宮本から君へ

泣き顔のような、笑いをこらえているかのような、なんとも言えない日々の鬱憤のような、むずむずする感情を上手に表現できる役者だと思います。なおかつ、笑った顔は子犬のようでとても可愛い。年配女子に気に入られそうな俳優だと思います。

演じるキャラクター同様、すごい目をそむけたくなるような状況でも痛ましいまでに真っ向勝負して挑んでるようで、これは本当に演技なのか？と錯覚する。周りの巧みな俳優陣にも囲まれ、どこまでももがく主人公の姿がとても痛々しく空回りして、本来なら観ているのもつらいけど、彼がとことん演じきっていて空回りすること自体がすごくかっこよく感じる。ただ演技で魅せるのではなく、観ている者に体験を味わわせるような彼のリアリティある芝居に毎回しびれてます。

受付嬢に会いに行った泣きの演技が素晴らしかった。あんな風に泣けるなんて。
新人ぽい彼女も、池松くんの演技にうまく引っ張られてたと思う。
とにかく4話は良かった。
トイレでケンカした時のセリフが聞き取れなかったことだけが残念だけど。

わけわからない性格の役も個性的にこなしています。冬の海のシーン、体当たりを感じました。また、プライベートでも仲のよい柄本さんとのやりとりが生き生きしていてとてもいいです。イケメンなのにどうしようもない役までよく演じられていると思います。

とにかく自然体の演技が上手。憧れの彼女になかなか積極的に慣れない姿がとてもかわいいです。なんとも憎めない宮本くんの役を素で演じてるように見えるのはさすがです。なんの役でも自分のものにしてしまう池松壮亮はこれからの日本の演劇界を引っ張っていく存在だと思います。