いつの間にか演技の引き出しが増えている。
おどけた口調や動作も多くなり、仲間達との掛け合いもテンポが良く見ていて飽きない。
しかし41話から一転、物語が大きく動き空気も一変する。
容赦無く振り回され追い詰められ、笑顔が消え、焦燥、苦悶、次第に疲弊していく姿には心が痛む。
終盤にかけて最も印象に残るのは「怒り」の演技。
激情に駆られ敵を叩きのめしたり、蔑んだり、怒号を浴びせたり…一人、また一人と身近な人達が奪われる度、これまで見せなかった怒りの感情を様々な形で見せる。
最終話の憤怒と絶叫は怒りというよりは嘆きに近い。
親友を奪われ悲痛の涙を流し覚悟を決め…大地を震わせる様に感情を爆発させる。
その間ずっと…心の中では泣いているように見える。
断末魔の叫びにも似た終焉の叫びは、あまりにも悲しく胸が張り裂けそうになる。
今でもあの光景が忘れられない。
最終話では「笑顔」も印象に残る。
死を予感した儚い笑み、希望を抱いた柔らかな笑み、大好きな仲間と一緒の幸せな笑み…どの笑顔にも色々な想いが込められているようで深みがあり美しい。
笑顔と言えば夏映画の最後で見せる笑顔も良い。
全てを取り戻し安堵したような満ち足りた笑みには、誰もが幸せな気持ちになれるような力がある。
こんなにも成長変化し、魅力的で可能性に満ちた俳優は近年でも稀な存在なのではないかと思う。
もっと彼の演技や芝居を見てみたい。
彼がどんな道を進みどんな世界を描くのか…これからも注目していきたい。
1話2話辺りはお世辞にも上手いとは言えない。
顔の綺麗な少年がいる。ただそれだけ。
これが回を増すごとにどんどん変化していく。
瞳の輝きが増して表情が明るく豊かになり、動きが大きくなり声にも張りが出て、辿々しい台詞回しが滑らかになってくる。
独特の存在感が出てくるのが9話。
眼差しと笑顔に狂喜や威圧が交じり始める。怖い。
ここから二人に増えたり(二役)、未来の自分を見て驚愕し激昂したり、ゲイツの激励を受け奮起したりと演技の幅が一気に広がっていく。
最初は演技力や存在感に大差のあった前作主人公達と、数ヶ月後の冬映画では並んでも全く見劣りしない程に成長しているのも凄い。
中盤は内面の葛藤や弱さや脆さが垣間見える繊細な演技が増えてくる。
この頃になると顔つきや体つきも大分変わり、複雑な表情を多く見せるようになる。
注目は21,22話。鏡の世界のもう一人の自分(二役)。顔が歪み目付きも鋭く、どう見ても別人にしか見えない。
予知した未来で息絶えたゲイツへ向ける、怒りを抑えた視線と口調も別人の様に冷淡で非情。恐い。
このまま徐々に魔王化していくのかと思いきや、一人ぼっちの小さく頼り無げな姿や切ない笑顔も覗かせてくる。辛い。
この辺りは物語も佳境で全く先が読めない怒涛の展開が続く為、こちらの感情は振り回されっぱなしになる。
そして27.28話。ずっと言えなかった胸の内をやっとの思いで打ち明ける姿がなんとも健気。意地らしい。
周り回って漸く普通の少年らしさを感じられるようになり、とても親しみが沸く。
他キャストの名演も光る名シーンの連続でから物語に一区切りが着く。
この時点で彼の演技力は相当高くなっており、ここまででも十分に成長、様変わりしたと言いきれる。
この後から暫く、喜びや嬉しさに溢れた愉しげな笑顔やコミカルな演技がどんどん増えていく。
ライダーの若手俳優…特に主役は一年間の過酷な撮影と過密なスケジュールで揉まれ大きく成長し変化すると言われるが、彼の場合それは規格外に劇的で、もはや別人レベル。顔つきや体格も見違える様に変わっていったが、演技力の上達スピードは尋常でなかった。
毎回レジェンドと呼ばれるゲスト俳優と共演し、往年のファンから多大な期待を寄せられ、多方面から注目を浴び話題にされ…例年以上に戦うモノ背負うモノが多かっただろう。プレッシャーやストレス、苦悩や葛藤も相当なものだったと思う。
それを表に出さず飄々と振る舞い、常に自信を持って笑顔を絶やさなかった彼の度胸と器の大きさにはただただ感服、脱帽する。
ソウゴという幼さも強かさも寂しさも恐ろしさも持ち合わせた複雑なキャラクターを、誰からも愛され誰もが王と認める存在足らしめたのは、彼の演技に対する真摯な姿勢と努力の結果に他ならない。
キャラクター性の強い演技も良いが、作り過ぎない自然な表情や笑顔、演技が上手い。声質も柔らかく耳障りが良い。(時折言葉が早く聞き取れなかったりするが、発声は悪くないので改善出来るだろう)
本編終了後の映画二作では、どちらも本編と全く異なるソウゴを演じている。
無邪気で明るく快活な少年らしいソウゴの演技も微笑ましいが、冬映画の虚しさと哀愁を漂わせながら色気を振り撒く魔性のソウゴの演技は、彼の底知れない技量を感じて震えた。
鏡の中の裏ソウゴもだが、爽やかな外見を覆す影のある黒い演技が彼は本当に上手い。
若いながら視野が広く、精神的に強く器用で多才。表情や演技に加えて髪型や服装が異なると、これまた別人のように雰囲気が変わるので、幅広く奥深い役柄を多数演じられるカメレオン俳優になって欲しい。
序盤からメキメキ演技力があがり、どんどん魅力的になりました。可愛らしさや美しさで魅せたかと思えば、得体の知れない不敵さや不気味さを醸し出し、儚く寂しげな表情を浮かべたかと思えば、張り裂けんばかりに慟哭する…その脅威的な成長力と吸収力はまさに魔王そのものです。まだまだ若く伸びる可能性があり、今後最も楽しみな俳優さんです。
付け足しで、めちゃくちゃカッコ良かったです♡
これから沢山ブレイクしてくれたら嬉しいな。
我が魔王!これからの成長を楽しみにしているよ。
演技の上達がすごかったです。
1話と最終話を比べてみて下さい。すごい成長でしたよ。
仮面ライダーの演技って難しそうですが、常盤ソウゴになりきっているのがすごいと思いました。
俳優をやるために高校を中退したという話はあまりに有名で、ジオウの中で高校の卒業証書を持っているシーンがあったのは、そんな奥野くんを思ってのスタッフの心遣いだったとか。それだけの気合いで挑んだ作品なので、1話と最終話では別人のように演技が上手くなってました。低い声でウォズに「祝え」と強要したときの言い方は威厳たっぷりで素敵でした。
キャラクターの明るい部分と暗い部分をうまく演じられていると思います。また、最後には誰からも愛されるキャラクターがすごく自然に出ていて、違和感が無いところが良いです。変身シーンでは、自分の特技を活かした変身ポーズをするなど、本人とキャラクターを上手くマッチングさせている印象があります。
最初は頼りない感じでしたが、一年を通して同じ役を演じたせいか、十代とは思えない堂々とした演技をするようになりました。ドラマの中でもいろいろなことがあって少しずつ成長していくのですが、現実でも随分顔つきが変わってきたなと感じます。ドラマも残り最終回を残すのみとなり、ボロボロになりながらも仲間や人々のために戦う姿にキュンキュンしっぱなしです。
最初はただ単に「王様になる!」という夢だったけれども、今は「最高最善の王様になる」という夢に変わって、それを一貫して突き進んでる姿にとても勇気づけられる。人は大人になるにつれて、正しい・最善のことを分かっていてもできなかったり、行動を起こせなかったりするからソウゴ君の言葉・行動にハッとさせられることが多々ある。
やはり放送開始当時は仮面ライダー俳優らしく演技が下手だなと思ってみていた。しかし、回を追うごとに演技が上達していったように思える。映画で、前作の俳優と共演した時も、見劣りしなかったし、現在も右肩上がりだと思う。引き込まれるような演技がいい。
若手の登竜門と言われるジュノンボーイ出身の俳優さんだけあって、可愛い笑顔をしています。演技は、まだまだですが、初々しさがあります。シリアスな場面より、ちょっとボケるような場面の演技が上手です。バレエをやっていただけあって、凛とした印象で、チャラチャラしていないので、良いと思います。
ジュノンボーイ受賞歴もある奥野くん。主演に抜擢ということでどのような演技力の持ち主かと思って観ていたが、想像以上に良かった。
仮面ライダー俳優にありがちな少々棒読み加減なところは否めないが、表情や動きはさすが特技がクラシックバレエであるだけある。
甘めなフェイスなので、今後も様々な役での活躍が期待できる。
初めてみた時は若手の俳優なだけあって演技の方は頑張ってるなー。という印象で演技がうまい訳ではないな。と思ってたけど話が進むにつれて演技が段々と上達していって今では本当に王様になるんじゃないか。と思うぐらい!変身のシーンも今では様になっていて役が染みついてきたような感じ!
初回の放送、本当に下手すぎてびっくりした。
棒読みな俳優さんはいるけど、こんなにすごい棒読みがあるのかと本気で驚いた。
放送していいのかと思ったくらい。
けど、だいぶ上手になったよね!成長したなぁってほほえましい気持ちで見てます。
初々しく、とにかく笑顔が爽やかで可愛い。
歴代のオリジナルキャストが毎回出てきても全く霞まない存在感。
肝がすわっている。
ただでさえジオウは記念作という事もあり情報量が多く内容が濃い中、
目まぐるしいスケジュールかと思うが、一年かけて成長が楽しみ。
まだ数回の放送だからかもしれないが、新人なだけあって演技はまだまだというのと棒読みな感じで初々しい感じもするけど他の人が演技していると浮く感じが否めない。普段パートも吹き替えパートはもっと感情があると良いかなと思う。
若くてイケメンなのに、なぜか存在感が薄いです。むしろ、ゲイツやツクヨミのほうが存在感があります。イマイチ個性がなく、「王様になりたい。」と言うセリフに説得力が感じられず、上滑りしているような気がします。まだ人としての厚みが足りないと思いました。